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2007.5.24(その2)
森田実の言わねばならぬ[260]
平和・自立・調和の日本をつくるために【177】
月刊経済情報誌『ZAITEN(財界展望)』6月号〈B.フルフォードの憂国対談〉で私が語ったこと――「アメリカの走狗」自公連立政権は夏の参院選挙で敗退する
「人間は、他のものを苦しめたいという以外のどんな目的ももたずにそれを痛めつける、唯一の動物だ」(ショーペンハウエル「倫理について」)
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4月中旬『ZAITEN(財界展望)』編集部の依頼を受け、B.フルフォード氏と対談した(「憂国対談」)。 ベンジャミン・フルフォード氏は、1961年、カナダ生まれ。外交官の家庭に育つ。元・米経済誌『フォーブス』アジア太平洋支局長。現在はフリージャーナリストとして、日本の権力構造の暗部を精力的に取材している。著書に、『ヤクザ・リセッション』ほかがある。(『ZAITEN』6月号より引用)
フルフォード氏は「対談を終えて」でこう述べている。《森田実氏のようなバランス感もあり、弱者に対する温かい視線を持った政治評論家をテレビから追放するのは、一種の言論弾圧である。これは国民を“バカ”にしていくという情報操作の一環でもある。米国系企業が広告ボイコットなどをちらつかせてメディアを脅迫した結果、いま、テレビに出ている評論家のほとんどは“親米国派”となってしまった。こんな情報操作に国民もNOを突き付けなければならない。夏の参院選については、森田氏の分析にほとんど同意するが、与党が野党にスキャンダルを仕掛けてくる可能性も否定できない。まだ、油断は禁物である。》
[フルフォードさん。いたらぬ私に過分のお言葉を賜り深く感謝します。たしかに与党が野党つぶしを仕掛けてくる可能性は考えておかなければならないと思います――森田実]
以下、対談の要旨を紹介する。《(石原都知事の今後)石原には、大きなテーマとしては「オリンピック」しかありません。2009年秋に開催地が決定しますが、これが決まらなかったら、石原都知事は“終わり”だと思いますね。ただ、五輪だけでは求心力が発揮できないので、いま以上に右翼的な政策を採るでしょう。中国を挑発したり、学校の先生を弾圧したり、と相当荒っぽいことをする。こんなことをすると、『読売新聞』や『産経新聞』は大喜びして、石原をバックアップします。しかも、ほかの新聞は読売のナベツネ(渡邉恒雄会長)とケンカするのは嫌なもんですから、大人しくなってしまう。こうやってメディアを取り込んで窮地を脱しようとするでしょうが、もう国民的には石原への信用は崩れていると思います。そもそも、選挙中は低姿勢、当選すれば傲慢という態度を見せられて、多くの心ある人は“編された!”と思っているのではないでしょうか。》
《自民党は参議院選挙を勝つためには、“大きな選挙”は全部勝ちたいわけです。安倍音三首相への支持が弱いですから。大きな選挙で負けたら、やっと維持されている安倍政権が崩れるという危機感があるんです。実際、東京都知事選と北海道知事選は成功しました。ただ、岩手、神奈川では民主党が推した候補が圧倒的に勝利した。だから、自民党の実力もこのへんが限界でしょうね。》
《ところが、もっと大きな選挙が行われていたんです。東京、茨城と沖縄を除く44の道府県で県議会議員選挙。これこそが“本当の地方選挙”だったんですね。東京の新聞がおかしいのは、都知事選ばかりで、道府県議選を一部しか報道しなかった。大半の国民が参加した選挙を報道しなかったのは、“偏向報道”です。
実はこの選挙、民主党だけが勝ったんです。民主は新しい政党だから、地域基盤がなかった。しかし、今回の選挙で自民にはまだ及びませんが、自民の3分の1程度の勢力を固めた。いままではゼロのような状態でしたから、この勝利は奇蹟に近いものがある。一方、自民党はかなり議席を減らしました。公明党だけは議席を守りましたが、逆にいえば、公明党は“現状維持”が精一杯ということを露呈しましたね。
野党は共産、社民、それから一時流行した市民ネットといわれる地域政党ともに衰退してしまいましたので、地方でも「自民・公明vs.民主」という時代が始まったということです。ただ、民主党にとって大きいのは、今回の選挙で、みんなが自信を持ったということ。しかも、勝ち方が変わった。これまで民主はマスコミを利用していたけど、小泉政権以降、メディアが自民に傾いた。だから、いま、民主でテレビに出られるのは自民のお先棒を担ぐ連中ばかりです。結果、普通の候補者はいわゆる“ドブ板選挙”をやって、勝利したんです。これが今回の大躍進の原動力でしょう。》
《小沢の登場まで、民主はこんな選挙をやってこなかった。それまでは「中央で勝てばよい」ということで、東京のマスコミ争奪戦に集中していました。でも、それが変わったんです。》
《参院選は自公が総計で過半数を割ることが、ほとんど確実になったとみています。民主が地域で基盤をつくりましたからね。民主は小さい政党なので、候補者がいない。だから、知事選を見送ってでも、参院選に力を温存させた。それこそが、「7月22日」だけを睨んでいる小沢一郎の戦略でしょうね。》
《(安倍政権はどうなりますか?)私は「総辞職」だと思いますね。しかし、自公で衆議院は3分の2を握っていますから、与党の地位は揺るがないでしょう。》
《小泉復活説もありますが、小泉にかつての力はないと思います。というのも、民主党は「格差拡大反対」「地域再生」「医療再建」という3つの主張で統一地方選を戦った。ただ、実際には、自公を含む全候補者が、これらの政策に乗ったんです。要するに、この地方選挙は、小泉改革の“負の遺産”の解決が、日本の緊急の政治課題であるということを証明した。統一地方選は事実上の“小泉時代との決別選挙”だったということなんです。》
《参院選で敗北しても、自公ががっちりとスクラムを組んで、参院は無視してでも、強引に政局を運営していくという意識になれば、私は突破できないことはないと思います。法律案が参院で否決されても、衆院の3分の2の賛成で通過する。憲法59条2項の条項を使えば大丈夫ですから……。しかし、こんなファッショ的なやり方をできるほど、自公に力はないでしょう。結局は、参院と話し合うしかなくなります。
そうすると、第1のキャスティングボートを握るチャンスを得るのは、国民新党だとみています。もうひとつは、民主党が国民新党がなくても十分な議席を参院で取った場合、反自民の小沢は安倍後継政権を大いに揺さぶって、総選挙に持って行くでしょうね。これだと、2008年の夏には総選挙が行われることになる可能性が強いと思います。》
《(総選挙は?)私は地方でよく講演などをやりますが、地方の経済トップから次のように言われます。「自民党議員は地方のことをわかっていないし、わかろうともしていない」。なぜかというと、自民の国会議員の7割は2世・3世の世襲議員か、官僚出身者。彼らのほとんどは東京育ちで、地方の衰退をどれだけ説明しても、わからないんです。だから、良い候補、具体的にいえば、良い市長さんを立てられるかどうかに、民主党の成否はかか、っていると言えます。》
《先日、熊本の天草に行きましたが、ここは貧しい地方だから、中学校を卒業するとすぐに働く生徒がいます。しかし、地元はもちろん、福岡や大阪でも求人がない。結局、東京に来てフリーターや非正規社員として就職することになります。一方、高校に上がる学生も、大学に行くには熊本の進学校に通う。となると、天草にいる親は子どもたちに送金しなくてはいけない。つまり、貧しい地方が都会に送金して、さらに貧しくなっていく。こんな構図が日本中で起こっているのです。
《2004年4月以後、日銀はいくらドルを買っているか、公表しなくなりました。03年度は、約33兆円のドルを買っていた。それだけでなく、米国債の購入も発表していません。つまり、わからないうちに、わが日本の富はどんどん米国に流れています。米国に経済を押さえられては、太刀打ちできませんね。》
《森政権の末期、旧橋本派は“森降ろし”をしようとした。このとき、森は米国に助けを求めたのです。そして、救われた。以降、森派(現・町村派)が自民党を牛耳っていますが、この派は旧岸派。米国とは縁が深いのです。公明党の母体・創価学会も布教の関係上、米国には逆らえないんです。政治が米国に屈している。》
[以上は『ZAITEN財界展望』6月号掲載のB.フルフォード氏との対談で私が語ったことの要旨である。フルフォード氏の過分のお褒めの言葉に重ねた感謝したい――森田実]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03377.HTML
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