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2008 年が医療崩壊の本番。新自由主義経済型医療制度の元年になるのだとか。
既に、私の診療所でも、駆け込み受診と見られる高齢者が増加しています。
----道標 Guideboard から無断転載---------------------------------------
http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2007/06/post_7db0.html
2007年6月17日 (日)
医療崩壊 / 見えてきた炎
キーワード
医療崩壊、参議院選挙、医療費抑制政策、後期高齢者医療制度、総額抑制、人頭割、デスマーチ、自民党、自由民主党、厚生族、厚労族、丹羽雄哉、民主党、仙谷由人、マニフェスト、骨太の方針、歳出削減、基礎的財政収支、プライマリーバランス、経済財政諮問会議、大田弘子経済財政相、経済財政担当大臣
2008 年、私たちの目に映るのは地獄の業火か。
2011 年度までに基礎的財政収支 ( プライマリーバランス ) を黒字化させる「骨太の方針二〇〇六」では、社会保障について 1 兆 6 千億円の削減を求めるということだった。そして明後日、6 月 19 日に「骨太方針07」が決定される。2008 年度予算では、社会保障費は 2,200 億円削減される予定だ。
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メディファクス #5183 2007.6.13
■削減目標1.1兆円の早期達成を示唆
諮問会議「骨太07」原案を了承
政府の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)は12日、「骨太方針2007」の原案を了承した。
.....
原案では「骨太方針06」に従い5年間の歳出改革を実現するとした上で、来年度予算については、これまでの歳出改革の努力を緩めることなく、最大限の削減を行うと明記した。
.....
大田経済財政相によると、民間議員からは「今回の原案に、骨太方針06にのっとって、最大限取り組むことをしっかり書き込めたのは大変良いことだ。今後のシーリングや予算編成でも堅持していくべき」との意見が上がったという。
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既に医療崩壊は時代の流れ、歯車を逆に回すことは叶わないと分かっている。崩壊後の再建に思慮を巡らせたい ..... 我が心は涅槃を通り越し、輪廻転生に向かっているのに、まだ覚醒段階、現世に未練があるのか、あと 10 ヶ月足らずの時間が気にかかる。
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涅槃、覚醒の用語については、いつも拝見させて頂いている新小児科医のつぶやき http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/ から。
» 2007-05-05 意識は進む http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070505
» 2007-05-28 第六段階はあるか http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070528
第一段階 否認 医療崩壊の存在自体の否定
第二段階 怒り トンデモ医療訴訟やお手盛り医療改革への怒り
第三段階 取引 こうすれば医療崩壊を防げるの提案の摸索
第四段階 抑鬱 何をしても無駄だのあきらめ
第五段階 受容 生温かく滅びを見つめる涅槃の境地
第六段階 覚醒 出来る範囲で医療崩壊に対し行動を起し始める
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参議院選挙を前に、安倍政権は年金問題で支持率が急落している。年金加入記録というと、転勤すること 10 回など当たり前の勤務医では、どこでどう欠落しているか、分かったものではない。
小泉政権を引き継ぎ、医療崩壊を加速させている安倍政権。新自由主義の格差固定路線を再チャレンジなどといって修正を試みてはみたが、安倍政権も時代の流れには逆らえず。再チャレンジという言葉は、政権発足後しばらくして、国民投票法案と教育改革関連法案が通った頃には聞こえなくなった。再チャレンジとは、コストがかかってパフォーマンスが悪い政策、経済活動なのだ。人気取りのお題目だったのだろう。
参議院選挙で自民党が大敗して、もしも安倍政権が倒れたとしても、あるいは野党との参議院勢力逆転で自民党が衆議院圧倒多数の力を振るえなくなったとしても、医療崩壊の流れは変わるまい。
茨城県出身の自民党厚生族のドン、丹羽雄哉氏 http://www.niwayuya.net/ が某所でおっしゃるには、医療費は何があっても、減りこそすれ増えることはない、ということである。自民党はまるごと新自由主義に染まってしまったのだろうか。
では民主党はどうか。参議院選挙に向けた政策 10 本柱というもののうち、医療関連を見てみる。
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» 「民主党の政策 10本柱」 ( pdf 241KB ) http://www.dpj.or.jp/news/files/070613_toushin.pdf
5. 産科・小児科などの医師不足を解消する。
緊急行動計画を策定し、医師・看護師等の配置を適正化し、医師不足を解消します。
院内保育所の整備や復職のための研修などで、女性の医師・看護師等が仕事を続けやすく、復職しやすい環境を整備します。
全ての地域で、最善のがん治療や最新のがん情報が受けられる体制をつくります。
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これも心もとない。
民主党次の内閣厚生労働大臣である仙谷由人氏 http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/ のお考えは、ある部分はよいのだが、これは昨年のものだ。
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» 民主党の医療制度改革案 http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/kaikakuan.html
» 「日本の医療のあるべき姿を求めて」 http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/oowaku.html
» 民主党医療改革大綱 http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/housin.html
医療技術が最高水準に近い今日の日本。にもかかわらず、「最善の医療」を受けるのが難しいばかりか、生命すら脅かされるような危険が日常的に生じているのはなぜなのか。
それは、診療報酬制度や医療提供体制、健康保険制度などが極限まで進んだ制度疲労によって崩壊しつつある一方、非効率なシステムが生む大きなムダや、一部へ流れる過大な利益が温存されたままだからです。
問題の本質には手をつけないまま、財政的観点からのみ医療費を削ろうとする、これが「医療制度改革」に対する政府の姿勢であり、このままでは医療が守るべき国民の命を削ることになりかねません。
( ちなみに、ここにはこれもある。» 2006年4月25日衆議院厚生労働委員会にて発言 横浜市立大学付属 市民総合医療センター 母子医療センター 産科医 奥田美加 ) http://www.dpj-tokushima.jp/sengoku/060425okuda.html
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介護型療養病床の全廃と医療型療養病床の削減は既に決定され、現在進行中である。急性期病床も 7 :1 看護という愚策や医師不足で減り続けている。
2002 年に小泉政権が初めて診療報酬削減を実現したとき、すでに政財界では 2008 年を予定していた。コンサルタント業者や金融機関などからわずかに漏れていた話では、2008 年が医療崩壊の本番ということだった。
その具体策の一つが後期高齢者医療制度ということだったのだ。
後期高齢者医療制度でのキャップ制と総合医制度による人頭割、アクセス制限で開業医半減。医師の配置は ( 多分一部になるだろうが ) 強制配置。さらには国民健康保険統合への広域保険連合。高齢者特定健診で健診業者への財政優遇まである。
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75 歳の誕生日を迎えたその日から、昨日まで受けていた治療が受けられなくなる。高血圧や糖尿病は内科、腰の痛みや骨粗鬆症は整形外科、その他眼科、皮膚など、それぞれ専門の医療機関にかかることができたものが、75 歳の誕生日から、どんな病気であっても一人のかかりつけ医の治療を受けることになる。
倒れたとき、死ぬかも知れないと思っても、病院では医療を受けることができない。終末期医療は在宅である。家族は最後まで面倒を見てくれるだろうか。家族介護は無限地獄。高齢者の命が尽きるか家族の精神力、体力、経済力が尽きるかの消耗戦となる。
これが後期高齢者医療制度。75 歳の誕生日を約 2 週間後に控えたある日、役所から後期高齢者医療受給証が送られてくる。通っていた医院には行けなくなり、今まで使っていた保険証は使えなくなる .....
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後期高齢者医療保険は、それまで被扶養者で保険料を払うことがなかった主婦にも保険料を課す。
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2007.5.11 キャリアブレイン
https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=8693
後期高齢者医療 年収700万以下で負担増
来年4月に発足する「後期高齢者医療制度」の保険料は、給与年収が少ない人ほど負担増になる仕組みであることが5月10日に開かれた参議院厚生労働委員会で明らかになった。
同制度では、給与年収700万円以下で負担増となり、同800万円以上で現在よりも負担が軽くなることが示され、議員が「あまりにも不公平な制度だ」と追及した。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の人に新たな医療保険への加入を義務づける制度で、現在、子どもの扶養家族で保険料負担がない人を含め、すべての人が保険料を支払うことになっている。
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すなわち、2008 年が自由主義経済型医療制度の元年になるということだった。
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20 世紀の最後の 20 年、世界でただ一つ、日本にだけ訪れた奇跡。その奇跡を支えていたものは失われつつある。それでもなお、現場にはまだ数多くの医師が踏みとどまっている。奇跡を支えていたのは医師の倫理観とか誇りとかという諸刃の剣。それらはまた洗脳とも言う。
先日、ある先輩医師に出会った。凄腕の外科医、優秀にして温厚、大変いい人だ。某県の崩壊の目玉の一つの病院で、頑張っておられる。崩壊には気付きかけていらっしゃったようだ。
しかし、洗脳がまだ解けていない医師も多いだろう。
上で挙げさせて頂いた新小児科医のつぶやきの本日の記事、2007-06-17 世間の認識 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070617 を拝見させて頂くと、コメント欄でデスマーチについて触れられていた。
思い出したときに控えておこう。
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» デスマーチ
ソフトウェア産業において、デスマーチとは、長時間の残業・徹夜・頻繁な休日出勤といった、プロジェクトメンバーに極端な負荷を強い、しかも成功の可能性が薄いプロジェクトを主に指す。プロジェクトの死に向かって過酷な状況でメンバーが行進する、という意味で「デスマーチ」と呼ばれる。
メンバーに心身ともに強い負担が生じるため、急激な体調不良、離職、開発の破棄ともとれる中途半端な状態での強引な納品、最悪の場合には過労死、自殺に至る危険性を孕んでいる。その発生要因は主に、プロジェクトに対するマネジメント(プロジェクトマネジメント)が不適切であることとされている。
「デスマーチ」という言葉を広めたのは、エドワード・ヨードンであると言われている。ヨードンは、その著書「デスマーチ:なぜソフトウエア・プロジェクトは混乱するのか」で、デスマーチの定義を「プロジェクトのパラメータが正常値を50%以上超過したもの」もしくは「公正かつ客観的にプロジェクトのリスク分析 (技術的要因の分析、人員の解析、法的分析、政治的要因の分析を含む) をした場合、失敗する確率が50%を超えるもの」としており、具体的には以下のいずれかに該当するものと定めている。
1. 与えられた期間が、常識的な期間の半分以下である
2. エンジニアが通常必要な人数の半分以下である
3. 予算やその他のリソースが必要分に対して半分である
4. 機能や性能などの要求が倍以上である
ronSpace http://ronspace.cocolog-nifty.com/blog/ より参照。
» 医療デスマーチの終焉 http://ronspace.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_0a66.html
新小児科医のつぶやきより参照。
» 2007-01-27 デスマーチ・プロジェクト http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070127
» 2007-01-29 デスマーチ補足 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070129
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参考リンク
三重県医師会 日本の医療制度が崩壊する?! http://www.mie.med.or.jp/hp/iryou/flash.html
[崩壊進む医療制度]小松先生に聞く http://blog.m3.com/TL/20070616/2 ( 東京日和@元勤務医の日々 )
日本の医療が崩壊する (06/12) http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-204.html ( 健康、病気なし、医者いらず )
政府の医療政策は変わらない http://blog.m3.com/DrTakechan/20070610/1 ( 元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい )
崩壊進む医療制度 社会的共通資本として保全を http://kurie.at.webry.info/200706/article_54.html ( 医師の一分 )
参考資料
医療崩壊 / 見えてきた炎資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2007/06/post_d210.html
過去記事
小泉の失われた 6 年 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/_6__6c30.html
逆風 / 朝日新聞論説委員氏 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/__f8d9.html
小泉 / 安倍 2 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/10/_2_b5d3.html
小泉の奢り / 医療改革 2 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/05/_2_6d10.html
小泉の奢り / 医療改革 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/05/__de8b.html
道標主人 | 2007-06-17 22:50
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