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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20070524/20070524_001.shtml
5月病祭 若者らが団結・デモ 福岡市 「フリーターを使い捨てるな」
作家・雨宮処凛さんも参加 30歳前後に「取り残され感」
生きさせろ、使い捨てるな! 絶叫が夕暮れ時の繁華街に響く。フリーターやひきこもりなどの若者らでつくる「フリーター/非正規労働者ユニオンふくおか」(fuf)が、「5月病祭」と題し福岡市で開いた集会とデモには全国各地から約100人が集まった。「生きさせろ! 難民化する若者たち」の著書がある作家・雨宮処凛さん(32)も参加、不安定な毎日を強いられている若者の窮状を訴えた。
(福間慎一)
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祭は、新しい環境でのストレスなどから引き起こされる「5月病」にちなんで企画された。「私たちは『こんな厳しい状況では働けない』と堂々と訴えていいはずだ」。fufの小野俊彦執行委員長(32)は主張する。
fufは昨年11月に発足した。組合員13人の多くが就職氷河期を味わった25‐35歳で、非正規雇用者の労働問題解決などに取り組んでいる。
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雨宮さんは北海道出身。10代ではいじめを受け自殺未遂を繰り返した。高卒後、進学をあきらめフリーターに。一時は右翼団体にも加入し、25歳で作家デビューした。「不安定な人たち」の労働問題や「生きづらさ」などをテーマに執筆活動を続けている。
フリーターやひきこもりの若者たちは「努力不足」「自業自得」と批判されがちだ。しかし雨宮さんは「もう『頑張ればなんとかなる』という時代ではない」と訴えた。
雨宮さんは、不安定な層は「社会的に作られた」と指摘する。その背景として1995年に日経連(現在の日本経団連)が将来の企業の方向性を示した報告書「新時代の日本的経営」を挙げる。
報告では、雇用者を(1)長期蓄積能力活用型(2)高度専門能力型(3)雇用柔軟型‐に分類した。フリーターは(3)に含まれる。以降、非正規雇用の割合は増え、現在は雇用者の3分の1に達している。
「長時間労働を強いながら、病気になると解雇するのが当たり前になっている。このままでは『役立たずは早く死ね』という雰囲気で、生存権が削られていきかねない」
雨宮さんの講演後、約70人のデモ隊は、路上でスピーカーから大音量を流してシュプレヒコールを繰り返した。沿道ではまゆをひそめる人もいたが、訴えにうなずく人や行進に飛び入りする人も少なくなかった。
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好景気と言われる中、30歳前後の世代には「取り残され感」が募る。
総務省の労働力調査によると、2005年から06年にかけて雇用者数は81万人増え、うち37万人が正規の職員・従業員だ。しかし25‐34歳に限ると正規は1万人減り、パートや派遣などの非正規が10万人も増えた。
祭に参加した大阪市の野宿者支援団体「釜ケ崎パトロールの会」の中桐康介さん(30)は、自身もフリーターだ。「数年前に比べ、路上で暮らす若者は減っている。しかしそれは状況改善のためではなく、インターネットカフェに住むなど見えない所に移っているだけ」
fufの小野さんは「労働条件の改善だけではなく、普通に生きる権利を求める『労働生存組合』として連帯を広げたい」と話している。
=2007/05/24付 西日本新聞朝刊=
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「フリーターを使い捨てるな」とシュプレヒコールを上げる雨宮処凛さん(左端)ら=19日、福岡市・天神
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