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参議院選挙の投票日まで、あと1ヶ月と3日となった。私は今日からある「行」(ぎょう)に入る。選挙になれば、政治家は獅子にもなれば、夜叉ともなると昨日書いた。私は今回の参議院選挙で候補者でないのだが、候補者になったつもりで三つの行に専念することとする。そのひとつが、この永田町徒然草で“気合の入った”論舌を発することにより、野党陣営を叱咤激励することである。また自公“合体”政権を激しく追及することにより、自公両党を徹底的に追い詰めることである。どうか、ご期待の上、引き続きご愛読をお願いする次第である。
昨日、アメリカ議会の下院外交委員会で、従軍慰安婦問題に関する決議が可決された。このことについて、安倍首相は「米議会の決議だからコメントするつもりはない。すでに私も米国を訪問した際、私の考えを説明している」と述べたという。そのうえで「米議会では相当たくさんの決議が決議されている。そういう中の一つなんだろう」と語ったという。そんなものだったら、この前わずか2日間の訪米の際、わざわざ議会関係者と会って謝罪したのは、いったい何なのだといいたい。また口を開けば“日米同盟”という安倍首相や自公“合体”政権にとって、アメリカというのはそんなに軽いのかといいたくなる。
わが国の右翼反動の政治家や評論家の歴史認識や国際感覚のおかしさが、今回の決議で露呈された。朝鮮の植民地支配・満州国の擁立・中国大陸への侵略そして第二次世界大戦(太平洋戦争)という20世紀前半の歴史全般についての認識が、右翼反動はおおかたの歴史学者や国際的な感覚と著しく違うのである。彼らはそれを自虐史観というが、物事は抑圧されたり虐殺された人々の立場からもみなければ、公平な歴史認識にはならない。わが国は、遅れた帝国主義国家として、また唯一のアジアの帝国主義国家として、朝鮮半島と中国大陸、最後にはアジア全体(オセアニア大陸を含む)を侵略したのである。彼らには、欧米列強に伍して“進出”していった先輩たちに対してある種の共感とノスタルジーがあるのではないか。私はいつもそう感ぜざるを得なかった。
欧米の帝国主義列強に伍して他国を侵略するためには、国内において徹底的に自国民を抑圧せざるを得なかった。一時的に大正デモクラシーといわれた時代もあったが、中国大陸への侵略や太平洋戦争に突入していく過程で、狂信的国粋主義に支配された右翼反動ファッシズム体制を確立していった。昭和に入ったころから、こんにち私たちが基本的人権と呼んでいるものなどは、徐々に排斥され最後には根絶やしにされてしまった。神権的天皇を頂点とするファッシズム体制が、完全に確立された。彼らが理想としている秩序の根底には、そのようなものがどうしても感じられるのである。そのような社会の上層部に立つ者には、それは都合の良いものかもしれない。だが、それは、自由主義とは“ 絶対に”相容れない。
満身創痍のように思われる火宅の主でありながら、安倍首相は「3年後に憲法改正案を発議する」と平然と主張する。私には“政治的音痴”ではないかと思われるのだが、わが国には何でもいいから整然とした秩序を求める人たちがそれなりにいるのかもしれない。右翼反動は、彼らの経験でそれを知っているのかもしれない。花のお江戸の東京で、石原都知事が3選されるのだから、彼らには彼らなりの手応えがきっとどこかにあるのであろう。インターネットの上で、右翼反動的なものが非常に元気付いていることだけは確かである。かなり真剣にインターネットをウッチングしていた6年前には、少なくともこのような傾向はなかった。アメリカのネオコンもタチが悪いが、わが国の右翼反動も50歩100歩だと思う。その先頭に立っているのが、安倍首相なのである。彼の特質といえば、それくらいしかない。あとはいたって凡庸な人物である。
第一の行は、今日ところこのくらいにしておこう。ところで、冒頭に三つの行といった。あと二つは何だろうかと思うだろう。これは現在のところ“極秘”である。戦いにおいては、すべてを明らかにすることはできない。その時期がきたら、明らかにする。この二つの行の方は、第一の行に比べ私にとってはるかに過酷である。この行を達成できた暁には、満願を成就できるかもしれない。ぜひ、満願を成就したいと念じている。念じれば、通じるというではないか。
それでは、また明日。
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