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http://www.asahi.com/national/update/0627/SEB200706270007.html
2007年06月27日13時02分
長崎市の伊藤一長・前市長が射殺された事件で、この銃撃事件の起きる直前に、城尾哲弥被告(59)=殺人罪などで起訴=の知人から長崎署刑事課の捜査員が「城尾(被告)が伊藤事務所に行くようだ」と通報を受けていたことが分かった。長崎県警は内部調査を始め、この刑事らから事情を聴いている。
27日午前に開かれた同県議会総務委員会で、県警の畔林(うねばやし)一喜刑事部長が明らかにした。同部長は「事件の2時間前に、ある人物から捜査員に電話があった。公判もあるので中身については控えさせていただきたい」と説明。さらに「緊迫した状態ではないと判断し、上まで報告が上がっていなかった。一捜査員の感覚でこういうことになったのは非常に残念。今後、このような情報には確実に対応し、検挙する」と述べた。
伊藤前市長は4月17日夜、長崎市のJR長崎駅前にあった市長選の選挙事務所前で銃撃され、翌18日未明に死亡した。
通報したとされる男性は朝日新聞社の取材に「事件当日(17日)の午後6時ごろに知り合いの長崎署の刑事の携帯に電話をかけ、城尾(被告)が市長を告発する文書を持っていくようなので、逮捕するべきだと伝えた」と話している。男性は城尾被告と親しく、事件前に「どこに行けば市長と会えるのか」などと尋ねられていたとされる。
また、この男性は事件の翌日以降も、県警の事情聴取に対し「捜査員に事前に通報した」と証言したが、県警は事前情報の存在を明らかにしてこなかった。
長崎署の永松衛署長は取材に「事実関係を調査して明らかにしたい」としている。
城尾被告は銃撃事件当時、指定暴力団山口組系の会長代行だった。02年から、知人が経営する建設会社が市の融資制度の適用を断られたことや、市道の工事現場で起こした自損事故への補償などをめぐり市への抗議を繰り返していた。このため、市は04年11月、行政に対する暴力として、県警に相談を持ちかけていたという。
県警は市に、城尾被告からの要求をはねつけるよう助言していたが、選挙期間中も、伊藤前市長への身辺警備などの対応はとっていなかった。
畔林刑事部長と永松署長は、事件直後に開かれた記者会見で「事件が起きるとはまったく予想外だった」と説明していた。
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