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【社説】年金政府案 不安解消にはほど遠い【東京新聞】
2007年6月6日
社会保険庁の不手際による“消えた年金”問題で政府が示した対策には不明な点が多すぎる。国民の年金不信は増大するばかりだ。参院選のための口先だけに終わらせては墓穴を掘ることになる。
与党が先週強行採決した年金時効撤廃特例法案と、社保庁改革法案について参院厚生労働委員会の審議が五日から始まったが、政府側から十分な答弁がなく、国民の不安解消にはほど遠い。
特例法案は、基礎年金番号が付いていない、対象者が不明の約五千万件の公的年金保険料の納付記録について、対象者が判明し差額分の年金を受け取る場合、五年を超えても遡(さかのぼ)って請求できるようにする。
“消えた年金”問題解決のために必要な措置だが、衆院でわずか四時間で審議を打ち切ったために、法案の細かい内容はほとんど詰められなかった。急落した支持率に驚いた安倍晋三首相が急いだ結果だ。
さすがに、これではまずいと思ったのだろう。柳沢伯夫厚生労働相は四日、政府の追加対策を示した。
五千万件について、すでに基礎年金番号が付いている年金受給者・年金加入者の記録とのコンピューターを使った照合作業を、一年以内に終えることなどを明言した。
だが、照合作業は、氏名、生年月日、性別を参考に同一の可能性のあるものを選び出すが、コンピューターに入力してあるデータが不完全なため、最後は手作業になる。年金に詳しい人手が多数必要で、一年で終了できるかどうか疑問だ。
しかも、入力漏れで記録が全く存在しない場合は照合の対象にならない。この解決には、市町村が保有する被保険者名簿と社会保険庁のオンラインシステムやマイクロフィルムとの照合が欠かせないが、何年かかるのか見当さえ付かない。
納付記録がない場合などに個別判断する「第三者委員会」についてもその設置数など具体的なことは全く明らかにされていない。
これだけでも政府の対策の詰めが甘いことは明白だ。政府は「一年以内の照合」でこの問題がすべて解決するかのような誤解を国民に与えてはならない。
政府・与党は、社会保険庁を解体し六機関に再編する考えだが、今回の年金問題解決への具体的な道筋を示さずに解体を決めれば、参院選の終了とともに、責任の所在があいまいになると、厚労委員会でも指摘された。参院選が終われば知らぬ顔といわれるのは不本意だろう。
参院審議で政府は、本来の年金額を受給する権利の回復に向けたきめ細かい対策を示す必要がある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007060602021982.html
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