★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK36 > 238.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.jrcl.net/web/frame070611c.html
STOP!死刑
執行東京集会
六月二日、綾瀬プレミエで「Stop!死刑執行 東京集会」が死刑と厳罰化に反対する6月共同行動の主催によって開かれた。集会の後、東京拘置所に向けてデモを行い、死刑執行をしないように訴えた。
最初に、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90の安田好弘さん(弁護士)が死刑判決や死刑執行の問題点を明らかにした(別掲)。
続いて、石塚伸一さん(龍谷大学教授)が次のように提起した。
「新監獄法が五月一日から施行された。五十年ぶりに改正された監獄法は現状を是認するものになっている。代用監獄制度も認めてしまった。代用監獄も含めると収用率は一五〇%だ。一人のところに二人収監している。こうした状態でも法律に違反していないとしている。数千人規模で刑務所を増やすとしている。しかし、長期囚の在監が二十年から三十年になっている。量刑は一・五倍になっている。そうした状況を反映して警察の検挙率は逆に減っている」。
「刑務所の一〇〜二〇%で民間委託が進められる。山口県の美祢でセコムが運用を開始した。誘致自治体には二十年間で六百七十億円が落ちる。今まで、死刑囚の処遇は未決に準ずるとなっていたが、受刑者に準ずるとされた。家庭に恵まれない環境にあり、社会的弱者であり、社会にも責任があるという従来のとらえ方が自ら犯罪を選んだ人が悪いとすべてを自己責任論にされてしまっている。死刑を忌み嫌うのは日本の社会に根ざしたものであり、社会の責任を認めるように、死刑はダメだといい続けなければならない。今が最悪だ、と思って死刑廃止運動を盛り上げていこう」。
続いて田鎮麻衣子弁護士が、死刑囚に面会を申し入れたが、本来新しい法律では再審などの弁護を引き受けている人との面会は、立ち会いなしでできるはずなのに、東京拘置所の一方的・違法な解釈によって立会を強要したことを批判する報告と、五月十八日に国連の拷問禁止委員会が日本政府に対して死刑の執行をすみやかに停止し、かつ減刑をするための処置をするように強い勧告を出したことを報告した(資料別掲)。死刑廃止、死刑判決を出させない、執行を許さない運動をつくりあげていこう。(M)
安田好弘弁護士の発言から
社会に広がるリンチの発想への批判が必要
死刑判決の出る頻度は最悪になっている。昨年は十九人だったのに、今年はすでに十一人だ。十年前を考えると死刑確定者は一九九四年三人、九五年三人、九六年三人だった。今年は二十人以上が確定するのではないか。だいたい五倍の数字になっている。従来の一審無期、被害者が一人の場合には死刑にはならなかった。それが一人でも死刑になっている。永山高裁判決はやむをえない場合は死刑とするとした。それが山口光事件最高裁判決では原則として死刑にする。被告側が死刑を回避するための立証をしろと言っている。二〇〇九年から導入される裁判員制度を意識して、意図的に死刑を拡大適用する判決が出されているのではないかと思う。
長勢法務大臣は就任後四カ月で七人の死刑を執行した。十年前は年間六人ということもあったが、平均すると死刑の執行は四人だった。一昨年は一人、三年前は二人の執行だ。長勢法務大臣は十人の執行をすると伝えられている。抵抗する確定者を執行していく危険がある。
弁護士会に「犯罪を犯した少年たちを処刑する。それを支援する弁護士も処刑する。裁判所がやらないなら代わって武力で裁く」いう脅迫状と偽の薬きょうが届けられる事件が最近あった。こうした排除の観念、治安を優先し、悪いやつを殺せないのなら助ける者をも殺すという世論が蔓延している。これはリンチの発想だ。死刑廃止運動はいまますます孤立化している。
今後裁判員制度が導入されると、三人の裁判官と一般から選んだ六人の裁判員によって多数決で判決を出すようになる。死刑を回避するためには、五人を説得しなければならない。これはどんなにすばらしい弁護人がいてもほとんど不可能だ。
光事件で被告は、両手で首を絞めていない、子どもをカーペットにたたきつけていない――が明らかなのに、検察も弁護団も裁判所そして世論もそれを無視する。すべてがリンチの社会になっている。命の大切さや国家による死刑はもうひとつの犯罪だということがないがしろにされている。
さらに、被害者家族が検察側に立ち、尋問することができるように刑事訴訟法が改正された。こうなれば、被告の情状証人が出られなくなってしまう。その上で、死刑を存置して終身刑を導入しようという動きも強まっている。
一九九〇年に、千四百人の死刑反対の集会を実現した。この時、三年四カ月死刑執行はなかった。国会終了後に、死刑執行をさせないために富山で集会を開く。なんとか千五百人の集会を実現し、死刑判決乱発、死刑執行の続出を止めたい。(発言要旨、文責編集部)
資料
国連拷問禁止委員会の結論及び勧告より(日本の死刑関係部分)
C 主要な懸念事項及び勧告
死刑
19 最近の立法が死刑確定者の面会及び通信の権利を拡大したことに注目しつつも、委員会は、死刑を言い渡された人々に関する国内法における多くの条項が、拷問あるいは虐待に相当し得るものであることに深い懸念を有する。とりわけ、
a)確定判決の言い渡し後、独居拘禁が原則とされ、死刑確定後の長さをみれば、いくつかの事例では30年を超えていること、
b)死刑確定者とその家族のプライバシー尊重のためと主張されている、不必要な秘密主義と処刑の時期に関する恣意性。とりわけ委員会は、死刑確定者が自らの死刑執行が予定されている時刻のわずか数時間前に執行の告知を受けるために、死刑確定者とその家族が、常に処刑の日にちが不明であることによる精神的緊張を強いられていることを遺憾とする。
締結国は、死刑確定者の拘禁状態が国際的な最低基準に合致するものとなるよう、改善のためのあらゆる必要な手段をとるべきである。
20 委員会は、死刑確定者の法的保護措置の享受に対して課された制限、とりわけ以下の点に関して深刻な懸念を有する。
a)再審請求中であっても、弁護人と秘密接見をすることが不可能である点を含めて、弁護人との秘密交通に関して死刑確定者に課せられた制限、秘密交通の代替手段の欠如、及び確定判決後の国選弁護人へのアクセスの欠如
b)死刑事件における必要上訴制度の欠如
c)再審手続きないし恩赦の申請が刑の執行停止事由ではないという事実
d)精神障害の可能性のある死刑確定者を識別するための審査の仕組みが存在しないこと
e)過去30年間において死刑が減刑された事例が存在しないという事実
締結国は、死刑の執行をすみやかに停止し、かつ、死刑を減刑するための措置を考慮すべきであり、恩赦措置の可能性を含む手続き的な改革を行うべきである。すべての死刑事件において、上訴権は必要的とされるべきである。さらに、締結国は、死刑の実施が遅延した場合には死刑を減刑し得ることを確実に法律で規定すべきである。締結国は、確実に、すべての死刑確定者が、条約に規定された保護を与えられるようにすべきである。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK36掲示板
フォローアップ: