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2007年06月15日
年金問題の次は介護問題が火を吹く
こういう発言を知ると本当に腹が立つ。「・・・まず社会保険庁長官、次に菅氏を呼んで・・・なんてやっているうちに立ち消えになっちゃう」(某厚相経験者)、「参院選前だから色々言うけど、選挙が終われば『何のことだっけ?』となるよ・・・」(自民党執行部の一人)(いずれも15日付朝日新聞)。要するに今の政権では年金問題は解決できないし、その気もないということだ。
繰り返して書いてきたが、この年金問題はこのままでは解決しない。退職後の生活を年金に頼らざるを得ない多くの国民にとっては死活問題であるが、この国の為政者たちはまるでひとごとのように考えているのだ。
そして年金問題の次は介護問題だ。このままいくとまもなく日本人の多くが介護が必要な老人になる。介護が深刻な一大社会問題になる。それは誰が考えても当たりまえの話なのに、政府はこの問題も、年金問題と同様、真剣に考えている節はない。大問題が表面化してはじめて大騒ぎすることになる。
15日の毎日新聞と産経新聞に、偶然にもこの介護政策についての政府の責任を追及する論説が載っていた。毎日新聞の発信箱は「コムスンの黒幕」と題して経済部の」中村秀明という記者が次のように書いている。
・・・社員に厳しいノルマを課し、不正を積み重ね、それでも採算に乗らないのが訪問介護事業といえる。現場のヘルパーの多くは年収300万円未満で、離職率も高い。介護は、ビジネスとしても、職業としても、夢も希望もないどころか、成り立っていないのが現実だ・・・厚生労働省が(赤字削減のため06年度に)業者への介護報酬を引き下げたせいだ・・・介護を「無償の奉仕」として家族や地域だけに押し付け(られないからといって)民間にゆだねたのはよいが、(利益を上げられる仕組みをが備わっていない事を放置する)お役所仕事に終始する厚労省こそ問題の黒幕ではないか。このままではやがて何百万人の介護難民が生み出される日が来る・・・
もう一つは産経新聞の「断」というコラムである。「コムスン処分の読み方」と題して、作家・医師の久坂部羊という人がこう書いている。
・・・介護はもともと福祉の一環として、国と自治体が担ってきた。それが超高齢社会を迎えて官が担いきれなくなったので民間の力を導入しようとしたのが介護保険である。民間を参入させるためには、まず介護を「もうけ話」にしなければならない。しばらくは業者に甘い汁を吸わせる。ある程度参入が進み、後戻りできない状況になったら、国は見せしめと主導を兼ねて、引き締めにかかる。それが今回のコムスン処分の構図だろう。
不動産業や外食産業など他業種からの事業参入が相次いだ。もともと介護に無縁な彼らがなぜ、と首を傾げたが、目的はあきらか。営利追求。介護に縁の深い福祉や医療関係者が動かないのだから仕方がない・・・いったん経営が悪化したり、方針がかわったら、立場の弱い利用者はいとも簡単に切り捨てられる。気に入っていたヘルパーを替えられたり、無理やり別の施設に入れられる。在宅医療の現場で、犠牲者になる高齢者を見るたびに、介護企業の本性を痛感する。とはいえ民間企業からの参入なしには、今や日本の介護は成り立たない状況にある・・・
介護問題も完全に行き詰っている。それなのに手を打たない、打てないのが政府なのだ。いずれ介護問題も火を吹くことになる。わかっているのに放置され続ける。もはや国が機能していない。国が今やるべきことは、改憲を急ぎ、日米軍事同盟を強化することではない。目の前で悲鳴をあげている国民の生活を助けることだ。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/06/15/#000431
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