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2007年06月18日
沖縄密約の証拠がまた見つかった
17日の東京新聞の一面に「日米密約の資料発見」の大見出しでスクープが踊った。沖縄に核持込を認めた密約の存在を示す新たな資料がまた米国の国立公文書館で見つかったという。
私は毎日主要日刊紙に目を通すのであるが、移動中はすべての新聞に目を通すことが出来ない場合がある。その日の朝も移動中であったので東京新聞を見落としていた。東京に戻ってから東京新聞を買い求めてこのスクープを知った。
1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領による日米首脳会談によって沖縄返還は決まった。その過程で佐藤首相の密使として米側責任者と協議を重ねた若泉敬元京都産業大学教授は、1994年に、「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文芸春秋刊)という著書を発表し、有事における「沖縄への核持込み」を認める密約に日米両国首脳が合意していた事を暴露した。その後若泉氏はマスコミのインタビューなどに一切応じることなく、沈黙のまま2年後の96年に他界した。
今回発見された米国立公文書館の資料は、この若泉氏とキッシンジャー大統領補佐官(当時)の通話記録89点を含んだ新たな資料だという。日本大学の信夫隆司教授が発見した。その内容は若泉氏の著作で明らかにされた密約の記述と一致するという。「密約」を否定し続ける日本政府はまたしても追い込まれた。
「またしても」と書いた理由は、すでに「密約」は周知の事実であるからだ。その決め手として毎日新聞の元政治部記者であった西山太吉さんの訴訟を通じて明らかにされた事実がある。沖縄返還交渉時に米国側が支払うことになっている米軍用地の原状修復経費400万ドルを日本が密約で肩代わりを約していた。それを示す外務省公電を入手してすっぱ抜いた西山太吉氏は、密約の存在から国民の目をそらす形で、政府に機密漏洩罪を犯したと訴えらた。密約問題はうやむやにされてしまった。
その後2000年に、この密約の存在を示す文書が米国立公文書館の資料で確認された。さらに2006年には当時の外務省担当局長であった吉野文六氏が密約の存在を認める発言を、新聞社のインタビューに答える形で公表した。
西山氏は、2007年5月「沖縄密約」(岩波新書)を上梓し、渾身の力で公文書や当時の記録を調べ上げ、沖縄返還時の密約が複数あることを明らかにした。核持込の密約もその一つである。
今回毎日新聞がスクープしたあらたな米国立公文書館の資料は、日米密約の存在に駄目押しをする事になる。
もうこれで十分であろう。英語で言えばイナフ イズ イナフ だ。我々国民は検事となり、外務省を被告人として訴追すべきだ。奇しくもこのスクープを報じた17日の東京新聞の書評欄に、起訴休職外務事務官の佐藤優氏が、西山太吉氏著の「沖縄密約」の書評を書いていた。佐藤氏はその書評を次のような言葉で締めくくっている。
・・・外務省は、西山太吉「検事」に対して素直に自供することが、国民から情状酌量を得る為の唯一の道であることを認識すべきだ・・・
http://www.amakiblog.com/archives/2007/06/18/#000437
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