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□ムネオ日記 2007年5月28日(月)
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2007年5月28日(月)
鈴 木 宗 男
議員会館から羽田に向かっている最中、私の携帯に新聞社の方から「松岡大臣が自殺を図った」と第一報が入る。ビックリして松岡大臣の議員会館に電話し、赤松秘書官に確認すると、自殺を図ったのは事実との事。ただただ驚き、言葉を失った。
閣僚になってから何かと狙われた感のある報道が目立ったが、特に「ナントカ還元水」以来、世間の目は厳しかった。最近の緑資源機構の談合事件も、所管官庁の長として責任を感じていたのか。農林水産省のまだ肩書のなかった役人時代からの、35年にわたる付き合いだったが、何ともあっけない永遠の別れである。奥様はじめ、ご家族に心から哀悼の意を表したい。
今となっては24日夜、熊本の地元の人が出てきたので会食につきあって欲しいと早くから言われていた会合でゆっくり話したのが最期となってしまった。その時私は松岡大臣に「明日決算行政監視委員会で私が質問するから、国民に心からのお詫びをしたらどうか。法律にのっとっている、法律に基づいてきちんとやっていますと説明しても、国民は理解していない。ここは国民に土下座し、説明責任が果たされていませんでしたと率直に謝った方がいい」と進言したら、力無く「鈴木先生、有難いお話ですが今は黙っていた方がいいと国対からの、上からの指示なのです。それに従うしかないんです」と、弱気な言いぶりだった。私はなお、「これからも何かにつけこの話は続くので、早く国民に正直に説明した方が良いと思うよ」と重ねて話すと、「そこまで言ってくれるのは鈴木先生だけです」と、にっこり微笑んでくれた事を想い出す。
どうして自ら命を絶ったのか。ご本人しかわからぬ事である。第三者が詮索するのは避けるべきだ。
私も昭和58年、中川一郎先生が亡くなられた時、心ない人達から「自殺の原因は鈴木宗男だ」と、マスコミを使い、権力を使って叩かれたものである。あの時、飛行機に乗っている時、ふとこのまま墜落してくれないかと思ったことさえある。5年前バッシングに遭った時も、テレビ、新聞、週刊誌が毎日私の事を書き立てた。事実でない事があたかも事実の様に作られていく。検察のリーク、外務省からの情報、裏付けのとれない話がそのまま流れてしまう。あの時も「死んだ方がましだ」と思った事がある。
しかし、いつの時も松山千春さんはじめ、家族、秘書、後援会の人が私の「命」を心配してくれた。松岡大臣の悲しい知らせを聞くと、私自身なんとなく松岡さんの胸の内がわかる。平成14年5月29日から私が逮捕されるまで、毎日の様に私に励ましの電話をくれた松岡さんだった。
松岡さんが自らの命を持って政治とカネの問題にケジメをつけたとするなら、与党の皆さんは事務所費5万円以上の領収書添付で果たして良いのか、国民の目線に立った議論をし、例えば全ての領収書添付を義務付けるべきではないのか。民間企業、一般社会ではそれが常識なのだ。当たり前の事をしていく事が今求められている。
私は政治資金規正法改正の議論が出てから、一貫して領収書添付を訴えてきた。なぜ早くやらないのかと私自身憤りを感じてきたし、国民はもっと怒りを感じている事だろう。大事な命が亡くなったのである。松岡さんに応える意味でも、政治資金の透明性確保、情報開示を図る事が大切ではないのか。
古賀誠先生の女性部後援会「乙女会」の会合で講演を頼まれ、熊本に行く。松岡さんの地元での会合であり、飛行機に乗るかどうかためらったが、政治家は約束を守る事が一番だ。会場も松岡さんの支持者であると聞かされていたので、松岡さんとの想い出話をするのも松岡さんに対する供養になると私なりに考え、熊本での時間を過ごす。
身命を賭としての決意をするならば、そこまで考えていたのならば、また別の生き方があったのではないかと考える時、やはり松岡さんの死は残念でならない。24日、「また別の会合があるから」と言って席を立って出て行かれた姿が目に浮かぶ。
◎ 本日提出した質問主意書11件
・ 172 在パラグアイ大使館に配置されていた陶磁器「染付木の葉花瓶」の消失に関する質問主意書
・ 173 在インドネシア大使館に配置されていた版画「大野・伊那」の消失に関する質問主意書
・ 174 在アトランタ総領事館に配置されていた日本画「滝」の消失に関する質問主意書
・ 175 在ニューオリンズ総領事館に配置されていた日本画「風景」の消失に関する質問主意書
・ 176 在サンフランシスコ総領事館に配置されていた日本画「早春富士」の消失に関する質問主意書
・ 177 在ボストン総領事館に配置されていた日本画の消失に関する質問主意書
・ 178 在ケニア大使館に配置されていた洋画「花」の消失に関する質問主意書
・ 179 在フランス大使館に配置されていた陶磁器「碧釉大壷」の消失に関する質問主意書
・ 180 在米大使館に配置されていた日本画「春暖」の消失に関する質問主意書
・ 181 在米大使館に配置されていた日本画「緑雨」の消失に関する質問主意書
・ 182 我が国の対アフリカ外交についての官房長官秘書官の発言に関する質問主意書
※ 質問主意書の内容は下記の衆議院HPでご覧頂けます。
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