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原田武夫  「銀の時代」に備えよ!!
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投稿者 新世紀人 日時 2007 年 6 月 05 日 14:16:29: uj2zhYZWUUp16
 

http://blog.goo.ne.jp/shiome/
「銀の時代」に備えよ!!


作られた人気、騙されない「新しい中間層」

世界各地のマーケットとそれを取り巻く政治・外交・軍事の各方面で繰り広げられている「米独戦争」。その「今」を追う一環として、このコラムでは「北朝鮮による偽米ドル事件」について複数回にわたって取り上げてきた(たとえば5月13日付コラム)。最近、そこで批判の矛先を向けた、日本の曰く「インテリジェンスのプロ」たち2名からの返答が出揃い、流布しはじめてきたようだ。さすがに「保身」には長けた両名である。攻撃に対するカウンターパンチに余念がない。

そうした様子を見て、一部の読者の方々がありがたいことに私に対する「心配」を直接・間接にお伝えしてくださるようにまでなっている。

しかし、率直にいって、これら曰く「インテリジェンスのプロ」たちの言動、あるいは活躍ぶりなど、私にとってはどうでも良いことである。組織を離脱、あるいは事実上離脱した今となっては、彼らとしても生きていくためには書き続けなければならないだろうし、そのことには同情すら抱くほどである。なぜ「同情」なのかといえば、彼らの発した「言論の書」の販売部数の推移からいって、「愚かな日本人、日本政府」を説く彼らこそ、実は「永遠の囚われ人」であることは明らかだからだ。

繰り返しになるが、私はこうした曰く「インテリジェンスのプロ」たち個人に対してなんらかの私怨があるものでは全くない。
だが、生きていくためとはいえ、日本に暮らす同胞たちを徹底して詐くことを生業とすることを自ら選んだことは、常に「原罪」として意識してもらいたいと思うのだ。そしてまた、まもなく生じるであろう金融資本主義を震源地とする構造変換の中で、こうした旧来型の「エージェント言論人」もまた、一斉に淘汰される可能性が高いことを確認しておいた方が良いという「警告」なのである。私は、こうした曰く「インテリジェンスのプロ」たちの著作の末尾(謝辞)に決まって登場する名編集者(出版社幹部)に対して、米国から直接指示を与えている人物およびその組織とのふれあいを踏まえ、重ねてそのように思うのである。

たとえば、冒頭の「偽米ドル事件」にしても、米国が金融資本主義の中でそれが得だと判断すれば、いつでも「逆向きの風」を吹かせることが可能なのだ。何せ、動かぬ証拠を持っているのは米国自身なのであるから。そしてその時、これまで米国からのサインどおりに「言論」を展開してきたはずの「エージェント言論人」たちは一斉に淘汰される。さらに言えば、そうやって「落とす」前には「上げる」のも、米国特有のやり方である。前回のこのコラムでも記したとおり、そういった大転換が可能であることを、共和党から民主党へと政権が米国で委譲される年となった1976年の2月に発生した「ロッキード事件」が、今、あらためて私たちに教えてくれるのである。

いずれにせよ、これから「日常」となる金融資本主義の嵐の中で、全ての日本人が助かるということはありえない。なぜなら、その波の中で助かるためには相応な努力と学習、そして勇気ある行動が必要だからだ。それが面倒だ、あるいは過去の「成功体験」や「既得権益」からいって納得がいかないというのであれば、最初から私の申し上げることなど聞く耳を持たなくて結構である。そういった方々は、引き続き、同様に安寧の地をGHQが戦後まもなくに作り出した「言論のアコーディオン」の中に見つけ出した、曰く「インテリジェンスのプロ」、あるいは「エージェント言論人」と旧来のゲームのルールで戯れ、またそれによって萌えていれば良い。

しかし、もう騙されたくない日本人は、それではいけない。なぜなら、「仕掛け」は次のフェーズどころか、「次の次のフェーズ」に向けても動き始めているのだから。そこまでの切符を獲得し、「新しい中間層」になれるのは、実はあとわずかの人数だけなのかもしれない。


高騰する金の裏でうごめく銀

「次のフェーズ」の向こう側にある「次の次のフェーズ」に向けた仕掛け。それはいくつもあるが、ここにきて急に顕著となってきたものが一つある。それは、「銀」である。

「金(ゴールド)が騰がり続けていることは知っている。しかし、銀についても全く同じように値上がりがすでに見られている。単に貴金属の値上がり全般の流れの中で生じている現象に過ぎないのではないか?」

確かに、そもそも投機的な売買が行われるNYベースで見ても、金のチャートと銀のチャートは酷似している。要するに、2005年の半ば頃より「コモディティー(商品)の時代」が叫ばれて以降、一気に急騰し、その後、高止まりに終始しているというイメージである。

しかも、貴金属といえば「金(ゴールド)」というのが、今の日本での世間常識だろう。確かに銀は鉄やアルミに比べれば希少性があるかもしれない。しかし、ちょっとしたレストランに行けば食器として目に触れることのできる銀については、「金(ゴールド)」と並ぶ投資対象だとはにわかに信じがたいことであろう。

しかし、ここにきて、私のところには妙に「銀」についての情報が耳に入ってくるようになってきた。そのいくつかを差し障りのない範囲で挙げるならば次のとおりだ:

●もはや世界のIT業界を牛耳った感のある米系企業の総帥が、現在、世界中で銀鉱山の買収に走っている。

●上記のIT業界の「王者」と密接不可分な関係にある、日本のIT業界の大御所が最近、鹿児島で銀鉱山の買収をすすめようと盛んに工作しているが、地盤陥没など「環境被害」を懸念した地元と対立、厄介なことになっている。

しかし、繰り返しになるが、もはや「貴金属らしからぬ貴金属」とまで称される銀である。一般に銀需要は96パーセントが工業用であるといわれており、中でも写真感光材料として用いられる割合が高い。もっとも、いわゆるデジカメの普及により、この需要は明らかに頭打ちになってきている。景気が良くなれば、銀需要も比例して増えることであろうが、それでも限りはある。

それなのに、なぜ今、「銀買占め」なのであろうか?


「銀の歴史」を振り返る

現在進行中であるこの謎を解く鍵は、世界と日本の歴史にある。そしてまた、現在の金融資本主義における米国の「立ち位置」を考えた時、銀が突如としてマーケットの主役に踊りだす可能性は排除できないのである。

一般に金(ゴールド)の従属変数であるかのように思われている銀であるが、この30年ほどの間に2回ほど大相場になったことがある。しかも、そのいずれもが震源地は米国であった。

1979年から1980年1月にかけて、銀は1トロイオンスあたり9ドルから実に50.90ドルにまで暴騰した。現在の金価格の高騰とは比べ物にならない、まさに「暴騰」である。
きっかけをつくったのは、テキサスの石油富豪として鳴らしていたハント兄弟。彼らは、1979年のイラン革命から一層顕著となったインフレ傾向、そしてドル資産の下落の中で資金の投下先を銀に求めるべしとの判断を行い、推定6000トンもの銀を現物買いしたのだという。これに米国有数の投資家たちが加勢。一気に歴史的な銀相場となった。
ところが、「事態を重く見た」NY市場(COMEX)がルールを変更。「買い注文は既存の玉の手仕舞いだけを許す」というルールになったため、その後、2ヶ月で1トロイオンスあたり10ドルの水準にまで戻るという大暴落となった。

また、1998年にはかのウォーレン・バフェット氏が3000トンの銀を現物取引で購入。これを景気に1トロイオンスあたり4ドルから7.26ドルまでの高騰を記録したことが知られている。ーーーつまり、上げようとすれば銀価格は「上げる」ことが短期間でも可能なのである。

IISIAの分析では常々、「日本の個人投資家・ビジネスマンとしての発想をやめよ。米国を支配する閥族集団「奥の院」であれば、今の状況で一体どのような発想でどういった行動をとるのか考えよ」と申し上げてきている。今回もこの「鉄則」にしたがって考えるならば、次のように言うことができるだろう:

●米国は今後、大統領選に向けた資金需要を満たすという観点からも、より効率の良い「ショート(空売り)」に適した局面に持っていくべく、ある段階から「景気減退」を前面に打ち出すようになる。他方で日本、あるいは欧州では引き続き景気拡大局面が続くとなると、ドル資産の目減りは明らかになってくる。

●もちろん、それは表面的な出来事であって、米国筋としては「その時」に備え、表向きは国内景気の減退による株価の急落による「ショート」で莫大な利益を獲得しつつも、「次の次のフェーズ」でも米国自身が陰で糸を引くことのできる「システム」の構築に向けた仕込みを行っているはずである。

●歴史的に見て、そのための仕掛けを米国から最も行いやすいのが、いわば米国にとって「庭」ともいえる中南米である。そしてそこで主に産出される産品であり、同時に世界の指標となる価格形成が米国(NY市場など)でほぼ独占的に行われる産品として選ばれるのが「銀」なのだ。ちなみに2004年の段階で世界の銀鉱山における生産量は19732トン、その中でメキシコとペルーの産出分をあわせると実に6146トンにもなる。

以上を見れば、「なぜ、米国が真っ先にFTA(自由貿易協定)を結んだのがメキシコであるのか」「ペルーのフジモリ前大統領をめぐって、米国、チリ、そして日本をを巻き添えにした動きが見られるのか」もおおよそ理解することができよう。ちなみに、1991年の湾岸戦争の際、橋本蔵相とブレイディ財務長官の間で「日本による90億ドルの財政支援」が合意されたものの、その後の為替レートの変動を理由に米国が追加支援を求めて紛争となった際、日本が方便として受け入れたのが「中南米支援基金」への5億ドルの拠出であった。最後の「ツケ」は必ず日本に回ってくるのである。しかも、その背後に間接的とはいえ、「銀マーケット」を巡る歴史的な展開があるとも知らされずに。(フジモリ前大統領を巡っては、より深層を伝える情報があるが、このコラムの性質上、悪意ある読者も少なからずいることが判明しているので、リスクヘッジのため、ここでは明らかにしない。)

さらに深読みすれば、マーケットにおける「銀へのシフト」は、歴史的な構造変換を(もちろん米国に有利な形で)展開させる可能性を含んでいる。

なぜなら、19世紀後半以降、国際経済の推移は全て、金(ゴールド)を中心とするシステムへの適合プロセスであったと評価すべきだからである。そして、その中心にいたのは、主要な金産出国を配下に従える「大英帝国」であった。

たとえば、現代の日本人がおよそ教わることのない史実の一つに、「明治維新の背景には、銀価格の大暴落というマーケットの一大事件があった」という史実がある。
東アジアはそれまで、中国を中心とする「銀本位制」の下におかれており、日本も歴代の政権がそれを踏襲してきていた。その際、銀の供給主体は現在も世界第4位の銀産出国であった中国であったが、石見銀山などを抱える日本にとっても決して悪くはないシステムだったといえよう。
ところが、1870年ごろ、採掘技術の大幅な革新によって増大してきた銀産出量を背景に、世界的に銀価格が暴落。維新直後の明治政府も大混乱に巻き込まれた。

その後、日本は金本位制を目指し、一気に国内体制における「銀抜き」をすすめることになる。しかしそれは同時に、東アジアであからさまに流通していた墨銀(メキシコ銀)を通じた米国からの離反と、ロンドンにおいて金価格を決定しているロスチャイルド家とその金融システムに支えられた「大英帝国」の傘下により深く入り込むことを意味していた。
その後、日本は表面上に「日英同盟」を掲げ、実際には大英帝国を支える「金本位制」の東アジアにおける宣教師としての役割を率先して担うことによって、自国の独立を守るとの対外政策をますます推進していく。悪名高い(ことになっている)「日韓併合」についても同じであり、そのことは拙著「「日本封じ込め」の時代 日韓併合から読み解く日米同盟」(PHP新書)で検証したとおりである。

しかし、これで歴史は終わらなかった。これも日本の「高校世界史」などではほとんど触れられていない史実であるが、世界恐慌(1929年)の後、1933年にロンドンで67カ国が参加した「ロンドン世界経済会議」という会合が行われた。そして、自国の権益を主張して譲らない欧米対立によって不毛に終わったこの会合における、数少ない「成果」として1933年に主要銀消費国と主要銀生産八カ国の間で締結されたのがロンドン銀協定だったのである。これにしたがって米国は大量の銀を各国承認の下で買占め、銀価格は一気に高騰し始める。

これによって米国が狙っていたマーケットは2つあった。中国とインドである。(小林秀夫「満鉄調査部の軌跡」藤原書店参照)
中国を当時治めていたのは、国民政府であった。また、依然として中国は世界最大の銀貨国(銀本位制採用国)であり、同時に国民統一のために「幣制改革」を行おうとする矢先であった。米国が「合法的」に銀を買い占める結果、銀兌換に応じなければならない国民政府は幣制改革をするにしても、米国にお伺いを立てなければならない状況に追い込まれていく。実際、1936年4月に米中間で銀売却に関する協定が成立する。その際、米国は幣制改革における中国新通貨の「ドル・ペッグ制」を求めたが、中国側は強くこれを拒否。返す刀で輸出促進のために日本の財界への擦り寄りをはじめ、使節団を日本へと派遣した。こうした1930年代半ばの「日中経済提携路線」が、やがて大戦を日本と戦うこととなる米国の利益と真正面から衝突するものであったことはいうまでもない。

また、米国による銀の買占めは、インドのルピー銀貨をもターゲットとしていた。もちろんその先にあるのは、米国による英国市場への進出である。米国の銀を用いた「王手」の結果、ポンドの対ドル為替レートの切り上げしか道はないことになり、英国の米国に対する輸出競争力は著しく減退したのである。

もちろん、歴史を単純に比較することは許されない。さまざまな点で当時の状況と現在の流れとは異なっている。しかし、「銀が買い占められている」という情報が飛び交い、あからさまにマーケットでの米独(欧)戦争が高まっている最中だからこそ、1930年代までのこうした「銀の歴史」とそこにおける米国の立ち回りが気になって仕方がないのである。そのことは、当時の米国の「奥の院」の子孫である、今の閥族集団のメンバーにとっても必ずや同じであるに違いない。


再び「商品・資源主義の時代」を巡って

冒頭に述べた「偽米ドル事件」も、あるいはこうした「銀の時代」への序曲として考えるべきなのかもしれない。

北朝鮮は世界有数の金産出国となる可能性を秘めている。だからこそ日本は朝鮮統治に踏み切ったのだ。
しかし、産出国が増えれば供給増となり、かつての銀がたどった道のりを繰り返さないとも限らない。あるいはそのような「演出」を行うことは容易だろう。

そこですでに銀を米国が買い占めているとしたらどうなるか。それが未だに続く金(ゴールド)の英国による独占体制に対する挑戦であるならば、当然、英国としては米国への牽制を行うことであろう。「ドル」がそのターゲットとなった時、その信用力を失わせるには「偽米ドル事件」を流布させるのが一番だ。

もちろん、最初は「北朝鮮による偽米ドル」という米国の主張をサポートするかのような態度をとる。しかし、ある時、英国に率いられた欧州勢は、一斉に次のように言い出すのだ。

「偽米ドル事件は米国による自作自演。そのような国の通貨をいつまでも信頼し続けて良いのか」

もちろん、こうなるのと相前後して、英国との緊密さをアピールしてきた、日本における曰く「インテリジェンスのプロ」たちは一斉に淘汰されるか、いつの間にかその「言論」を摩り替えることであろう。最終的には自らの保身しか考えていない彼らに明日は無く、また、私たち日本の個人投資家・ビジネスマンにとっても彼らを頼みの綱とする理由もない。

マーケットを透かしてみることによってだけ見える本当の「歴史」と「未来」がそこにある。

2007年6月3日

原田武夫記す


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