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2007年06月12日
年金問題を耐震強度偽装事件の二の舞にしてはならない
年金問題の報道はこれからも続いていくであろう。しかしその的外れの報道が国民の関心をそらせていく。そして第二の耐震強度偽装事件にしていく。
私は官僚であったから手に取るようにわかるのであるが、官僚のやっている仕事には大きな欠陥がある。それは国民の生活に直結する政策を決めているにもかかわらず、官僚にその自覚と責任感はない。あるのは権限意識だけである。だから仕事が杜撰になり無責任になる。おまけに官僚は「義を見てせざるは勇なきなり」という正義感はなく、事なかれ主義と保身だけが強い。組織の誤りに気づいても誰も間違いを言い出さず、正されないまま間違いが累積されていく。そして気がついたら手遅れになってしまっている。しかしあまりにも多くの職員が関与しているから責任の所在が特定できない。それをよいことに誰も責任をとろうとしない。その過程で嘘が公然と繰り返される。結局はそのつけが一部の弱者や国民に押し付けられて終わる。メディアは騒ぐ時はいっせいに騒ぐが、忘れる時もいっせいに忘れる。責任を最後まで追及しない。報道されなければそのうち国民も忘れる。結局何も解決されないままに終わってしまって政治家、官僚が舌を出しながら逃げてしまう、これである。
読者は耐震強度偽装事件を覚えているであろうか。05年末から06年はじめにかけて大騒ぎした事件だ。日本の建築物は、国土交通省(旧建設省)が規則をつくり、民間業者がそれに従って耐震強度の条件を満たさなければならない。それにもかかわらず、多くの業者が金儲けの為に法の目をくぐって危険な建物をつくてきた。もちろん、偽装した設計者やそれを見逃した業者は悪い。しかしそれは国が本来は責任をもって行なわなければならない仕事を、改革、民営化という名の下に民間に丸なげした官僚の仕事放棄にある。しかも業者の行動を十分に監督しなかった建設官僚の不作為の罪がある。それどころか建設官僚は偽装を知っていた、結託していた、その裏には政治家が癒着していた、このような疑惑が明らかになった。
更に言えば耐震強度偽装の建築物は次々と明るみになり手がつけられないほどに広がる恐れが出てきたため、事件が発生した直後は強制的に壊せと命じた建築物を、手直ししただけで安全になったと誤魔化して幕引きを図った。どれぐらいの数の全国に広がる建築物が基準を満たしていないのか、どの程度までの強度不足であれば目をつむることが出来るのか、まったく議論されないままに、うやむやのまま終わってしまった。あの時指摘された多くの条件を満たしていない建物はどうなっているのであろうか。処罰されたわずか数名の関係者に責任を押し付け、買ったばかりのマンションを壊された住民だけが損を見て終わってしまった。
今度の年金問題の解決はもっといい加減になるだろう。消滅した情報を100%復元することが不可能であることは誰の目にも明らかだ。選挙目当てに不可能な事を職員にやらせようとしている。それが本気なら職員から必ず反発が出る。それが見せかけの世論対策であれば、最後は資料を捏造して「すべて確認されました」と嘘をつくことになる。あるいは国民の要求に応える事を優先するのであれば不明のままに年金を支払うことになる。その場合は必ず過払いか、不足払いが起きる。つまり国民間に不公平が生ずるのである。政府は、年金支給の可否を判断する第三者委員会をつくるというが、彼らが何を根拠に正確な査定ができるというのか。要するに不可能な事をやろうとしているのである。
年金問題は小手先の策を弄すればするほど行き詰まっていく。国民は、メディアの報道に振回されることなく、今度こそ最後までこの問題の解決策を見極め、政府の責任を追及していかなければならない。さもなくば国家的詐欺を許すということになる。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/06/12/#000426
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