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世銀総裁:辞任の底流に「ネオコン」への不信感【毎日】
【ワシントン木村旬】イラク戦争を主導した「ネオコン(新保守主義者)」として就任当初から物議を醸していた世界銀行のウルフォウィッツ総裁が17日、辞任を表明した。直接の引き金は女性厚遇問題だが、辞任の底流には、「ネオコン」への不信感が世銀内外に根強く、総裁が孤立化していたことがある。支持率が低迷するブッシュ政権は、また失態を重ねた形だ。
同氏の総裁就任には、イラク戦争に反対したフランスなどが警戒感を示していた。だが、世銀への最大出資国として、同氏を推薦したブッシュ米大統領は「適任」と押し切り、同氏も世銀の総意を尊重する姿勢を示して、就任にこぎつけた。
同氏は総裁就任直後、アフリカなど貧困国への資金援助について、「汚職がはびこる腐敗政権には実施しない」との選別方針を打ち出し、一部の援助を打ち切った。ブッシュ政権も民主化の進展に応じて援助先を選別する方針を取っていただけに、「対テロ戦を遂行する米国の世界戦略を、中立的な世銀に持ち込んだ」と受け取られた。
アフリカ支援に熱心な欧州勢からは「援助が必要な貧困層を見捨てるのか」との反発が強まった。総裁が、ブッシュ政権から引き連れてきた側近だけと協議していたことも不満を広げた。
さらに、イラク情勢の泥沼化にもかかわらず、総裁がイラクへの援助拡大と現地事務所の開設に積極的だったことも、世銀内部から「イラクだけ特別扱いするのか」との反感を買った。そこに今回の女性厚遇問題が発覚し、世銀内外から「公私混同する人物が腐敗政権を非難できるのか」と批判に拍車がかかり、辞任に追い込まれた。
総裁の辞任は、昨年11月の米中間選挙後に更迭されたラムズフェルド前国防長官らに続き、ブッシュ政権で一時は勢威を誇った「ネオコン」のちょう落ぶりを改めて浮き彫りにした。総裁を擁護してきたブッシュ政権も大勢には抗しきれず、辞任を受け入れざるをえなかった。
ブッシュ大統領は17日、イラク戦争を推進してきたブレア英首相との会談後の会見で、総裁の進退問題を問われ、「こういう事態に至ったことは遺憾だ」と渋い表情で語った。
[2007年5月18日 11時34分]
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070518k0000e030045000c.html
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