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※この議事要旨を読むと分科会有識者たちが、生半可な「脳科学」の知識と個人的な「思いつき」で提言を作りあげていった様子がよく分かります。
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教育再生会議第2分科会
規範意識・家族・地域教育再生分科会有識者名簿
○浅利 慶太 劇団四季代表・演出家
◎池田 守男 株式会社資生堂相談役
海老名 香葉子 エッセイスト
川勝 平太 静岡文化芸術大学学長
小谷 実可子 スポーツコメンテーター
品川 裕香 教育ジャーナリスト
張 富士夫 トヨタ自動車株式会社会長
野依 良治 独立行政法人理化学研究所理事長
義家 弘介 横浜市教育委員会教育委員、東北福祉大学特任講師
(注) ◎主査 ○副主査
第9回規範意識・家族・地域教育再生分科会(第2分科会)議事要旨
日 時:平成19年4月17日(火)16:00〜18:00
場 所:ルポール麹町 「サファイア」
出席者:山谷総理大臣補佐官、有識者委員9名
早稲田大学教授 安彦忠彦氏
理化学研究所脳科学総合研究センターユニットリーダー 津本忠治氏
親学会副会長、明星大学教授 高橋史朗氏
<子供の発達と脳科学について>
○ 安彦忠彦早稲田大学教授ヒアリング (資料2)
「子供の成長・発達の吟味検討 −脳科学的基礎を中心に」
・ 発達段階の理論的解明
・ 教育の目標となる発達課題の明確化
・ 発達段階に即したカリキュラムの全体構造
○ 津本忠治理化学研究所脳科学総合研究センターユニットリーダーヒアリング (資料3)
・ 脳の設計原理−過剰回路の形成と神経活動による刈り込み
・ 両眼視機能発達や言語習得における感受性期の存在
・ 情動と社会性に関与する脳部位とその発達の障害
・ 子どものこころの問題を脳科学的に理解し、解決法を見いだせる可能性の出現
<「親学」及び家庭教育について>
○ 高橋史朗親学会副会長、明星大学教授ヒアリング
・親学の基本的な考え方
・親と子供が共に成長する必要性
・脳の発達段階に応じた関わり方
・日本の伝統文化に根ざした育児の知恵
・親学アドバイザーの育成、派遣
○事務局説明 資料1、資料5、資料6
(池田座長代理)
家庭教育と幼児教育の充実について、御三方の報告をもとに横断的に議論をいただきたい。
(張委員)
安彦先生の論文から年齢に対応した脳の発達段階を引用し、その各段階に対応した形で行うべき徳目や徳育の手法をまとめた。例えば、真似をする発達段階に覚え込ませる内容は、年齢の低い所にいれている。これらについては、お一人おひとりのご経験で異なる所もあると思う。今後ご意見をいただきたい。また、いじめ問題との関わりでは、いじめは卑怯な行為であると小さい頃から教える事が大切である。同時に、話を聞いてあげる友達の存在が大切である。いじめられている人に対して見て見ぬふりをせず、声をかける勇気を持つことを教えたい。いじめ問題のためにも徳育をしっかりと早い段階で教えたい。
(義家委員)
親が学ぶべき事はたくさんあるが、多忙な日常の中にあり、いかに学ばせるかが課題である。給食費未納の問題では、給食を食育の授業時間と捉えるなど位置づけを明らかにすることが重要である。お金を払っている以上「いただきます」を言う必要はないと主張する親がいるのは疑問。連帯保証書をとる自治体もでるなど事態は深刻である。学校、国、教育委員会、家庭、それぞれの果たすべき責任を明確にしなければ、親学を学ぶ場を設けても来て欲しい親は来ないのではないか。義務教育を、国が義務を負う教育だと、はき違えている親がいるが、子供に教育を受けさせる親の義務である。親学研修の義務づけなど、思い切った提言を行いたい。高橋氏に紹介いただいた団塊の世代による親学アドバイザー派遣は有用だと思う。いずれも教育委員会の管轄下にある小中一貫教育と異なり、中高一貫については、公立中学校は市教委、公立高校は都道府県教委の管轄と分かれ、また公立中学校には学区制があり、公立高校は選択制であるなど、それぞれに仕組みが違うため中高一貫教育の推進については、仕組み作りから取り組む必要がある。張委員のご提案は、非常に的を射ているが11〜14歳の段階にディベートを加えていただきたい。自分の意見が受け入れられない事があるのを知るのも大切である。また、反社会的行動をとる子供への指導で効果的なのは、「卑怯」でなく、「恥ずかしくないのか」と問うことである。上手く立ち回らないと成功できない世相の中で、卑怯を戒める事に説得力が失われつつある。日本は恥の文化と言われてきたが、小学校低学年の段階から恥ずかしいとはどういうことかを教えたい。
(品川委員)
先日総理や山谷補佐官とともに視察を行った広島少年院では、発達過程を視野に入れながら、脳科学、社会学、教育学等の最先端のエビデンス・ベースの知見を取り入れた指導を実践し効果を得ていた。こういった、エビデンス・ベースの教育が一般の学校現場にも適用されるように広げたい。そうすることで、これまでは教育現場の職人技にたよってきた部分が、より効果のある指導を効率的に導入することができるようになる。それは教師にとってもすべての子どもにとってもメリットのあることだと考える。また、理研とオックスフォード大共催の「脳科学と教育」に関する国際シンポジウムに参加した。脳科学の教育への取り入れについて、ベースとなる最先端の知見は欧米から出されていた。またほとんど先進国ではディスレクシア(読み書き困難・読み書きのLD)の解明とより効果的な支援をしていくための研究プロジェクトがあり、そこにニューロサイエンスや遺伝子研究の知最先端の知見を投入している。子どもが自身を駄目な人間だと思ってしまう前の早い段階にそうならないようevidence のある予防的教育を行うことが重要であるが、日本は予防的教育が非常に弱い。最先端の脳科学の知見、発達的視点の重要性、evidence based education とそれを支える基礎研究の充実について、財政措置も含めて提言したい。親学については、NPO や教育委員会の取り組みが各地で進められているが、参加して欲しい人が参加しないという課題がある。親学を広めるということ自体が対処療法妊娠してからの親学では遅いので、親になる前の段階、例えば高校生の段階から、命の教育など行う必要がある。自尊感情について、日本の中高生は、諸外国と比べて自分自身に対する満足感は8〜9%と非常に低い。自尊感情があって初めて、規範意識、道徳が身に付く。大人になってから自尊感情を高めるのは難しい。発達段階の初期に、徳育を通じて自己理解から自尊感情を身につけさせ、それが規範意識、ひいては親学につながるような長期スパンでのダイナミックな提言を行いたい。こういった教育が本当に実践されれば、20 年後には親学という発想そのものがいらなくなるのではないか。教育の問題、いじめや不登校、問題親や教師自身の過重労働等を含め取材をすればするほど問題は現行の行政制度にあると痛感する。子どもと家庭を中心に厚労省、文科省、法務省等と分断されている関連部局を統合して、少年家庭省および少年家庭審判所というような行政審判所を作るなど大きな制度改革ができないかという事について、後日改めて提案させていただきたい。
(門川委員)
問題意識や危機感は共有されているが、いかに行動につなげるかが重要である。日本では、生物学的な成長のフォローへの保健医療体制がかなり整っているが、親学も含め人間を人間として育てる必要がある。厚労省と文科省で所管が分かれる。中高の段階で親学を学ぶ機会を設ける必要がある。また、妊娠や乳幼児期に母親が保健所で親学も含めて学ぶ機会を充実させると共に、父親も含めて学ぶ機会とカリキュラムを作れないか。保健福祉行政と教育行政を統括した取組が重要。DVD やゲーム、TV 等の視聴時間が増えて、人と人の絆が弱まっている。脳科学からの提言も必要では。地域社会が崩壊してきている。自分の子供の成長だけでなく、親も共に学ぶ視点を持ち、大人がみんな地域の子供を社会の宝として成長を見守り、喜ぶような地域の姿を取り戻したい。そのために学校が地域の核としての役割を果たすべき。京都市では「子どもを共に育む京都市民憲章」を制定、大人としての行動規範、子供を育む理念や目標を明らかにした。市議会でも推進決議が行われた。また、3年前に読書活動振興市民会議で緊急提言を行い、教育委員会や保健福祉局と共同で子育て経験を持つボランティアを募り、8ヶ月検診の時に読み聞かせを行うなど草の根の取り組みを進めている。
(海老名委員)
4人の子供を産み育てたが、子供は性格や体質、発達の仕方もそれぞれ異なる。画一的な育て方でなく、母親の目で子供の違いを見極めて育てることが大切である。そして、半年間、せめて3ヶ月間は、母乳で育てていただきたい。子供の顔や目を見て母乳を与える事で親子の情が育まれる。子守唄なども親の愛や、やさしさを伝える事に通じる。家庭で躾をしてから保育園や学校に行かせるべきで、親学は基礎の基礎である。高校生ぐらいから、親になる覚悟やしつけを学ぶべきである。役目を果たさない親が多いが、親の責任が重要である。
(川勝委員)
脳の発達において、3〜5歳くらいまでに運動や感覚が大いに発達するため、この3年間が非常に大切である。次に12〜13 歳の時期の重要性が指摘された。現在の6−3制では、その時期に小学校から中学校へと進学するが、これが脳科学で言われる子供の成長・発達段階に合致しているかどうかを脳科学の視点からの問題提起として受けとめるべきである。団塊の世代の子育て経験を持つお母さんOBが、現役母親世代と連携しながら、大切な乳幼児期の教育にあたるのは良いことである。
(小谷委員)
親学は非常に大切であるので、放課後子どもプランの中で進めるのは良いと思う。また、母子手帳に押印して意識付けにつなげるなど、何らかの強制力につながる制度化、仕組み作りを行いたい。プロポーション維持や早期職場復帰のため、母乳で育てない母親が最近多い。ワークライフバランスの一貫で、母乳休憩など、母乳での子育てを支援する制度など検討できないか。また、認定子ども園が増えているが、用事がある時に、罪悪感を抱かずに子どもを預けられる施設があれば、ちょっとした息抜きにもなり、子育てに余裕が生まれ、子育てをしたい人が増えるのでないか。地域での子育ての関係では、週末に近所の子供たちが集って遊ぶための場所が課題になり、週末だけ近所の道路を車両通行止めにできないか区に相談をしている。遊び場の確保も課題である。
(池田主査)
特に都会は広場がない、道路を何らかの形で開放いただければ、良いコミュニケーションの場になる。
(浅利委員)
ミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」を全国25 万人の子供に無料で見せる。この作品では命の大切さや友情の素晴らしさを描いている。親子で見て感動を共有いただきたい。いじめについても子供たちは真剣に向き合うと思う。また次は、学校で子供たちを3つのグループに分け、「いじめ役」「いじめられ役」「傍観者」を交代で演じる芝居を検討している。文化祭でやって欲しい。心の体験が人を育てる。学校教育の正規授業で、演劇の課目がないのは、先進国では日本くらいである。歴史的背景から、学校現場に演劇に対する偏見があるようだが、演劇の授業を設けて、舞台芸術を通じた親子や家族の愛情体験を取り入れていくと良い。これを教育再生の提言に入れて頂きたい。
(池田主査)
「ユタと不思議な仲間たち」に大変感動した。26 年前にも見たが、当時と比較して、思いやりのない社会になった。これは憂えるべき事である。親子や友人などで感動を共有するのは大切な事である。そういう仕組みや環境を整えたい。
(高橋氏)
品川先生の親になるための学びの重要性についてはご指摘通りと考える。しかし、今の家庭科の教科書では家庭や家族の大切さを感じられるか疑問である。検討いただきたい。家庭の果たす役割の重要性を見直したい。家庭の役割には価値観形成に加え、文化継承の役割もある。例えば、茶道が自身を見つめ直す機会になったとの調査もある。文化継承を通じた人間形成があるのではないか。乳幼児と関わることで、親心が育つ。ここに親子の楽園を取り戻す鍵がある。
(安彦氏)
大人が手助けすると子供の発達が促される部分を「発達の最近接領域」というが、それは人類固有のものなので、この教育の重要性をあらためておさえていただきたい。社会を改造しないと教育の改善は期待できないが、それは主に政治の責任である。そういうマクロな点について再生会議では提言してほしい。
(津本氏)
人の大脳には顔ニューロンがある。これは相手の顔にのみ反応する神経細胞で赤ちゃんの段階から備わっていると言われている。母乳についてご意見があったが、母乳を与えるときにお互いに顔、特に目を見つめて抱くことが非常に重要であると思われる。ユビキタス情報化社会にあり、インターネットの普及等で顔をみないコミュニケーションが増えているが、アイコンタクトやface toface のコミュニケーションを大切にしたい。
(山谷総理補佐官)
親であることは恵みであるのに、子育てにはお金がかかる、あるいは負担であるという意識が高いと調査にある。また、内閣府の調査でも、子育てに「なんとなくイライラする」と回答する人が75%と非常に多く、子育てが恵みと捉えられていない。淋しく、もったいないことである。クリントン大統領時代に、脳科学者、小児学者をホワイトハウスに集めて、乳幼児期には愛着が大切であるというホワイトハウスカンファレンスが開かれた事がある。本の読み聞かせの重要性なども提言された。以前、近所にドイツ人ご夫妻がいたが、父親がPTA活動に参加するために夜間に熱心なPTAを開いていた。教科書や教材の内容や教え方も父母、先生と取りあげるという。日本人もこのくらい教育熱心になると良いと感じた。今までの発言を聞いていると、親子が一緒に成長する場作りについて、5月の第二次報告で財政措置も含めた提言になるよう検討をすすめるのとあわせて、社会に広めていくため有識者による分かりやすいアピールのような緊急提言を行うような事が必要ではないか。資料6の文科省の「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会報告」や、日本小児科学会の「こどもの生活環境改善委員会」報告など、普遍的な提言がだされているが、母親に届いていない。子供の発達段階に応じた徳育についてのご提案、あるいは携帯やゲームなどの影響、早寝早起き朝ごはんの効果や、日本の伝統文化に根ざす子育ての知恵なども盛り込んだ提言が出来ると良い。母乳についても、ユニセフ、WHO による母乳育児応援の赤ちゃんにやさしい病院(ベビーフレンドリーホスピタル)認定施設は日本に43産院しかない。命をいかに捉えるかの視点もある。私は、子守歌や民話、神話、郷土の偉人伝などをよみがえらせる国会議員連盟の幹事長をやっているが、子守歌を聞かせようと呼びかけても、最近のお母さんは子守歌を知らない。市町村合併の影響から、全国で5000 程度あるといわれる子守歌の資料も失われつつある。ふるさとの子守歌を、6ヶ月検診などの機会で集まる際に歌うことなども含め、母性、父性を育て社会を変えるようなメッセージを発信したらどうだろう。
(浅利委員)
緊急提言には大賛成。分かりやすく端的なものが良い。
(池田主査)
取りまとめを検討する。
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