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2007年06月07日
自衛隊が国民を敵視して監視
昨日、共産党が記者会見で公表した陸上自衛隊の「情報保全隊」というところの内部文書が波紋を拡げています。
ネット社会の中では「ネットに公開されているような情報を集めたようなもので、たいした事はない」などという意見を言う方もいるようすが、そんなに簡単な問題ではありません。
一部はネットなどで得られる情報も含まれていますが、
市民による集会やデモを撮影し、組織的な調査活動がされています。
■自衛隊が全国規模で国民を監視
今のところ自衛隊は政府解釈によると軍隊ではないようです。
ただし、与党第一党である自民党の改憲草案では「自衛軍」つまり「軍隊」とされています。
自衛隊は少なくとも一般市民とは違う圧倒的な武器・攻撃力を持っています。ですから、行動する際には政治が決めた内容に沿った節度のある行動をする必要があります。
そのためには、自衛隊自体が国民の中のある人達を最初から「敵」だと決めつけるような判断をしていてはならないはずです。
ところが、今回、内部告発によって流出したとされる資料では、自衛隊のイラク派遣に反対する人達を最初から敵視し「○○党系」「○○派」などと一方的に「分類」して、その動向を調査・監視しているのがわかります。
自衛隊のイラク派遣については、国民の間でも国会でも意見が分かれていました。ですから、派遣に反対する人達を最初から敵視して調査するのは明らかに問題です。
この地図でわかるように、調査は全国規模で行われていました。
共産党がWebサイトで公開した自衛隊の内部文書は以下で紹介されています。
http://www.jcp.or.jp/tokusyu-07/19-jieitai/index.html
内部文書そのものは以下です。
文書A全文(PDF形式/28.7MB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_adoc.pdf
文書B全文(PDF形式/48.1MB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_bdoc.pdf
情報保全隊監視団体一覧(PDF形式/98.8kB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_ichiran.pdf
■市民運動を明らかに敵視
この内部文書には、派兵に反対する集会やデモでの内容が「○○党系」「○○派」などと「分類」されたうえで、まとめられています。
略号の意味は、以下だそうです。
------------------------------
「P」――日本共産党および「日本共産党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「S」――社会民主党および「社会民主党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「GL」――民主党および連合系労働組合、それに関連すると区分された市民運動など。
「CV」――上記に区分されない市民運動など。
「その他」――市民運動、個人、地方議会の動向など。
「NL」――「新左翼等」と区分された運動など。
------------------------------
監視されている対象には
高校生もいました。
「平和を願う高校生です」という自己紹介まで記載されています。
大学のキャンパスにも侵入して
チラシを入手しています。
そしてそのチラシについて、その団体の活動が
「全く注目されていないにもかかわらず、極めて活動を誇張した内容」
だと蔑視しています。
まるで2ちゃんねるなどで市民運動や反戦運動を敵視して揶揄している人達のような表現です。
集会やデモの中には、礼儀正しく自衛隊員やその家族に語りかけようとする口調のものもあります。
「過激」な表現をする団体じゃなくても監視されているのです。
沖縄の辺野古(へのこ)での基地建設を非暴力の阻止行動で止めている人の名前も掲載されていました。
さらには、自衛隊とは関係がない、「消費税増税反対」「医療負担増反対」「国民春闘」なども対象になっています。
■軍事マニア、自衛隊員の身内、議員、報道機関も
市民運動だけかと思ったら、
軍事マニアも監視されています。
駐屯地内の売店で迷彩色のTシャツを購入した人の住所や車両を調査しているのがわかります。
自衛隊員にも矛先は向いていました。
イラク派兵に関して不平・不満を主張する電話をかけてきた女性を、隊員の身内が人選の方法等に対する不平・不満を主張してきたのだと「分析」しています。
国会議員もです。
自衛隊OBの新年会に出席した民主党議員の発言に対して「誹謗する発言」と決めつけ、今後、「名誉会員から外し公式行事には招待しない」と示唆したとしています。
報道機関の取材も対象です。
「隊員の県民性は?」などという地元の記者の質問内容まで調査されていました。
ジャーナリストとしては、
イラクで取材をしていた志葉 玲さんも監視されていました。
さらには、森住 卓さんの写真展までチェックされています。
迷彩色のTシャツを買いに来る軍事マニアや自衛隊員の身内までをもターゲットにしているのですから、
ここまでくると国民全体を監視していると言えます。
P.S.
あと、マズイのは、こういう文書が漏れちゃったって事ですよね。
そもそも「情報保全隊」って自衛隊の内部情報が漏れないようにするのが目的だったんじゃないでしょうか?
本来公表されている任務とは別の仕事をしていたのもさることながら、それがバレてしまったというのは、いかにもお粗末。
先日、Youtubeに自衛隊のマニュアルビデオが流出した事件は、1年以上前からYoutubeでは流れていたそうで、相次ぐ情報漏洩に対策をしなければならない防衛省がこれみよがしに発表してYoutubeに削除させたんだろうなって感じでした。
それで、「自衛隊も綱紀粛正のために努力してます」とアピールしたかったのでしょうが、結果はさらに酷い情報漏れが明るみに出てしまったわけですね。
posted by あつこば | Comment(1) | TrackBack(0) | 米軍再編
http://atsukoba.seesaa.net/article/44135852.html
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