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2007年05月12日
「海上自衛隊の艦船が辺野古沖に向かって横須賀港を出港した」というニュース
11日、米軍の普天間飛行場移設先である辺野古沖に向けて、海上自衛隊の艦船が横須賀港を出港したと報道された。久間防衛大臣は同日午前の閣議後の記者会見で、「警護とか仰々しいことは考えていない」と一応否定してみせたが、その舌の根も乾かないうちに、「先の事はわからない。一部で(海自の動員を)考えている人がいないとは限らない」と本音を漏らした。また塩崎官房長は、これに先立つ10日の定例会見で、「(海自が)防衛施設庁の身分として作業をやる可能性はある」と、形式さえ文民になっていればいいだろうといわんばかりの、アリバイ工作を認める発言をしている。
これらの発言は明らかに地元住民との不測の事態に備えた自衛隊による威圧効果を念頭に置いたものである。場合によっては自衛隊による自国民への武力行使につながりかねない深刻な話だ。
このニュースを知って、すぐに私の頭に浮かんだのは、最近読んだ保阪正康著の「60年安保闘争の真実」(中央文庫)の次のくだりである。多くの犠牲者を出して強行採決された改定安保条約は、6月19日午前零時をもって自然成立するのであるが、その前から騒乱が起こっており、岸首相はおそれていた。そういう背景での歴史的エピソードである。
・・・午前零時が近づくと、岸は蒼白になってふるえだした。不安になったのか、しきりに自衛隊を出動させろと迫った。自衛隊の一部は市ヶ谷に待機していると報告されているが、もっと近くに置けないかと催促したりした。防衛庁長官の赤城宗徳が強硬に反対し、自衛隊出動は見送られた・・・赤城は「自衛隊を出動させることは国民の血を流すことです。同胞を撃つ事はできません」と断固はねつけた。そのうえで、「もしどうしても自衛隊を出動させるというなら、私を罷免してからにしなさい」と岸につめよったという。それで岸はあきらめたとされている・・・(もしあのとき)自衛隊が出動して鎮圧することになっていたら、それ以後の自衛隊は国民の共鳴、共感を受ける事なく、憎しみの対象として存在する事になったはずだ。同時に、日本に、自衛隊のような軍事組織が存続しえたか否か、疑問である。なぜなら自衛隊は首相の私兵であり、国民に銃を向ける組織である、との理解が根付いてしまったに違いないからだ。この点で、私は赤城防衛庁長官こそ戦後日本の危機を救った政治家だと思う・・・
当時の自民党には、このような発言を首相に正面切ってする政治家がいたと言う事を、今こそ我々は想起しなければならない。ひるがえって今の政治において、与野党の政治家を問わず、信念に基づく政治を行っている政治家はいるのか。政治家の発言が自己保身や自己宣伝のために大げさに走り、あるいはごまかしの官僚発言に堕している。これでは国民の心を揺さぶる事はできない。
おりしも今朝(5月12日)の朝日新聞につぎのような記事が出ていた。久間防衛相は11日のイラク特別委で、インド洋で米艦などに補給している海上自衛隊の活動を、「軍事的支援だ。(米国が)自衛権の行使として戦っている軍事行動に支援した」と述べた。これに対して民主党議員が、憲法が禁じる集団的自衛権の行使ではないか、と質したら、「『軍事的な』ではなく、英米軍などを支援する『軍事上の』支援という意味だ」と釈明した。
久間大臣はさきの米国批判発言の際も、自らの失言をあっさり認めた。国防と言う国の根幹にかかわる事項に責任を有す閣僚が、かくも軽い発言を国会で繰り返す。そしてそれを批判されると、あっさりと釈明する。しかもその釈明がかくもあいまいな官僚答弁である。こんな政治家が閣僚を務めているのである。あつかましさを少しばかり持ち合わせていれば誰でも閣僚は出来るということだ。赤城宗徳防衛庁長官の爪の垢でも煎じて飲んだほうがいい。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/05/12/#000375
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