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「恥の上塗りという言葉があるが、馬鹿がその馬鹿さ加減をさらに印象付けることはなんというのだろうか。語彙の乏しい私には、適切な表現が思い付かない」と昨日書いたが、どういったらよいのかといろいろと考えた。こういう場合、“馬鹿につける薬はない”という表現を使うのがいちばんよいのではないかとの結論に達した。
昨日午前テレビのスイッチを入れたら、いつも何となくエヘラエヘラしているタコ坊主が真っ赤な服を着ていた。お馴染みのアベちゃんは、紫色の服を着て答弁席で何かをしゃべっていた。昨日の内閣委員会の中継である。私は一瞬何が起こったのかと私が目を疑った。悪い冗談はよしてくれ、と叫びたくなった。昨日未明の本会議採決につづいてまた強行採決をしようということで開かれた内閣委員会である。その委員会でなにもあんな服装をすることはないだろう。あっ、そういえばこういうときに使うのが、“馬鹿につける薬はない”という表現だったと思いついたのである。
6月1日は、衣替えである。だからといって、どうしても衣替えをしなければならないというものでもないだろう。昨日は爽やかを通り越して肌寒さが感じられる日だった。現に同委員会の委員席の方に、クールビズの服装をしている者はほとんどいなかった。しかも昨日の同委員会は、新“人材バンク”法案を強行採決するために開かれたのである。いくら衣替えの日だからといっても、そこで赤い服や青い服を着ることはないだろう。最近流行の環境オタクを除けば、あの姿は異様であった。環境省か内閣府の役人たちが、今日はこうして下さいという振り付けに従っただけなのだろう。要するに役人が作った答弁の丸読みと同じことなのだ。それはそれとして、「今日はやめておこう」という知恵者が内閣にも自民党にもひとりもいないということなのである。“馬鹿につける薬”はないと感じたのである。
「具体的状況における具体的分析」を説いたのは、レーニンである。レーニンは世界ではじめて社会主義革命を起こした政治家である。レーニンは、革命闘争を成功させるために必要なことを数多く述べている。それは、政治的立場に関係なく政治闘争を行っている者には示唆の多いものがいっぱいある。私はレーンの著作を若いときにかなり読んだ。マルクスの著作と違って、必要に迫られて書いたものであるからきわめて具体的かつ実践的である。レーニンの政治活動の目標は、社会主義革命を実現することであった。政治活動のターゲットは違っても、命懸けの政治活動をしている者にはいろいろなことを教えてくれる。しかし、ふたりのアンちゃんたちは、こうしたレーニンの著作も知らないだろうし、読もうという気になったなど1度もない筈だ。彼らにとっての政治活動とは、親から引き継いだ“稼業”にすぎないのだ。
それでは、また明日。
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