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http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070605.html
社説(2007年6月5日朝刊)
[事前協議]
やはり形式だけだった
私たちが理解している日米安全保障条約の「事前協議」は、一九六〇年に行われた安保条約改定で、米軍が配置や装備の重要な変更とともに戦闘作戦行動を取る場合に日本政府との間で「なされるべきもの」である。
これは、米国との「対等性」を維持するため、当時の岸政権が在日米軍基地の使用がフリーハンドにならないように日本側の発言権を担保する目的で盛り込んだといわれている。
だが、朝鮮半島有事の際に日本からの戦闘作戦行動を事前協議の「適用除外」とする密約で、日本側が「秘密の形式」を持ち掛けていたことが分かった。
日米間で交わされた密約は、まず核を搭載した米軍機の日本飛来、米船艦の寄港を協議対象外にすることだ。次に、朝鮮半島有事に際し例外的な措置として米軍が迅速に対応できるよう日本にある基地を使用できる―ようにするものになっている。
ここには、米国との対等性を目指す事前協議の意義が全く見られない。岸信介元首相はなぜ、基地使用に対する発言権を担保する仕組みをこんなにもあっさりと骨抜きにしたのだろうか。
戦後日本の復興発展のためとはいえ、そこまで米国に従う必要があったのか。疑問と言うしかない。
さらに強調したいのは、冷戦期の朝鮮半島有事を想定した「秘密の形式」が、今につながっていることだ。
それが憲法前段や九条との間に軋轢を生み、「恒久平和の理念」をなし崩しにしたのは今さら言うまでもない。
復帰後も続いたベトナム戦争、そして湾岸戦争、アフガニスタン紛争、イラク戦争では沖縄の基地が前線基地として使われた。これは紛れもなく「秘密の形式」の結果といってよく、その意味で元首相の責任は重い。
この間、事前協議はただの一度も行われておらず、私たちが社説で問うたことにも政府は回答していない。
「秘密の形式をとらなければ、後に続く政権が日米合意を守りきれない」と元首相は判断したというが、後の政権はそれを踏襲しただけだ。換言すれば、歴代政権は国民を欺いてきたのであり、政府には説明責任がある。
我部政明琉大教授は「当時から今日に至る日米の『対等性』や日本の『真の独立』の虚構性が一層明白になったといえるだろう」と述べている。
当然であり、継続された「秘密の形式」によって在日米軍基地の75%を押し付けられた県民がどれほど苦しんでいるか、政府はきちんと踏まえる必要がある。ほかにも密約はないか。政府に対する県民の疑いは消えない。
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