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2007.5.15(その1)
森田実の言わねばならぬ[234]
平和・自立・調和の日本をつくるために【156】
憲法改正のための国民投票法成立についてテレビで解説した
7.22参院選が、たいへん大事である
反民主政治・強権主義の安倍首相による改憲への暴走に私は強い危機感を抱いている
「権力という魔法のかかった小部屋の中では、そのランプはどの人の顔も同じ色にしてしまって、賢明な人々も愚かな人のようになる」(ランドア「デモステネスとエウブリデス」『仮想対話集』)
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久しぶりにテレビで解説した。
昨5月14日(月)午後、テレビ局からスタジオ生出演の依頼があった。テーマは国民投票法に関して。依頼主は日経CNBCである。日経CNBCに出演するのもほぼ2年ぶりである。
最近、テレビ局や大新聞社、通信社の知人に会ったときによく耳にするのが、「政府筋からの干渉がきびしく、細かく、頻繁になった」という話だ。私が出演したことで日経CNBCは政府与党筋から「いじめ」を受けるのではないか、などと心配しながら、日本経済新聞社内にある日経CNBCへ向かった。
私が最後にテレビに出演したのは2005年8月の小泉首相による「郵政解散」直後のことだったから、それから1年9カ月が経つ。この間テレビとは無関係に生きてきた。
じつは私は、政府・与党筋および広告会社・電通からテレビ局に対して「排除」の圧力があったことを、テレビ局内部の知人からの知らせで知っていた。また私は、テレビ局が政治権力の支配下におかれてしまっていることを長年の経験で知っていた。だから、大テレビ局や大新聞の仕事をする機会はもうないと判断して、本と雑誌の原稿執筆、私自身のホームページの執筆、そして講演に専念することを決めていた。テレビに中立性を求めるのは、太陽が西から昇るのを願うようなものである。
自分自身のことは言いにくいが、私は過去のことにあまりこだわらないタチである。ただただ自然体に生きることをモットーにしている。だから、このたびの日経CNBCの出演依頼も自然体で引き受けた。
国民投票法成立について、テレビ局側とキャスターの質問に答えて、私は「三つのポイント」をあげた。
第一は憲法改正のための手続法の制定であること。これは、本来なら昭和22(1947)年の日本国憲法制定直後に行うべきであった。これを60年間放置してきたのは、政治の怠慢であった。GHQの影響が強かった。2007年7月22日の参院選で憲法改正を政治上の争点にしようとしている安倍首相のもとでの国民投票法制定には問題があるが、長期的に見れば60年無為に過ごしてきた政治の責任は問われるべきである。憲法改正を定めた憲法第96条に国民投票の規定がある。国民投票法の制定自体は憲法制定直後に制定すべきものであった。 第二は、手続法であるから、与野党合意で制定すべきであったが、自民・公明2党だけで押し切ったのは問題である。自民・公明両党は衆議院で3分の2,参議院で過半数をもっているとはいえ、大勝利した2005年9月11日の総選挙における自公連立与党合計の得票率は、小選挙区で約49%(過半数以下)、比例区で51%にすぎない。約半数の国民の意思を無視して、自民・公明2党だけで憲法改正の手続法を決めるのは問題である。あくまで、時間をかけても、与野党合意をめざすべきだった。与野党合意をつぶした第一の原因は安倍首相にあった。安倍首相が、憲法改正問題を目の前の参院選の政治的争点にしたからだ。憲法改正のための手続法は政争抜きで決めなければならない事柄である。
第三はこのような政争とからめての決め方は将来に禍根を残した。憲法改正案の発議は、衆議院と参議院それぞれ定数の3分の2以上の賛成をもって発議しなければならないが、これは憲法改正をめざす自民・公明両党だけでは、できない。いま自公両党は衆議院で3分の2以上の議席をもっているが、3年後も3分の2以上の多数を保持しているとは考えられない。この間に総選挙が行われることは確実であり、自公両党が議席を減らすことは不可避である。参院では自公両党が3分の2の議席を取ることは、きわめて困難、というよりほとんど不可能である。これでは憲法改正案の発議はできない。発議ができなければ、せっかく国民投票法を制定しても、国民投票を行うことはできない。
憲法改正は自民党単独ではできない。自民・公明両党だけでもできない。私は憲法改正に反対だが、憲法改正派にとっても、自公だけの独走は大きな問題を残した。
しかも2007年7月22日の参院選で自民党が大敗北すれば、安倍内閣は総辞職に追い込まれる確率はきわめて高い。
国民投票法成立は安倍内閣を有利にする要素と不利にする要素の両方があるが、総合的に見て、ほんの少しだけ安倍側に「有利」の要素が大きいのではないか。しかし決定的なものではない。事態は流動的である。
大切なことは、国民が政治への高い関心をもち、憲法と日本のあり方について、国民的な議論をすることだ。憲法問題は、自民党と公明党の両党が憲法改正をめざしている以上いずれ、一度は国民的に議論しなければならない問題である。国民的な大議論を起こすべき時がきているのである。
[以下は、テレビでの発言とは無関係の私のコメントである]
5月14日夜、日経CNBCの政治解説において、私が語ったのは、おおよそ以上のようなことだった。最近の安倍政治はきわめて危険な方向へ動いていると私は見ている。安倍首相は冷静さがないだけでなく、道義を欠き、常識を失い、強権的性格をむき出しにしている。暴走しているといっても過言ではない。7.22参院選で自公両党を敗北させて、安倍政権を倒さなければ、日本の将来は危ないと思う。それにしても、公明党という政党の鵺(ヌエ)的性格を、国民はどう見ているのだろうか。不満を口にしながら行動においては安倍首相をすべて支持し一緒に行動している。「加憲」などと意味不明のことを言いながら、自民党とともに行動し「憲法改正」に向かって突進する「二重性格」に、国民は騙されてはならない。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03350.HTML
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