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「ハンスト・座り込み」44日間の行動の総括=運動の成果を、6・15共同行動へつなげよう=〈蔵田計成〉
〈くらたけいせい:9条改憲阻止の会事務局長〉
去る4月13日、衆議院における政府自民党の「改憲手続法案」(国民投票法)の強行採決を契機にして、改憲をめぐる政治的局面は、大きな転換をみせました。例えば、翌日の朝刊は「7年にわたる、自公民3党協調路線の破綻」(毎日)。また、政府与党との折衝窓口を勤めた民主党枝野氏は、「これで、15年間改憲は遅れる」(TV発言)。さらに、「安倍は馬鹿だ。参議院で3分の2の支持を取り付けるには、民主党が必要だと言うことを忘れている」(民主党幹部)といいます。
さらに、「三党協調路線の破綻」という事態は、民主党内の政治ヘゲモニーが、小沢=菅ラインにに移行したことを示しているといいます。参考までに、その小沢路線の基本戦略とは、どのようなものか。
1,参院の逆転が、小沢政権実現への最短の道である。
2,そのためには一人区における勝利が不可欠であり、護憲勢力の票を取り込むこと。
3,そのためにも、9条2項残して、3項に平和維持軍を「加憲」する。
このような政治状況の変動は、いうまでもなく、社会的状況の変動と表裏の関係にあります。例えば、先の衆議院強行採決直後に実施された、読売とNHKの世論調査では、9条改憲賛成が減り、反対派が増すという数字を報じています。さらに、朝日新聞は民主党の憲法路線に近いとはいえ、衆議院強行採決翌日の社説に、「国民投票法を廃案に」とういう主張を掲げました。それと同時期に、国民投票法の問題点をはじめて詳報したのでした。
以上のような事態は、明らかに、憲法問題に関する社会的関心の高まりと相関性を示しています。とくに、この間の国会内外において呼応して展開された9条改憲阻止闘争の高揚の成果と結びつけることは十分に可能です。
以下のような事実は、その1例です。たとえば院内においては、「改憲手続法廃案」を主張する衆議院野党反対勢力は2:48という圧倒的少数派であるにもかかわらず、野党議員が議席数をはるかに超える大健闘をなし得たことです。政治的力量がたんなる数の論理だけに規定されるものではなくて、その道義的・論理的正義性が物質力へと転化することも十分あり得ることを示しています。
このような政治的・社会的状況を背景にしながら、昨年の6・15国会請願デモを契機にして始まった「9条改憲阻止の会」が提起した運動は、「ハンスト・座り込み」へとコマを進めることになりました。9条改憲阻止をめざす元全学連・全自連・全共闘・反戦青年委有志が呼びかけるなか、「ハンスト/座り込み」という日常性を越えた、先駆的意味を持った行動は、議会の内外を結ぶ「連携のパイプ」の役目を果たすと同時に、「行動は最高のプロパガンダである」という運動の哲理が持つ意味を、この上なく明示してくれました。これに連動して、多くのマス・メディア(7紙・局)もさまざまな角度から報道しました。このことにより、私たちの行動が、9条改憲問題に対する社会的関心に一石を投じ、社会的広がりの契機になったという事実は、正当に評価すべきだと思います。
「国会前ハンスト・座り込み」は、連続44日間(正味30日)、延べ約1000人近くの、ハンスト、座り込み、記帳、カンパに支えられて、成功裏に終了しました。全国津々、30市・郡から参加した知友人や、通りがかりの人たちとの見知らぬ者同士が切り結んだ、新しい連帯の絆は、9条改憲を許さないという「世紀の逆動」に抗う、ささやかな第一歩になるものと信じています。また、各種各様の集会が国会路上のど真ん中で実現できたことは、政治的決意と意思を示していくうえで、今後重要な行動手段となるはずです。
これらの行動の成果は、そのまま、来たるべき「9条改憲を許さない6・15共同行動」へと、引き継がれていくはずです。この「6・15共同行動」は、一人ひとりが、呼びかけ人であり、主催者であり、参加者です。それぞれが行動の主体として、個をつなぎあわせ、その総和としての到達点を目指しています。と同時に、多様性を包み込む運動であるが故に、広がりと深さをもった豊かな創造性の獲得を可能にすると信じています。運動の入り口では、すべての個々人は対等です。異質性のせめぎ合いを媒介にして、9条改憲阻止の一点において行動の合意形成を誠実にめざしています。一人でも多くの仲間が参加されるよう願っています
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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