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米艦寄港、なぜ今か、なぜ与那国か
■「慰霊の日」の翌日に
今月23日は一般住民10数万人を含む20万人余が犠牲になった沖縄戦終結の「慰霊の日」。2度とこうした悲惨な過ちを繰り返してはならないと各学校では平和学習も始まるなど、今月を平和月間あるいは戦争犠牲者の御霊を慰める鎮魂の慰霊月間として県内では各種の取り組みが展開されている。
ところがこうした中、よりによって米軍が慰霊の日翌日の24日から26日まで、まるで住民感情を逆なでするように米艦船2隻を与那国の祖納と久部良港に寄港させると通知。地元住民や郡内の労組など民主団体から強い反発を受けている。
5日の通知を受け、さっそく8日は八重山地区労や沖教組、高教組両八重山支部と沖縄本島在の与那国出身有志らが県本庁と県八重山支庁に対しそれぞれ寄港反対の申し入れを行い、さらに11日には外間守吉与那国町長に対し、八重山地区労など前記の3団体と地元与那国の住民の会などが寄港拒否を申し入れた。
一方、2つの港を管理する県も、仲井真知事の「米艦船は専用の港があり、本来民間の港は使用すべきでない」の反対の姿勢を受けて米軍に自粛を既に申し入れている。
■八重山にも“基地化”の波
与那国への寄港は、石垣市を訪れた米総領事による石垣港への寄港を拒否されてのものだ。しかし思うになぜ沖縄戦終結の「慰霊の日」を前後したこの時期なのか、そして石垣がだめならとなぜ与那国なのかということだ。米軍が言うような単なる友好親善と燃料補給が目的とは思えない。そこに明らかにされない日米軍事同盟の深い意図を感じざるをえない。
特に小泉、安倍と続く両政権で日本は憲法で定めた戦争をしない国から、確実に戦争をする国に法整備も進み、特に年明け以降のここ数カ月、あるいはここ数週間の動きはこの国の行く末にさらに危うさ、怖さを感じる。
それは憲法改正につながる国民投票法や防衛庁の省昇格、基地受け入れ自治体に交付金を支給する米軍再編法制定であり、そして憲法が禁止する集団的自衛権の見直しに関しては、たとえば友好国の米軍が他国から武力攻撃を受けた場合、自衛隊が出動できるようにするものであり、常に他国に武力干渉している米国の状況を考えると日本はいつも有事体制ということになりかねない。
さらにここ数週間内の出来事としては、国の責任を回避する教科書検定からの沖縄戦集団自決の軍関与削除、さらに米軍普天間飛行場移設の環境現況調査に対する海上自衛隊艦船出動、さらには戦前の特高警察を想起させる陸上自衛隊情報保全隊による反自衛隊の政党や労組、市民団体、ジャーナリスト、個人などの監視活動表面化などがある。
■特筆すべき真栄里公民館
そして今回の寄港は、対中国有事をにらんで自衛隊と米軍が巧みに連携した実質的に伊良部空港を含む宮古、八重山の“基地化”をもくろんだ一環かもしれない。それだけにいくら日米安保条約の枠組みにいるとはいえ、米軍基地のように危険なものはほとんどすべてどこかの県に押し付けている本土の各県・市町村のように、わたしたちもこのような危険なものは寄せ付けないほうが良いし、その点からすると、今回の米艦船の寄港はむろん、自衛隊関係も含めすべての軍事関係はぜひ丁重にお断りしたいものだ。
先にも触れたように近年のわが国の状況は極めて危うい方向に進んでいる。それだけに今さら言うまでもなく平和学習が重要だ。しかし学校現場の状況は、教師たちの熱意が薄くなり、それも厳しくなっているようだ。こうした中で真栄里公民館(武内秀尚館長)が、役員のすべてが戦争を知らない世代になったとして今月を平和を考える月間に位置づけ取り組みを決めたのは特筆すべき活動だ。各公民館もぜひ取り組んでほしい。
現在戦争マラリアの八重山平和祈念館で「戦争体験者が描く沖縄戦の絵」展が今月末までの日程で開かれている。八重山の作品も展示されており、大人も子供もぜひ見学して、戦争のむごさを感じ取ってほしい。そしてあれだけの犠牲者を出した沖縄戦を風化させてほしくない。
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