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□統一地方選挙にようやく終止符 [メディア・レボリューション]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070627-01-0801.html
2007年6月27日
統一地方選挙にようやく終止符
第16回統一地方選挙は、再選挙となった宮城県加美町長選挙の投票が6月17日に行われ、3月22日に東京など13知事選の告示で始まった選挙戦にようやく終止符が打たれた。加美町では、4月22日の選挙では5人の候補者が誰も法定得票数(有効得票総数の4分の1)を獲得できず「当選人なし」となったため実施された。再選挙は本選で最下位だった候補が立候補を見送り残り4人で争われたが、前回1位だった元町議が5066票(有効投票数の30.27%)を獲得し次点にわずか6票差で初当選を果たした。
異例の再選挙2件
再選挙や長崎市長銃撃事件に伴う補充立候補など異例続きだったが、選管が当選者と落選者を間違えて発表するという『異例』の事態も発生した。4月8日開票の京都府議選の京都市中京区選挙区で、区選管が4人の候補者のうち3人の最終得票を取り違えて発表した。この結果、トップ当選した自民現職が"落選"、次点の民主新人が“当選)となり、誤った当確情報がNHKと地元民放KBSの開票速報で流され、民主新人は支援者とバンザイ、自民現職の事務所は重苦しい雰囲気につつまれた。ところが、発表の得票数と点検台に積まれた票の束の「山」の大きさが違うことを立会人が指摘し、再集計の結果、2人の当落が入れ替わっていたことが判明した。天国から一転して地獄に落とされた民主新人は憤りを抑え切れなかったが、同じ選挙区で当選した無所属の議員が選挙後公選法違反で略式起訴されて辞職したため繰り上げ当選となり改めてバンザイをした。発表用紙の名前と得票を十分確認しなかったのが原因で、「前代未聞の出来事」に京都市選管が関係者を処分したほか、京都府選管も各市町村選管に注意を喚起した。
同じような得票の取り違え発表は、愛知県議選の稲沢市選挙区でも起きていた。自民現職2人の得票を取り違えて発表したもので、その時点では当選者と落選者が入れ替わっていた。しかし、30分後に訂正発表があったため新聞やテレビの速報で「当確ミス」などの実害はなかった模様である。
選管の誤発表は、「前代未聞の出来事」ではなく、古くは昭和49年の参議院選挙の全国区で、東京都選管が候補者得票の集計で23区と多摩地区の候補者番号を取り違えて合算(届け出番号1番〜10番の候補者の23区の得票に11番〜20番の候補者の多摩地区の得票を合算など)し、誤った中間票を発表した。この結果、最終的には大差で落選した候補の得票が"当選ライン"を超える現象が起きて数人の当確を間違えた通信社もある。当確の判定は、最終的にはマスコミ各社が自分の責任で行うものであり、選管の誤発表を見抜く力が要求される。
総務省の発表数字にも誤り
といっても、各選管の正確な発表が最も重要だが、今度の選挙では総務省の発表数字にも誤りが見られる。町村議選の有権者数と投票者数の数字が、NHKなどの集計や各選管発表の数字の累計より、有権者数が3万651人、投票者数が2万2993人多いのである。精査してみると、北海道幕別町と洞爺湖町の合計数と合致する。2つの町では、市町村合併前の旧町村を単位にそれぞれ2つの小選挙区で投票が行われており、小選挙区と町全体の有権者数・投票者数を二重に足してしまったものと思われる。
改めて4年前の統一地方選挙の報告書を調べて見ると、県議選では群馬県の太田市選挙区の有権者数・投票者数が抜け落ちているほか、長野県伊那市の投票者数が二重に加算されており、同じ長野県の旧開田村の無投票当選者の数もカウントされていないことも判明した。総務省は、速報は緊急に作成したもので、係数整理で多少の移動がありうるとしているが、係数処理にしては差があまりに大きすぎ、誤ったままの数字やそれに基づいた投票率などの分析が、選挙関係団体の機関誌にもそのまま掲載されている。
市町村選管に要求される「正確さ」
これは、統一地方選挙の場合、知事と道府県議の選挙は各都道府県が責任を持って執行するが、そのほかの市町村長・議員選挙については、該当の市町村選管に責任があり各都道府県管は各地の報告を取りまとめて総務省に取り次ぐだけである。総務省には、報告された数字の正誤を確認するすべがなく、筆者もかつて自治省の担当者と立候補者数など確認しあった経験がある。
総務省の集計システムそのものは欧米各国に比べても遜色はなく(米国などは全国集計は通信社やマスコミ頼り)、実際にデータを送信する地方選管の混乱を少なくするため参院選では統一様式を作成している。しかし、都道府県選管の中には自ら開発した従来の様式を踏襲しているところも多く、また市町村選管レベルでは、案分票の計算など開票作業の執行面でのミスも散見される。
ネットを利用した積極的な情報開示を
7月の参院選は、平成の合併後初めての国政選挙であり、市町村選管の事務量は増大し、万一衆議院解散・同日選挙になれば作業量は膨大なものになる。今度の統一選では、開票作業をスピードアップする試みが数多くなされたが、最も大事なことは「正確さ」である。
またミスを早く発見し、減少させるために重要なことは、積極的に情報を開示することであろう。インターネットの普及で、選挙の投票・開票状況をリアルタイムで速報する選管が増えているが、総務省もマスコミに情報を提供するだけでなく、イタリア内務省のようにネットを活用した積極的な情報開示を期待したい。(仁平 俊夫)
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