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れんだいこのカンテラ時評289【日本歯科医師連盟1億円政治献金事件、村岡兼造元官房長官二審判決考】
http://www.asyura2.com/07/senkyo34/msg/603.html
投稿者 こげぱん 日時 2007 年 5 月 12 日 12:37:53: okIfuH5uFf.Lk
 

http://otd10.jbbs.livedoor.jp/1000013618/bbs_plain
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/index.html

126 返信 Re:れんだいこのカンテラ時評289 れんだいこ 2007/05/11 21:08

【日本歯科医師連盟1億円政治献金事件、村岡兼造元官房長官二審判決考】

「村岡裁判」は今後案外重大な意味を持つ事件になる可能性があるので確認しておく。

 2007.5.10日、 日本歯科医師連盟(日歯連)側から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反(政治資金収支報告書の不記載)の罪に問われ、2006.3月の1審・東京地裁で無罪判決(求刑・禁固1年)を受けた村岡兼造元官房長官(75)の控訴審判決が東京高裁(102号室)であった。

争点は、検察側が立証の柱にする平成研の滝川俊行元会計責任者(58)(有罪確定)証言の信用性である。1審判決は証言の信用性を否定した。高裁の判断が注目されていたが須田賢裁判長は、無罪とした1審判決を破棄し、村岡元長官に禁固10か月、執行猶予3年の逆転有罪判決を言い渡した。国会議員経験者が2審で逆転有罪判決を受けるのは、リクルート事件で受託収賄罪に問われた藤波孝生元官房長官(74)に対する1997年の東京高裁判決(最高裁で確定)以来10年ぶりである。

 「日本歯科医師連盟(日歯連)事件」とは、2004.2月、東京地検特捜部が強制捜査に乗り出し、1・自民党旧橋本派への1億円裏献金事件。2・診療報酬を決める中央社会保険医療協議会を舞台にした贈収賄事件。3・日本歯科医師会長選に絡む日歯連幹部らの業務上横領事件。4・日歯連の支援を受けた自民党元衆院議員による公職選挙法違反事件などを摘発した一連の事件を云う。日歯連幹部、元社会保険庁長官、元連合副会長、元自民党衆院議員ら16名が起訴され、村岡兼造元官房長官以外の有罪が確定している。

 このうち1の「自民党旧橋本派への1億円裏献金事件」が「村岡裁判」となる。起訴状(検察論告)によると、2001(平成13).7月、橋本龍太郎元首相が、東京都港区内の料亭で、日本歯科医師連盟(日歯連)側から直接、小切手で受け取った。料亭には野中広務元幹事長、青木幹雄参院議員会長も同席していた。

 滝川元責任者は東京地検特捜部が強制捜査の当初は否定していたが、取調べの際に次のように証言するに至った。検察側はこの証言を立証の柱に求刑した。


 概要「2002.3.13日、橋本派の政治団体「平成研究会」(平成研)幹部会の席上、当時入院していた橋本元首相に代わり、会長代理だった村村岡被告が1億円の献金について、政治資金収支報告書の不記載と領収書の不発行を取りまとめた。これに基づき、1億円を除外した平成研の01年分の政治資金収支報告書を総務相に提出した」。

 1審判決は、この日は参議院の散会が遅れ、幹部会の開始が通常よりも20分ずれ込んだのに、滝川元責任者がこの点に言及していないことなどを指摘して、「証言は信用できない」と結論付けた。その上で、「橋本元首相らに累が及ぶのを避けるために虚偽の証言をした可能性もある」と推論していた。つまり、「何か裏がありそう」と嗅覚し、疑わしきは罰せずとした。

 検察側は控訴審で、参議院の散会時間が遅れることは、ほかの日にもあったことなどを立証した。一方、弁護側は「無罪判決に影響を及ぼすような新たな立証ではない」と反論していた。東京高裁の須田賢裁判長は、滝川証言について、1・客観的な事実経過に照らして自然、合理的で、根幹部分は一貫している。2・橋本龍太郎元首相の秘書供述ともよく符合しており「極めて信用性が高い」と認定した。この判断に基づき、「元長官が派閥幹部会に献金処理の対応を諮り、収支報告書への不記載を幹部会の総意として決定した」と結論付けた。

 一審判決の「橋本元首相らに累が及ぶのを避けるために虚偽の証言をした可能性もある」との推論に対しては、「誰かをかばい、ことさら派閥幹部に刑事責任を負わせる恐れの高い虚偽供述をする理由はない」と覆した。概要以上、「被告に無罪を言い渡した一審判決は事実を誤認し、その誤認が判決に影響を及ぼすことは明らかで破棄を免れない」と判決した。

 村岡元長官の量刑理由として、「長年にわたり議員を務め、要職を歴任し、国民からの政治資金の透明性確保への強い要請に応えるべき立場にありながら、会計責任者から領収書発行要請への対応を諮問され、会長代理の立場で幹部会に諮り収支報告書への不記載を総意として決定した役割は大きく刑事責任は軽視できない」と批判しつつ「たまたま入院中の橋本元首相に代わって幹部会のまとめ役を務めたことや、30年近く国会議員として社会に大きく貢献してきたことなど汲むべき事情も或る。これらを総合考慮をし、主文の刑を定めた」と裁定した。

 豊嶋秀直・主任弁護人は、「1審とは反対に滝川証言の「高度の信用性」を認めたのは理解しかねる。真相が解明されず、表面的な証拠だけで有罪とするなら刑事裁判に悪影響を与える」とコメントした。伊藤鉄男・東京高検次席検事は、「1審判決の誤りを明確に指摘し、検察官の主張する事実を全面的に認めた極めて妥当な判決だ」とコメントした。

 判決後の会見で村岡元官房長官は、「検察に迎合した不当極まる判決。上告します」と切り出した。「最初から有罪ありきだ。これは裁判じゃない」、「こんな判決では司法への信頼を失う。良心が痛まないのか」と須田裁判長を名指しして批判も。「献金にははじめから関与しておりません。不当な判決や横暴な検察と闘います」と改めて無実を訴え、「泣き寝入りはしません」と上告を明言した。

 さて、2007.5.11日付け赤旗は、「自民旧橋本派のヤミ献金事件」(ttp: //www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-11/2007051115_01_0.html)と題して、佐々木議員の次のようなコメントを載せている。

 真相究明 問われる自民 佐々木議員

 村岡元官房長官の有罪判決について、日本共産党国会議員団金権・腐敗政治追及委員会の佐々木憲昭責任者(衆院議員)は十日、次のコメントを出しました。

 一億円ヤミ献金事件で、政治資金収支報告書不記載の罪に問われていた村岡元官房長官にたいして、東京高裁は有罪判決を言い渡した。日本歯科医師連盟から自民党の派閥である平成研究会に対して一億円という巨額のカネがヤミで渡されたことが、一審、二審とも認定されたことは、重要である。

 しかし、この裁判で争われたのは、献金をヤミ処理した責任が誰にあるかという点だけである。この一億円が何の目的で渡され、何に使われたのかは依然として明らかになっていない。自民党は、これまで自浄作用を果たさないばかりか、国会の場でも関係者の証人喚問を拒否するなど真相究明を妨害してきた。その責任があらためて問われる。カネの力で政治をゆがめる体質は、なんら変わっていない。

 わが党は、徹底した真相究明を求めるとともに、企業・団体献金の全面禁止、腐敗政治一掃のため、さらに力をつくしたい。(転載以上)

 れんだいこ(私論.私見) 村岡第二審判決考

 日共の佐々木憲昭衆院議員と云えば「ムネオハウス」で名を挙げた正義派であり、それも今となってはかなり問題性の有る追求の仕方であったことが露見させられているが、平気の平左で口をつむっている言論士である。その彼が又もや変調名な事を述べている。佐々木は、「日本歯科医師連盟から自民党の派閥である平成研究会に対して一億円という巨額のカネがヤミで渡されたことが、一審、二審とも認定された」と述べているが、こういう評し方は公平だろうか。

 今回の判決は、「日本歯科医師連盟から自民党の派閥である平成研究会に対して一億円という巨額のカネがヤミで渡されたことが、一審、二審とも認定された」ことにあるのではなく、村岡元官房長官が一審無罪、二審有罪の逆転判決になったことに意味がある。ここを評論しない一般評論は意図的為にするものであり公正ではなかろう。否悪質ではなかろうか。

 しかし、何ゆえに日共はこういう評をするのだろうか。この事件の特異性は、政界腐敗追及と云う大義名分に基づく証言偏重にある。一体日共はいつから、「証言偏重有罪」であろうが何であろうが正しい目的のためなら構わないとする態度を打ち出し始めたのだろうか。日共系御用法学者よ、弁じてみよ。

 ここまでなら他の論者も指摘しよう。以下、れんだいこの独壇場見解を披瀝する。

 ロッキード事件に強い関心を持つれんだいこは、この事件にも捏造の可能性を読み取る。日共の佐々木議員は頭から1億円授受を決めて掛かっているが、決め付けるにはもっと証拠を確認せねばなるまい。角栄の場合も頭から5億円授受を事実と断定され、当人が否定すればするほど怪しいとした。結果的に正しければ構わないが、当人の説の方が正しかったらどうするのか。お詫びだけでは済むまい。又器用に口チャックかよ。居直りかよ。何ら体質が変わっていないことに気づかされる。しかも強度の権力的発想であることに気づかされる。

 それともう一つ、れんだいこは、司法当局の政治腐敗摘発がこの間一貫して政府与党内ハト派系に重心を置き強権捜査していることに着目している。政府与党内ハト派系とは旧田中−大平派を云う。もとより旧田中−大平派のイデオロギーを持つ政治家は既に存在しないのだが、その系譜上の転向政治家が今でも狙い撃ちされている。捜査当局のこういう姿勢は果たして偶然だろうか。右翼テロもこの延長線上で発生しているように見える。日共もこの延長線上でことのほか言論を激しくしている気配がある。これは果たして偶然だろうか。

 この云いに納得しない人士は、ハト派とは反目の名うてのタカ派である旧福田−中曽根派系政治家の、且つネオ・シオニズム御用聞き系政治家で摘発された者が少な過ぎることを考えてみればよかろう。もっと端的に云えば、中曽根、小泉ほど叩けば埃の出る者は居ないが、同種疑惑に対して何ゆえに司直の捜査の手が掛からないのか弁じてみよ。中曽根、小泉は潔癖故か。他に理由は無いのか。要するにそういう事である。

 金権腐敗追求であろうが何であろうが、政治の場合、その政治家が司直のお縄に掛かることによる政治的影響を裏読みせねばならない。何か裏の意向が働いているのではないかと嗅覚せねばならない。政党はひとまずはその分別をした上で、裏の意図に乗っかからない形で追求するなり様子見するなりの加減をせねばなるまい。一見正義面して最も鋭く騒いでいる者が胡散臭い事例は山ほどある。こういうことを指摘してみたかった。

 2007.5.11日 れんだいこ拝

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