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安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男 [中央公論]
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投稿者 white 日時 2007 年 6 月 26 日 19:23:40: QYBiAyr6jr5Ac
 

□安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男 [中央公論]

▽安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男(その1)

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070622-03-0501.html

2007年6月26日
安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男(その1)
参院選を前に急速に強まる与野党の対立構図。政権交代可能な二大政党制への流れは途絶えるのか。国民投票法案をめぐり、「小沢批判」が注目された枝野氏に聞く

相手の土俵に乗ってしまった
−−国民投票法は結局与野党が合意に至らぬまま、与党単独で成立した。
枝野 憲法改正を発議するため、両院の三分の二の賛成を確保しようとするなら、与党だけでなく、特に参議院では民主党の協力が不可欠だ。自民党と民主党が合意しなくては、憲法の議論は進まない。改正の手続きを決める国民投票法についても、協力するのは当然だった。
 実際に両党の現場レベルでは、それぞれの自己主張を抑えて、合意形成を最優先して議論を進めてきたのだが、今回の結果は大失敗だったと思う。
 そもそも、あらゆる権力は法によって制約を受けるという「立憲主義」は、民主主義以前の大原則だ。民主主義だからと言って、一時的な多数決で法を勝手に変えてはならず、長年かけて築いた憲法という大きな「土台」に則っていなければならない。その「土台」そのものを変えようと思うなら、相当慎重な手続きが必要なはずだし、両院の三分の二の賛成という高いハードルも、その点で合理性がある。 
−−合意形成への道はどこで途絶えたのか。昨年末以降、自民党執行部を中心に、憲法改正を参院選の争点に据えようという動きが出てきた。一方、民主党でも小沢一郎代表を中心にそれに対抗する流れが強まったように見える。
枝野 以前から、現場での議論と外野での自民党執行部の発言は衝突してきた。そのために国民投票法の成立は、間違いなく一年以上遅れた。私は一昨年の暮れには「来年の通常国会中に、国民投票法は成立するのではないか」との見方を新聞で述べている。
 それでもある時期までは、現場の状況を知らない自民党幹部が、「政府ペースでやるべきだ」などと発言するたびに現場がその声を抑えて、円満な合意形成へ向けて進んできた。
 頓挫が決定的になったのは、ずっとピント外れのことを言っていた人が自民党の幹事長になり、よりピントの外れていた人が総裁になり、現場が彼らを抑えられなくなって以降、つまり、安倍政権が成立してからだ。
 
−−民主党の対応に問題はなかったか。小沢代表は参院選を見据えて改憲反対に大きく振れた印象がある。
枝野 与党から憲法を争点にすると言われ、仕方なかった面もある。責任はあくまで与党側にある。主犯は安倍さんだ。しかし、小沢さんにはもっと巧くかわす方法もあったのではないか。安倍さんの土俵に乗ってしまったのは大変残念だ。
 
−−小沢代表には、うまくかわそうという発想はなかったか。
枝野 それはわからない。小沢さんとこの件については、一度も喋ったことがない。もし小沢さんが安倍さんと同様に、憲法改正を対立軸にしようと思ったなら、まったくの共犯だ。しかし、かわし方がわからなかった、もしくは、かわしようがなかったなら、責任は相対的に小さいだろう。
 
−−採決において、民主党では両院とも棄権、賛成者が出た。
枝野 衆議院で前原誠司さんが棄権したのは以前から予定されていた外遊のためで、政治的意図によるものではない。前原さんが安倍さんと憲法で組むことなど考えていないと、盟友として断言できる。それを期待しているとしたら、民主党の党内事情や前原さんのことをわかってない。
 
−−参議院の渡辺秀央議員は自らの主義主張を貫いて賛成したが、同調するような雰囲気は党内にあったのか。
枝野 自身の信念に基づき、党議拘束に違反することは、自民党でも民主党でも時々あることだ。私も政調会長になってからは立場上ないが、かつては棄権したこともある。

政界再編はあるか
−−中曽根元首相などは、参院選と憲法改正を絡めて、政界再編の可能性を指摘している。自民党には再編への意図があるようだが、民主党の中で憲法について揺らぎはないのか。
枝野 揺らぎがあるとは、まったく思わない。
 だいたい、自民党が憲法を、政界再編を仕掛ける道具、選挙の道具にしている。私は常々「安倍さんは究極の護憲派だ」と言っている。彼は憲法を本当に変えたいとは思っていない。もし本当に変えたいなら、参院選の前に慌てて国民投票法の成立を目指すのではなく、参院選を終えて、円満に合意しやすい状態まで待てばよかった。半年の遅れがそんなに重要だろうか。必要なら、公明党の主張による憲法改正発議の凍結期間三年を、二年半に短縮すれば問題ない。
 
−−憲法改正のためには、民主党の協力が必要なことも理解できていないと。
枝野 政界再編により、参議院で民主党から自民党に議員が移り、三分の二を満たせる、などと考えているとしたら、ありえないことだ。民主党の圧倒的多数は二大政党制の確立を目標にしている。
 
−−政権担当能力を持った二大政党が競い合う体制への移行は、日本政治のここ十数年間のトレンドだった。安倍さんはこの流れに鈍感なのか、それとも意図的に潰したいのか。
枝野 鈍感かつ、意図しているのではないか。安倍さんの頭の中は五五年体制のままだ。彼の発言は、野党第一党の党首が土井たか子さんだった時代なら、ぴったりくる。しかし、民主党はかつての社会党とはまったく違う政党だ。旧社会党出身の議員もいるが、土井たか子さんの方向についていけなかった人ばかりだ。
 安倍さんは、その現実を見たくないのだろう。なぜなら、憲法や安全保障の基本的なことだけを扱い、年金や公務員制度のような具体的な議論をしないで済めば楽だからだ。ポスト五五年体制の時代であることを認めたくない安倍さんは、古い政治家なのだと思う。

小沢路線はマイナスか
−−選挙戦術や国会対応を見ていると、五五年体制への逆行は民主党にも感じる。小沢代表は安倍首相の策にはまっているのか、それともこれが本来の姿なのか。
枝野 同じ土俵に乗っているのは間違いない。私は、それは間違いだと思っている。民主党の圧倒的多数は、現在の小沢さんと方向性が違う。
 ただ、今はとにかく参院選に勝つことが最優先だ。小沢さんをいったん代表に選んだ以上、参院選までやっていただく。政治生命を賭けるとまで言っているのだから、与党を過半数割れに追い込めなければ責任をとってお辞めになるだろう。仮にそうなれば、今度は民主党多数が目指す本来の方針に基づいて進むことになる。
 
−−前原前代表の下での「偽メール事件」にも国民は失望したが、現在の小沢路線にも違和感を持つ向きが多いのではないか。今回の国民投票法への対応を見ても、二大政党が現実路線の下で争う流れを、安倍首相と小沢代表が逆戻りさせた印象だ。
枝野 まさに二人が五五年体制へ逆行させている。しかし、この状況が長く続くことはないだろう。一五年も遅れたことをやっていて、通用するわけがない。
(その2へ続く)
 
(えだのゆきお/民主党憲法調査会会長)


▽安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男(その2)

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070622-04-0501.html

2007年6月26日
安倍・小沢は政治を55年体制に逆行させた=枝野幸男(その2)
−−民主党は二〇〇五年の郵政選挙で惨敗したとは言え、〇四年の参院選では小泉首相の自民党に勝利するなど、着実に地歩を固めていた。現在の変化はマイナスではないか。
枝野 今回の参院選にどう影響するかはわからない。
 しかし、郵政選挙と今年の統一地方選の結果を見て、私は民主党の地力にかなり自信を持っている。民主党が一〇年ほど積み重ねてきたもの、つまり、いい候補者を集め、その候補者が地域でしっかり活動してきたことによる、地域での「足腰」がしっかりしてきた。
 あの郵政選挙でも、得票数はあまり減らさなかった。そして現在の、訳のわからない状況であっても、地方議員の数を増やした。
 もう一つ重要な要素である「党首力」をどう判断されるかは、この参院選で示される。ここは、小沢さんの自己責任で頑張ってもらうしかない。参院選で国民に評価されれば、民主党にとってもちろんよいことだ。仮に評価されなければ、積み重ねたベースは壊れていないのだから、また別の「党首力」によって対応すればよい。
 小泉さんが出るまでの自民党もボロボロだったが、「党首力」で大勝した。その背景には、弱くなったとは言え、ベースの基礎力があった。民主党はそこまで達してはいないが、積み重ねたものはある。
 現在の路線が三年も五年も続けばともかく、七月には結果が出るわけだから、民主党にとって決定的なダメージにはならない。
 
−−しかし、小沢代表が延々と地方の一人区を行脚している姿を見ると、ここ十数年の積み重ねがなくなり、昔の絵を見ているような印象だ。安倍首相もそうかもしれないが、小沢代表も非常に五五年体制的ではないか。
枝野 少なくとも、そう受け止められているのは間違いない。そして、それは民主党にとって非常に損だと思う。私なら、小沢さんのようなスタイルは選択しない。
 しかし、我々が一度代表として選んだのだから、そういうやり方が通用するのか、国民の審判が出るまでやっていただくのが筋であり、足を引っ張らないというのが私の立場だ。複雑な思いはあるが、小沢さんの方針が評価されて民主党が参院選に勝利するよう、党の一員として期待している。
 
−−参院選で国民に評価されれば、現在の路線が続くのか。それとも新しい段階に移るのか。
枝野 小沢さんは与野党逆転となればステージが変わると考えているのだろう。その点は戦略として一定の理解ができる。二院制である以上、参議院で与野党が逆転すれば、政界全体に大きな影響が及ぶから、それによって時代を前に進めていこう、ということだろう。そのための戦術は、私なら違うやり方をとるだろうが。

これ以上逆行はしない
−−このままの状態が進み、二大政党制が頓挫するようなことがあれば、国民に政治が後退したと受け止められるのではないか。
枝野 政治や社会は、行きつ戻りつするものだと思う。たとえば第一次長州征伐で長州は幕府側に負けている。しかし、時を経て明治維新に至った。私は小泉さんの政策は評価しないが、ポスト五五年体制的な政治構造を大きく前進させたことは間違いない。今はその反動が出ているのだと思っている。
 それでも長い目で見れば、これ以上逆行することはないだろうし、参院選で民主党が勝利し、大きな地殻変動が生まれ、構造を組み直すことができれば、すぐにでもまた前進するだろう。
 
−−しかし、その間に憲法が「質に入れられて」しまった。
枝野 私は仕方がないと思う。コンセンサスがとれれば改憲してよいと思うが、必ずしも改憲が最優先事項とは思っていない。数年遅れたとしても、それがわが国にとって致命的なことになるとは思わない。
 私は以前から、五五年体制的な政治家が表舞台から退場しないと改憲はできないと言ってきた。具体的には、中曽根さんと土井さんが退場しないと真っ当な憲法論議はできないだろうと。しかし、お二人は引退したが、今度は安倍さんと福島さんが頑張ってしまっている。だが、右と左の両極一割ずつを外した八割で話しあう構造は作れるはずだし、大きな流れはその方向にある。
 
−−左の極と言えば、民主党には旧社会党出身者も多く、また支持団体では労組の存在が大きい。憲法を考える際、彼らは問題にならないか。
枝野 それはレッテル張りのしすぎではないか。私は護憲派ではないと公言しているが、労組の応援も受けているし、説明すれば理解してくれる。また、民主党の「憲法提言」は党内で合意したものだ。
 
−−小沢代表は今度の参院選に向けて社民党、そして共産党との協力も考えているようだが、これも五五年体制的ではないか。民主党が現実主義的な路線から外れてきたのではないか。
枝野 党が合併するならともかく、自民党が公明党と組んでいるように、選挙のテクニックとして協力することはありうる。選挙戦術として本当に有効かどうかについては、質問のような疑念を招くことからも、小沢さんとは意見が異なるが、わが党のスタンスがしっかりしていれば問題ないはずだ。
 
−−自民党は憲法を争点化することで、小沢代表をさらに社民党のほうへ追いやり、民主党のこれまでのカラーを曖昧にする戦術に出ているようだ。
枝野 そういうリスクが高いこともあり、私なら現状のような戦術はとらない。ただ、小沢さんは党の代表として、リスク以上のプラスがあると判断している。リーダーの判断なのだから、七月までやってもらうしかない。
 何より問題なのは、今の質問でも明らかなように、安倍さんは憲法を変えることよりも目先の選挙が大事だと考えていることだ。民主党をかつての社会党のように見せて、選挙に勝ちたいのだろうが、そうするほど与野党間での合意形成は遠ざかる。両院で与党単独で三分の二を占めるつもりなのだろうか。安倍さんのような人がいるから、憲法は六〇年間変わってこなかった。やはり、安倍さんこそ「究極の護憲派」なのだと思う。
 
(えだのゆきお/民主党憲法調査会会長)

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