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今や日米関係はかつてないほど良好とは言いますが背景には、米国と対等にやり合った田中角栄氏の失脚に見るように、対米恐怖心が蔓延して、サムライもいなくなり、完全に従属してしまったからでしょう。日米間で問題が全て解消したわけでもなく、日米FTA、EPAなども不必要なくらいに完全に協力・従属・支配関係に入ってしまいました。
今や世界は、東西冷戦終了後、世界は新たな米中、米露対決に入っており、資源(レアメタル)・エネルギー・食糧を巡る壮絶な争奪戦に入っていると見て良いでしょう。ユーラシア大陸南辺のアラビア湾、インド洋、ベンガル湾、東シナ海などの海洋との接点の地域は、米国から見ると不安定な弧も、楽観的な日本から見ると平和と繁栄の弧になるのでしょう。
しかしながら今や、海洋国家群と大陸国家群の対決、ドルとユーロ、プロテスタント・ユダヤと、カトリック・イスラムの対決など、世界的な規模で新たな対立構造が浮かび上がってきたようです。英国もかつての海洋国家の面と、新たなユーロ経済圏、大陸国家群に編入させられているようです。これまでは、辛うじて北海油田で自給体制が維持できたのですが、既に北海油田も1999年で生産のピークに達し、独仏などの他の大陸国家群と同様に、完全にロシアに首根っこを押さえ付けられてしまったようです。
実に世界は新たな対立構造に突入しており、それ故に、なお一層の日米同盟を堅持すべきだとする見解と、グローバルに協力していかねばならないという見解とが対立し始めているようです。確かに、米国もドル基軸体制の崩壊から、多大な財政、貿易赤字と、それに弱体化した経済にもかかわらず、世界の5割近くも占める巨大な軍事力、毎年100万人から150万人にも上る不法移民による格差社会、非白人系社会への転落、中南米化などで、対外的のみならず、米国の内部からの破綻・崩壊も顕著になっております。
従って、今や日米は運命共同体であるのは間違いありませんが、米国が全て資源(レアメタル)・エネルギー・食糧を面倒見てくれる保証もないなかで、大陸国家群やアフリカ・南米諸国などとも連携を深めていくことも重要です。レアメタルなどは、中央アジア、中国、ロシア、アフリカなどに偏在しており、単純に地政学的見地から、軍事的色分けできるものではありません。
そんな中で、世界戦争、特に米中、米ロの対立に巻き込まれない戦略・外交が必須と言えるでしょう。単にアングロサクソン米国に付いていけば良いというものではなく、また反旗を翻すなども自殺行為でありましょう。ここが世界情勢の読み取り、対応、タイミングの取り方と言い、非常に難しい舵取りとなるでしょう。要は過去の教訓やテキストなど大した参考書にもならず、歴史的難局を打開する解決策など何処にもないのです。
当方の指摘ないし質問に答えて、某駐米大使が「これこそ私が最も言いたかったことだ」と言われたのが印象的でした。某私立大学学長も同意見であり、ただ両者は現実の認識では同じでも解決方向には若干の温度差があるようでした。当方の指摘することを踏まえて、もっと具体性・現実性、近未来性を帯びて「新たな世界的対立構造の復活に向けて、日本は如何なる外交戦略を構築するのか」というストーリーで、両者とも講演されたかったのではないかと思います。
少し過去に囚われすぎてピント呆けであったように思います。これも、功成り名を遂げた方であるからこそ、有終の美を汚させたくない配慮というのか、未来に関しては、全くの素人と同じ立場であろうと言うことなのでしょう。特に今後の情勢は、単に軍事的な面だけでなく、資源(レアメタル)・エネルギー・食糧・環境など、実に複雑な多次元方程式を解くようなものでしょう。
従って、米国追随ではなく、日本が世界の規範を示し指導力を発揮していくことが早急に求められているのであり、それには主役の大幅な交替から、新しい発想や理念の登場が必須と言えるでしょう。
当方は米国に益々従属しながら、ともに崩壊の道を歩むのか、それとも米国衰退に便乗しながら次第に袂を分かって、中国べったりの道を歩むのか、あるいは新たな独自の道を模索するのか、正に歴史的選択の岐路に差し掛かっていると思います。
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