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9条ネットについて(戦略としての共同候補運動)
http://www.asyura2.com/07/senkyo35/msg/420.html
投稿者 kerogaso 日時 2007 年 5 月 28 日 22:54:49: 9br6ZD/XKVfwo
 

個人的な印象では「9条ネット」=新社会党なのですが、「共同闘争と独自闘争」に関して、新社会党と関係の深い社会主義協会(坂牛・上野代表)のホームページに「戦略としての共同候補運動」という論文が掲載されていましたので転載します。


 戦略としての共同候補運動
http://www5.ocn.ne.jp/~sksgkk/tenbou07.html#0705
                    津和 崇


 七月の参院選の重要な前哨戦としての統一自治体選挙の前半戦が終了した。そして、この選挙中にも審議が続行された改憲手続法案が、三月一三日、ついに衆議院を通過して今国会中の成立が強行されようとしている。いよいよ改憲が現実のものとして、政治舞台の主役になろうとしている。七月参院選そしてその次の国政選挙は、改憲を最大の課題とする選挙となる。改憲は、九条改憲による「戦争できる国・する国」への転換を最大のテーマとしつつ、労働破壊・生活破壊をも推し進めるものとなる。
 このなかで、護憲派の総結集を目指す確認団体としての「9条ネット」が誕生し、広がりを見せていることは心強い。この運動の広がりがいかに重要であるかを、四月八日の統一自治体選挙(前半戦)自体が示している。市町村議会選挙をさらにたたかいぬくことを前提に、共同候補運動の戦略的意義についての問題提起を行なうものである。

 地方議会でも二大政党化の流れ

 注目された都知事選は、残念ながら石原慎太郎候補の「圧勝」に終わった。とは言え、四年前の得票率七〇%にたいして今回は五〇%であり、石原批判が増大したことも間違いない事実である。そして、反石原の軸となった浅野史郎候補と吉田万三候補の合計票は、石原候補の得票の八三%に達している。もし、反石原の大統一戦線が出来ていれば、そのインパクト度とあいまって激戦になったであろうことを伺わせる。
 都知事選の前段での反石原統一候補の模索はかつてないものがあり、一二月には、画期的な集いが開催された。民主党、社民党、生活者ネット、新社会党の東京段階の最高レベルの機関代表者とすでに立候補を表明していた吉田万三氏とコーディネーターの内田雅敏弁護士が加わった六名のパネラーによるシンポジウムであった。石原都政を変える熱い思いがそれぞれに語られた。吉田氏は「良き統一候補を促進するために手を挙げた」とも発言され、会場から好感と共感をもって迎えられた。結果として統一候補は実現しなかったが、この小さな流れはやがて本流となる可能性を秘めている。
 県議会議員選挙では、民主党の躍進が顕著であった。議席は二〇五議席から三七五議席へとほぼ倍増し、得票率も前回の九・二%から一六・四%へとほぼ倍増している。とはいえ、自民党は前回の得票率三八・九%から三八・四%へと微減してはいるものの、依然として民主党の二倍強の得票率と得票数、三倍強の議席数(一二一二議席)を得ており最大勢力の地位は揺らいでいない。
 それにたいして、社民党、共産党は共に得票率も議席数も減らしている。社民党も共産党も候補者数を減らしているので得票率を単純に比較することはできないが、少数精鋭で臨んだにもかかわらず議席を減らしている。つまり、地方議会においても、二大政党化の流れが続いていることを数字は示しているのである。そして、堅い基礎票に支えられている公明党が、与党勢力としてこの二大政党制の一翼を担っている。
 前半戦全体を総括して言えることは、護憲派勢力は、国政選挙・首長選挙において真剣に共同戦線の強化と共同候補の擁立の推進を考えなければならない――そういう情勢がますます進んでいるということである。

 ある重い問いかけ

 新社会党東京都本部は理論委員会を毎月一回開催して、この間、憲法闘争の前進のための理論武装をさまざまな角度から積み上げて来ている。私も事務局担当としてほぼ全回出席し多くを学んでいるが、その初期の頃に、一人の理論委員の同志から次のような問題が提起された。彼は、定期的に地域機関紙を作成して直接配布を行ないながら、さまざまな対話活動も行なっているパワフルな活動家であるが、一人の有権者から「新社会党は今は統一戦線を主張しているが、力がついたらいずれ独自論に転換するのではないか」という問いかけを受け、すぐにはうまく答えられなかったというのである。「統一戦線は単なる一時的戦術ではないか?」というボールを投げられて、理論委員会のメンバーもさまざまな意見を述べ合ったが、重い問いかけであった。以来、私自身、この問いかけを胸に抱きながら来ていると言っていい。
 そして、この二月、三月と徳島と山形に講演の機会があり、各地の指導者の方々と「9条ネット」についての意見交換を行なったが、「政党人であるかぎり、いつかは独自候補で主体性の強化をという思いがある」というこれもまた率直な意見をいただいた。しかし、「一定の力がついたら独自候補で」というのであれば、私たちは共産党と社民党の「独自候補」論を批判することはできないことになる。両党とも、政党資格を有し独自候補でたたかえるだけの力をもった政党であることは疑いえないからである。「独自候補論と共同候補論」は、重くかつ大切なテーマであり、この問題での理論武装が重要であるとの共通認識にも至った。

 両立できる共同闘争と独自闘争

 「9条ネット」の会則は実に良くできていると思う。結論から言えば、共同候補論と独自候補論は両立できるのであり、共同闘争の推進と各党・各団体の主体性強化は矛盾なくすすめることができるのである。ネットの会則「第七項」は、「本会に参加する政党、団体は解散するのではなく、存続する。それぞれの政党、団体の政策は、所属する各比例候補者のチラシ、ポスター、広報、政見放送などを通じて訴えることができる」(全文)となっている。各党、団体の独自活動は、フリーである。唯一の拘束は、「憲法改悪に反対し憲法を政治と暮らしに活かす」(第六項)ことに合意することである。こうして、有権者に「護憲・活憲の共通の受け皿」を提示し、すべての護憲・活憲票を有効に活かそうという提案である。護憲派が総結集したということになれば、有権者に大きなインパクトと勇気を与えることになろう。
 しかし、現実には社民党と共産党は独自候補論で走っており、「9条ネット」のめざす本来の共同候補体制の実現可能性は極めて低い。こうしたなかで、「9条ネット」が独自候補をだすことは、「さらに受け皿を増やし、護憲票を分散させることにしかならないのではないか」という懸念がある。この点を心配し、あるいは批判して「9条ネット」への参加をためらう人々のあることもある意味では当然である。
 しかし、共産党も社民党も共同候補論そのものを正面から間違っているという批判はできないし、その意義は認めざるをえない。いわんや、二大政党体制のなかに護憲勢力が埋没させられ続けているなかで、第三極の形成が歴史的急務であることは誰も否定できない。無論、綱領の違いや個々の政策で論争があることは共同闘争の妨げにはならないし、してはならない。綱領が違うから別の政党であり、別の政党だから共同闘争が必要になるのである。
 これらの当たり前のことが、話し合いや申し入れでは通らないということをこの間、何回も繰り返して来た。そして、何年もが経過して来た。何回もの選挙が過ぎて行った。情勢は改憲に向かってつきすすんでいる。
 結局、この共同闘争が一定の力を有し、実力でその正しさと有効性を示す以外にない時点に至っているのではないか。そして、この間の活動で共同闘争と呼び得る体制が整って来ている。――こうして、決断が下された。したがって、「9条ネット」は何としても議席を確保しなければならない。
 むろん、社民党も、共産党もがんばって議席を伸ばすべきであり、「9条ネット」はすべての護憲勢力を激励することを基調としている。「9条ネット」の票の主要拡大ターゲットは、無党派層である。あるいは、投票にいかない層への働きかけである。
 「9条ネット」の当面の最大の具体的活動は賛同人の拡大であり、そしてマニフェストの有権者への持ち込みである。この拡大運動は、参院選後も次のたたかいへの備えとなるものである。「9条ネット」は、「憲法改悪を阻むため、今後実施される国政選挙において、すべての憲法擁護の政党・グループ・個人の共同をめざす」(第四項A)として、一過性の共同ではなく永続的に活動を続ける決意を示している。歴史の正道を歩もうとしている「9条ネット」の未来を全力で拓いて行くことが求められている。

 共同候補運動は戦略的指針である

 そして、われわれの推進している共同候補の運動は、一時的戦術ではない。新社会党は、その綱領『二一世紀宣言』で、社会主義へ向かう過程として「憲法を生かす共同戦線と連合政府」を必然のものとして提示している。つまり、共同候補論は戦略的位置をもった指針なのである。そして、共産党は、よく知られている様に新綱領でも「民主連合政府」を戦略的に提示している。共産党にとっても、共同候補論はその綱領との齟齬は生じない。社民党も、新しい綱領『社会民主党宣言』で、社会民主主義政権樹立の過程で、「新自由主義・新保守主義の政治の転換を求める政治勢力と連携し、主体性を維持しながら具体的な政策課題の実現を目指す、緊張感ある連立政権の形成を展望します」としている。つまり、社民党も共同候補論はその綱領的立場と矛盾しないのである。「主体性を維持しながら」という規定とも、先述したように「9条ネット」との齟齬は生じない。
 この様に、三つの政治勢力にとって、共同候補論は、戦略的に肯定し得る指針なのである。残されているのは、この共同候補運動が、現実の力になりうるということを事実で示すことである。

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