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http://www.tsukurukai.com/01_top_news/file_news/news_070531.htm から引用。
<会長声明>
創立の初心に立ちかえり、「つくる会」10年目の挑戦に
お力添えを
平成19年5月31日
「新しい歴史教科書をつくる会」会長
藤岡 信勝
私はこの度、「新しい歴史教科書をつくる会」の理事会において会長に推挙され、自らに与えられた歴史的責務を引き受けるしかないと決断し、就任を受諾しました。会をめぐる困難な状況のなか、果たすべき課題を前に身の引き締まる思いでおります。
つくる会は10年前の平成9年(1997年)1月、日本の歴史教科書の現状に危機感を抱いた同憂の士相集い、任意団体として発足しました。近代日本を悪逆非道に描き出す「自虐史観」を克服し、次世代の子どもたちに誇りある日本の歴史の真の姿を伝えようという会の訴えは、たちまち国民的な反響を呼びました。会の事務所に電話をかけてきて、「よくぞ立ち上がってくれた。これで安心してあの世に逝ける」と電話口で泣き崩れるお年寄りもいました。
こうして10年、つくる会は今、『新しい歴史教科書』というかけがえのない運動の柱を持つに至りました。この教科書は、「階級闘争史観」や「自虐史観」の拘束から自由になり、世界史的視野のなかで日本国と日本人の自画像を品格とバランスをもって活写しています。面白く、通読に耐える唯一の歴史教科書でもあります。この教科書は、単に執筆者グループの著作物ではありません。この間物故された方も含む多くの人々の、この国を思う熱い願いが結晶した集団的な作品というべきものです。
しかし、残念ながら1昨年の採択では、採択率が1パーセントに満たないという不十分な結果となりました。版元の扶桑社が継続発行するかどうか不安であるとの会員の声に応え、昨年11月、つくる会は扶桑社に対して継続発行の方針を明示されるよう求める要望書を提出しました。
2月に扶桑社から受け取った回答は、従来のつくる会との関係を解消するというものでした。その後の調査で、その理由は「現行の『新しい歴史教科書』に対する各地の教育委員会の評価は低く、内容が右寄り過ぎて採択が取れないから」であり、社の方針に賛同する人々を執筆者とし、書名も変え、別会社をつくって発行するというものであることが判明しました。
ことここに至って、つくる会は、会創立の理念を明示した趣意書の立場を守るため、別の出版社をさがし、現行の『新しい歴史教科書』を発行し続ける道を選択しました。また、その方針を推進するためにふさわしい指導部を選出しました。そうしない限り、会は理念的にも組織的にも自滅の道をたどります。今回の会の選択は、必ずや会員と支援者の方々の真意に沿うものであると私は確信しております。
採択率は微々たるものであったにもかかわらず、つくる会の歴史教科書は日本社会に小さくない地殻変動をもたらしました。対抗他社の中学校歴史教科書は劇的といえるほどに変化しましたし、小学校の教科書にも余波は及んでいます。それにとどまらず、この10年間で日本人の間に健全なナショナリズムが芽吹くきっかけとなりました。『新しい歴史教科書』の市販本の売り上げは100万部近くに達しています。教科書の採択率だけが運動の成果をはかるモノサシではありません。大きく見れば、私たちのたたかいは着実な成果を挙げてきたのです。
こうした状況の変化も反映してか、会の中心的創立者の西尾幹二氏と私が10年前に、会の趣意書を手にして出版社さがしに歩き回った時とは大きく空気が変わっています。この際、私たちの志に共鳴し事業として成り立たしめる目算のある出版社を公募する方向を目指したいと思います。いずれにせよ、出版社は必ず見つかり、道は開けます。
10年間お世話になった扶桑社との関係断絶は誠に残念ですが、もしも上記の方針を白紙撤回してお声をかけてくださるなら、いつでも交渉のテーブルにつく用意のあることを付け加えておきます。
つくる会10年目の挑戦に、会員の皆様、国民の皆様のご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。私も、「自ら顧みて直からば千万人といえども吾往かん」の気概をもって微力を尽くします。
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