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【社説】コムスン処分 介護を食い物にするな【東京新聞】
2007年6月7日
大手介護サービス事業者「コムスン」の不正は悪質だ。同社の事業所は順次、事業所指定が取り消されるが、現に介護サービスを受けている高齢者の受け皿の確保に自治体は全力をあげてほしい。
コムスンの事業所については、介護サービス利用者や家族が電話しても応答がなく、スタッフが少ないのではないかとの苦情が以前から東京都などには多数寄せられていた。
コムスンは五都県八事業所で不正に指定申請を行っていた。介護保険法では事業所、事業内容ごとに必要なヘルパーの数などが定められているが、退職したり別の事業所に勤務しているヘルパーの名前を登録するなどして水増ししていた。苦情通りである。
八事業所のうち六事業所は、取り消し処分を受ける前に廃止届を出し処分を免れた。組織的に処分逃れを図ったとみられても仕方がない。
昨年四月の介護保険法改正で、指定事業所が重大な不正を働いた場合、同一事業者の他の事業所も含め五年間、新規指定や六年ごとの指定更新が受けられなくなった。
このため来年四月から二〇一一年にかけてコムスンの全事業所の八割に相当する千六百五十余りの事業所が順次、指定を取り消され、介護サービスを提供できなくなる。
これで困るのは、現にサービスを利用している高齢者だ。コムスン全体で約六万五千人の利用者がいる。介護保険法は指定期間中のサービス提供を義務付けているが、コムスンがいつ介護事業から撤退しないとも限らない。各自治体は厚生労働省と連携し、他の事業者への紹介を行い高齢者へのサービス提供が途切れないよう万全を期してもらいたい。
介護保険の利用者数、利用の際の一割負担を除く給付費はいずれもスタート時の二〇〇〇年に比べ、現在は二倍に膨れあがっている。これに伴い介護ビジネスに参入する事業者の数も増え、指定申請を受ける都道府県のチェックが追い付かないことが今回の不正の背景にあるだろう。
この際、チェック体制をもっと厳しくする必要がある。現在は書類が整っているか、施設基準を満たしているかどうかで判断しているが、甘すぎる。介護が食い物にされないように不正の再発防止策を徹底的に検討すべきである。
人口に占める六十五歳以上の高齢者の割合は現在約20%だが、二五年には30%近くまであがる。介護が必要な高齢者も増え、介護保険の果たす役割も大きくなる。国民みんなで支えていかねばならない。事業者もその一翼を担っているという高い職業的使命感を持ってもらいたい。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007060702022326.html
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