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社会保険庁の問題とは [メディア・レボリューション]
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投稿者 white 日時 2007 年 6 月 27 日 20:39:12: QYBiAyr6jr5Ac
 

□社会保険庁の問題とは [メディア・レボリューション]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070627-02-0801.html

2007年6月27日
社会保険庁の問題とは
 何とまあお粗末な役所もあったものだ、といわんばかりの報道が続く社会保険庁だが、これまでに取り上げられた内容を眺めてみると、三つの代表的なカテゴリーに分かれているように見受けられる。
 一つは社会保険庁だ、厚生労働省だ、というのではなく、年金保険制度そのもの、あるいは制度に関わる人々とその仕組みに関わる問題点である。徴収した保険料が「いますぐ」払わなくても良いからといって、盛大に無駄遣いをする。またそれが許される。無駄遣いのチェックが取り返しがつかなくなってからしか働かないような制度設計。それに気がつきもしないで、騒ぎが起きてから初めて「溺れた犬」たたきに狂奔する識者、マスコミ。依らしむべし、知らしむべからずの体質からの必然的帰結である。現在、年金の一部または全部をもらっている人が、なぜこの金額を支給されるのか、全く意味不明の通知書一通でことがすまされているのもその典型的な現れの一つである。
 二つ目はその制度運用にあたっての杜撰さ、あるいはスキルの欠如である。これとても人目に触れないところでなんでもあり、の第一の点の結果という側面も大きい。名簿の保管をおろそかにする、照合にチェック機能が存在しない、などという初歩的職業倫理の不在もさることながら、それに輪をかけるような「働きません」という労働協約。それもヤミ協定としてではなく、堂々とした存在である上に、釈明(?)に現れた組合幹部が全く悪びれないというものすごさ。あげくのはてがコスメティック・ワークとしての相談電話に素人のアルバイトをあてて平気だという異常感覚になる。
 三つ目は第一の点と第二点のグロテスクな結合である。蜜にたかる蟻さながらに関連業界に天下るOBたち。しかもその多くはコスト無視の外注・業務委託の発注に伴う企業である。これは厚労省だ社保庁だに限らず、どこの役所でも大なり小なり存在しているから、「こんな騒ぎにならなければ表沙汰にならなかったものを」と筋違いの恨み言をぼやいている向きもあるだろう。いまのところ入札だ、談合だのは記事になっていないが、これが公明正大に行われていたりしたらむしろ驚きだという市民感覚はあながち間違っているとも思われない。

ことは役所一般の問題だ
 こうして見てみると、ことは社保庁、厚労省に限らないのではないかという残念な、しかし当然の疑問に行きあたる。「目に余る」ケースだけが、あるいは「運の悪かった」省庁だけが血祭りにあげられて、それ以外のお役所はしばらく頭を低くしているかもしれないが、実のところは何も変わらない、という構図である。「働きません」協定の存在が社保庁に特殊なものだと信じる理由もなければ、大甘の外注単価や発注量にたかっている天下りが厚労省キャリアだけだと断言もできない。誤解のないように付言しておくが、日本の官僚は、世界諸国のそれに比べればおしなべて清潔で優秀である。しかし、監視もなければ透明度もないところで完全に道徳的に振る舞うほど聖人君子ではないことも事実だ。もともと公的セクター、あるいは非営利のセクターにはコスト節減意識が機能しない。これは制度設計上の問題であって官僚が悪い訳でも、役人がずぼらな訳でもない。それに対応するためには別の仕掛けが必要なだけだ。現在起こっているような、事後のバッシングというのは、効率において問題はあるが、民主主義制度における一つのやり方ではある。しかし、決して唯一のそれではない。密告の奨励(最近ではwhistle blowerというらしい)、オンブズマン、お目付役、監査する人の増員も、世の中、少し住みにくくなるかもしれないが、悪い知恵ではないかもしれない。安倍内閣が不退転の決意で取り組んでいる「天下り防止」を軸とする公務員制度改革も、もちろん成果が上がることを期待したい。

解決策はあるのか
 だが、一番基本的な解決策は、業務成果の定量的な評価とその公開であろう。その役所の業務の成果は、コスト実績は、定量的に把握するとどうなるか。対前年はどうか。民間に比較すべき指標はあるか。そうした検証それ自体も重要だが、それにも増して、その結果をいかに納税者に、国民に公開して周知するかがもっと大事である。とかく公的セクター業務の評価というと、なあなあだったり、出来レースだったりする場合が多いのは人の知るところである。のみならず、当初はトップの意気込みなどもあってなかなか斬新な試みだったものが、マンネリ化していつのまにやら昔通り、という「評価」が存在するのも事実だといってよい。その多くの理由は、ほとんどの「評価」が役所自体の手になる自己評価であると同時に、結果の公開について手段も工夫も講じられていないところにあった。どんな制度も完全ではあり得ないし、「評価」なるものもやりようによってはお役所仕事の屋上屋、さらには繁文縟礼を増加させるだけ、ということになりかねない。しかし、評価や制度設計を専門に行う機関が、公的セクターであれ、民間であれ存在すれば話は異なってこよう。「評価」とて人のすることだ。このコトバ自体が魔法の弾丸である訳でも、万能薬であるはずもない。だが「知らしむべからず」に飽きたらず、ことが起こっても喉元過ぎればどこかへ行ってしまう役所の不祥事の繰り返しにうんざりしているのなら、新たな工夫が必要だろう。新たな制度設計が望まれている、といってもよい。最近よく耳にする「業務仕分け」も、シンクタンク待望論もこの線上にある議論のように思われる。 (入山 映)

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