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(回答先: 「南京大虐殺」「慰安婦」を否定 民主・松原議員 「しんぶん赤旗」 投稿者 Kotetu 日時 2007 年 6 月 23 日 11:47:03)
2007-05-27■戦争責任否定派、松原仁議員に反論します 【追記5/29】あり
以下『美しい壺日記』のやっしゃんさんのところで知ったニュースです。
「南京大虐殺」「慰安婦」を否定 民主・松原議員
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-26/2007052602_02_0.html
(2007年5月26日しんぶん赤旗)
「しんぶん赤旗」には詳しい発言内容は載ってないので、衆議院ビデオライブラリで「平成19年5月25日」「外務委員会」「松原仁」の条件で検索してご覧ください。
まず、松原議員の南京事件についての発言に少し触れると、「大虐殺そのものがなかった」と人数に関わりなくその事実自体を否定しています。しかし実際には、南京城市に限らず軍は中国のいたるところで虐殺や強かん事件を起こしていました。従軍慰安婦関係の書籍には元兵士のそういった証言が数多く出てきます。松原議員は「資料」という言葉を連発し、証言だけでは信用できないという立場を取っているようですが、虐殺があれば虐殺の命令書や虐殺の報告書がなければならないとでも言うのでしょうか。
南京事件には詳しくないので、これ以上の反論は他の方にお任せして、今回は慰安婦問題に関して反論しようと思います。
松原議員は、朝鮮半島で起った誘拐事件の犯人を警察が逮捕したことを根拠に、違法な慰安婦募集を警察が取り締まったと主張しています(36分20秒頃から)。しかもその誘拐犯は「日本人じゃなくて朝鮮人」と言います。松原議員が言及しているのは、おそらく次の事件のことでしょう。
1939年3月に朝鮮総督府の警察は誘拐犯を逮捕したが、この男は32年から慶尚南北道・全羅南北道の農村を廻って、「生活難であえぐ貧しい農家の娘達」を、ソウルに行けばいい仕事があるとだまして、朝鮮内の遊郭や北京・天津・上海・牡丹江などに売り飛ばしていた。彼は組織的な人身売買網に関係していたが、売り飛ばされた人員は約150名に達していたという。また、被害者の一人は、現金20円をもらい、就職に必要な書類であるから、指紋を押すようにいわれたという。
(吉見義明『従軍慰安婦』p.106)
警察が誘拐事件を取り締まるのは当たり前のことです。しかも当時朝鮮半島は日本に併合され朝鮮人は日本人にされていましたから「日本人じゃなく」という表現はおかしいです。戦争責任否定派は「当時は朝鮮人も日本人だったのだから徴用は国民としての義務だった」と強制連行を否定し都合のいい時だけ日本人扱いしておいて、都合の悪い時には「あれは日本人ではなく朝鮮人がやったこと」と外国人扱いして日本の責任を否定する詭弁を使っています。それに警察が個人の犯罪を取り締まったことを根拠に、軍の要請である慰安婦募集を取り締まったことにはならないのです。
また松原議員は、慰安婦募集が国際法を遵守して行なわれたことを示す公文書があると主張します(37分50秒頃から)。おそらく次の「支那渡航婦女の取扱に関する件」のことでしょう。
昭和十三(1938)年二月二十三日
内務省警保局長
各庁府県長官宛(除東京府知事)
支那渡航婦女ノ取扱ニ関スル件
最近支那各地に於ける秩序の恢復に伴ひ渡航者著しく増加しつつあるも是等の中には同地に於ける料理店、飲食店、「カフエー」又は貸座敷類似の営業者と聨繋を有し是等の営業に従事することを目的とする婦女寡なからざるものあり更に亦内地に於て是等婦女の募集周旋を為す者にして恰も軍当局の諒解あるかの如き言辞を弄する者も最近各地に頻出しつつある状況に在り婦女の渡航は現地に於ける実情に鑑みるときは蓋し必要已むを得ざるものあり警察当局に於ても特殊の考慮を払ひ実情に即する措置を講ずるの要ありと認めらるるも是等婦女の募集周旋等の取締にして適正を欠かんか帝国の威信を毀け皇軍の名誉を害ふのみに止まらず銃後国民特に出征兵士遺家族に好ましからざる影響を与ふると共に婦女売買に関する国際条約の趣旨にも悖ること無きを保し難きを以て旁ゝ現地の実情其の他各般の事情を考慮し爾今之が取扱に関しては左記各号に準拠することと致度依命此段及通牒候
記
一、醜業を目的とする婦女の渡航は現在内地に於て娼妓其の他事実上醜業を営み満二十一歳以上且花柳病其の他伝染性疾患なき者にして北支、中支方面に向ふ者に限り当分の間之を黙認することとし昭和十二年八月米三機密合第三七七六号外務次官通牒に依る身分証明書を発給すること
二、前項の身分証明書を発給するときは稼業の仮契約の期間満了し又は其の必要なきに至りたる際は速に帰国する様予め諭旨すること
三、醜業を目的として渡航せんとする婦女は必ず本人自ら警察署に出頭し身分証明書の発給を申請すること
四、醜業を目的とする婦女の渡航に際し身分証明書の発給を申請するときは必ず同一戸籍内に在る最近尊族親、尊族親なきときは戸主の承認を得せしむることとし若し承認を与ふべき者なきときは其の事実を明ならしむること
五、醜業を目的とする婦女の渡航に際し身分証明書を発給するときは稼業契約其の他各般の事項を調査し婦女売買又は略取誘拐等の事実なき様特に留意すること
六、醜業を目的として渡航する婦女其の他一般風俗に関する営業に従事することを目的として渡航する婦女の募集周旋等に際して軍の諒解又は之と連絡あるが如き言辞其の他軍に影響を及ぼすが如き言辞を弄する者は総て厳重に之を取締ること
七、前号の目的を以て渡航する婦女の募集周旋等に際して広告宣伝をなし又は事実を虚偽若は誇大に伝ふるが如きは総て厳重〔に〕之を取締ること又之が募集周旋等に従事する者に付ては厳重なる調査を行ひ正規の許可又は在外公館等の発行する証明書等を有せず身許の確実ならざる者には之を認めざること
(吉見義明『従軍慰安婦資料集』p.102)
※旧仮名遣いは現代仮名遣いに改めてました。
この通牒は、内務省警保局長から内地(=日本国内)の各庁府県長官宛てに出された通達で、確かに慰安婦の渡航は満21歳以上の娼婦に限る(一項)親族の承諾が必要(四項)人身売買や誘拐がないよう注意する(五項)という指示ですが、同様の通牒が外地(=朝鮮・台湾)には出された形跡はありません。従って、松原議員が言うような慰安婦の募集を取り締まった証拠にはなりません(内地以外では)。
【追記5/29】
朝鮮半島で国際法違反の慰安婦募集が行なわれていたことを示す広告がありました。
右は「毎日新報」(매일신보)左は「京城日報」(경성일보)に掲載されたものです。
募集年齢がそれぞれ「18歳以上」「17歳以上」になっています。たとえ本人の承諾を得たとしても21未満に売春させることを禁じた「醜業を行わしむる為の婦女売買禁止に関する国際条約」(5/26エントリ参照)に完全に違反しています。しかも募集広告を掲載した「毎日新報」と「京城日報」は、朝鮮総督府の機関紙です。ということは、松原議員の主張に反して、朝鮮では政府が違法な慰安婦募集を公認していたということがわかります。ご教示いただきましたni0615さん、ありがとうございました。
松原議員は文玉珠さんが慰安所で貯金していたこと理由に公娼だったと主張しています(42分10秒頃から)。この発言には悪質なイメージ操作があります。まず文玉珠さんは、二度慰安婦にされていますが、一度目は16歳の時に誘拐され、一旦帰国できたものの再び18歳の時に騙され慰安婦にされています。誘拐はもちろんのこと「18歳未満は娼妓と得ず」とした「娼妓取締規則」(=当時の公娼制)に違反してるのです。また文玉珠さんは貯金を一円も受け取ることができないまま亡くなりました。松原議員はこういった事実を隠蔽して文玉珠さんを公娼だと言っているのです。
また松原議員は陸軍大将よりも高給を稼いでいたと言いますが、それについては『誰かの妄想』のscopedogさんが明確に検証・反論されています。
『誰かの妄想』従軍慰安婦問題・慰安婦高額報酬説のトリック
http://ameblo.jp/scopedog/entry-10030549652.html
blog*色即是空
http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20070527
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