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2007.6.11(その1)
森田実の言わねばならぬ[302]
平和・自立・調和の日本をつくるために【209】
安倍政権の偏狭な対決型の北朝鮮外交は「百害あって一利なし」。方向転換しなければならない。
テレビファシズムが生んだ「拉致問題」の異常――外交交渉なし、強硬な制裁一本槍、米国頼みでは拉致問題は解決しない。安倍政権は外交政策を方向転換し、独立自尊の外交を展開せよ。
「他人の悪を能く見る者は己が悪これを見ず」(足利尊氏)
[他人のあらを咎める者ほど、自分の欠点には気づかぬものである。最近、安倍自公連立与党は、まことに異常である。自分のことは棚に上げて、他人の悪口ばかりを口にする。民主党に対するやり方もひどい。品性下劣である。自民党も公明党も品のない政党に堕落した]
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きちんとした外交交渉をなんら行おうとせず、日本国内でただただ過激な反北朝鮮世論を高め、外交において頼るのはブッシュ政権のみ――これが安倍政権の拉致問題に対する外交姿勢である。
安倍政権は、国民世論を反北朝鮮の方向に誘導するため、過激な反北朝鮮集団と化した「拉致被害者家族会」と密接な関係を結び、共闘している。これに極右マスコミが協力している。とくにテレビが突出している。いまや「拉致被害者家族会」を少しでも批判する者は、戦前の天皇制批判者のごとき「国賊」にされてしまっている。これが、日本の愚かなテレビがつくり出したとんでもない現実である。
そんななか、公正な評論が出てきた。『選択』07年6月号の「ザ・サンクチュアリ/シリーズ395/ 拉致被害者家族会――いまや皇室以上のタブーに」である。以下、要点を抜粋する(詳しくは『選択』6月号を読んでください)。
《家族会の周辺で支援活動を続けてきた関係者すらこう語る。「当初は拉致被害者の救出を訴えていた家族会だが、一部メンバーの主張は徐々に過激化し、政治色を強めてしまった。支援団体の『救う会』などからは北朝鮮への先制攻撃論まで飛び出す始末だったが、『家族会は正しい。なぜなら被害者なのだから』という論理に誰も反論できず、批判しようものなら袋だたきにあってしまう。こんな状態は今も変わらない」
事件被害者への批判タブーは拉致問題に限った話ではないが、拉致被害という圧倒的な「悲劇」と支援という「善意」が反北朝鮮ムードと一体化し、冷静な思考を凍結させて一種のファッショ状態を生み出した、と言えるだろう。》
《(増元事務局長の)主張は過激そのもの。「金正日打倒」ばかりか、自身のホームページでは「日本国が一枚岩になって金正日政権と向かわなければならない」と訴え、「拉致問題に熱心な総理」として安倍首相を激賞。「総理の提唱する『美しい国』を本当に作っていかなければならない」「メディアによる『安倍政権批判』を払拭させる」とまで説く姿は、もはや拉致被害者の家族というよりむしろ、「政治運動家」のそれに等しい。》
《拉致問題を取り巻く国際情勢もここに来て様相の変化を見せ始めている。最大要因はブッシュ米政権が対北朝鮮政策で対話路線へと舵を切り始めていることにある。》
《そうした中、5月12日には「朝日新聞」朝刊に掲載された記事が関係者に波紋を広げた。記事は、「複数の日本政府関係者」の話としてこう伝えている。〈4月末の日米首脳会談で、米国が北朝鮮をテロ支援国家に指定している問題に絡み、日本人拉致問題の解決が指定解除の条件になることに「配慮する」とする一方で、法的な面で「前提条件にはならない」と日本に説明していたことが分かった。(略)拉致問題が切り離されたまま米朝が接近する懸念も生じてきた〉》
《拉致問題を食い物にするような取り巻きに囲まれ、増元氏に代表されるような過激な政治的言動ばかりが目立つようになってしまった家族会――。国際情勢が変容する中で安倍政権が強硬論を繰り返すだけの無策を続ければ、拉致問題は本当に置き去りにされてしまう恐れが強いが、それも自らが招いた自爆の帰結なのかもしれない。》
以上の《》の部分は『選択』6月号からの引用である。ぜひとも原典を読んでいただきたいと願う。
このような冷静で公正な見方が『選択』のような影響力のある総合情報誌に出たことは大変よいことである。
バランスを欠いた極端な考え方に固執していては、外交は成り立たない。冷静な外交交渉がなければ、拉致問題は解決しない。
“制裁を徹底的に加えれば、北朝鮮政府は音を上げて屈服する”というのは、非現実的な主観的・一方的な願望に過ぎない。拉致された人々を取り戻すためには、北朝鮮政府との外交交渉が必要である。粘り強い外交交渉を展開する以外に解決の道はないと思う。
「テレビファシズム」はきわめて危険だ。テレビ界は小泉前首相時代に政府の御用機関と化した。“日本ネオコン”の人々が大手を振ってまかり通り、テレビ界を席巻していた。ブッシュ大統領とネオコン(新保守主義者)が元気な頃は、“日本ネオコン”の勢いもよかった。
だが、世界情勢が変わり始めた。いまや“日本ネオコン”は時代おくれの存在となった。安倍政権と拉致被害者家族会の強硬路線は国民からも浮き上がり始めている。いま、方向転換の時が来たのである。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03420.HTML
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