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2007年05月05日
富田メモ研究委員会の最終報告
もうすぐ連休が終わる。そして再び政治が動き出す。後半国会で問いただす事は山積している。しかし開き直った自公政権の前に、非力で、結束の脆い野党は、なすすべなくひねられて終わるだろう。政治意識を少しでも持った国民であれば、あてにする政党を持てない欲求不満を募らせて当惑し、政治など関心も、いや意識すらない国民は、世の中の動きに気づかないまま漂流を続ける。政治家だけが自分たちの食い扶持をかけて参院選挙に狂奔する。
そんな政局が始まるまでメディアもしばし連休を楽しんでいるかのごとくだ。大したニュースもなかった連休だった。そんな中でやはり群を抜いて注目されたのは、日経新聞が5月1日、2日の両日にわたって連載した、富田メモ研究委員会の報告書である。
もう忘れ去られようとしているが、小泉元首相は昨年8月15日、中国、韓国はもとより、米国との外交まで破壊しようとして、独りよがりの靖国参拝を行った。その直前の昨年7月に、A級戦犯が靖国神社に合祀された事に対する昭和天皇の不快感を示した富田元宮内庁長官のメモが、日経新聞にスクープされた事は色々な意味で衝撃的であった。
「親の心子知らず 私はあれ以来参拝していない それが私のこころだ」という昭和天皇のお言葉が事実であるとすれば、我々はこれをどう受け止めればいいのか。ましてや靖国神社やこの国の指導者は昭和天皇のこころにどう応えるべきか。これは天皇制を尊重する者はもとより、天皇制を否定する者にとっても大きな問題であった。だからこそその時、誰もこの問題を真正面から議論することなく、このメモが何故今頃出てきたのか、そもそも富田メモなるものは本物なのか、などといった末節な議論に終始し、忘れ去ろうとした。
それから10ヶ月、日経新聞は6ヶ月かけて歴史学者ら専門家に検証をゆだねた結果を、「富田メモ研究委員会報告書」として公表した。御厨貴、秦郁彦、保阪正康、熊田淳美ら歴史、政治専門家からなる検討委員会が下した結論は、「富田メモの記述は詳細、正確であり、全体が昭和史の貴重な資料である事を確認」するものというものであった。それどころか、健康に不安を抱える中で、退任間近の富田長官に多くの事を語った天皇と、それを漏らさず聞き、記録しようとした富田長官の信頼関係、富田長官の緊張感、が横溢している第一級の資料であると確認したという。
特に靖国参拝に関する部分については、昭和天皇の「靖国神社へ行けない無念」や、「怒りにも似た不快感」を必死に記録したものであった。
これを一新聞の私的な検証結果にとどめてはなるまい。いみじくも委員の一人である秦郁彦元日本大学教授が紙面で書いているように、靖国神社に関するすべての疑問に答えるため、総代会の議事録や社務日誌などの関連資料をすべて公開する義務があるだろう。それが昭和天皇の大御心に答えることでもある。もはや史実にすべてを語らせる時である。
それにしても、と私は思う。小泉元首相は今後とも8月15日に必ず靖国参拝を行うのであろうな。あれほどこだわった参拝である。一議員、一私人になった今こそ、思う存分信念を押し通せるはずだ。そうしたところで誰も文句は言えないはずだ。人から注目されなくなったからといって参拝を止めるというのなら、文字通り食わせ者であったということだ。マスコミはこれを見届けて欲しい。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/05/05/#000366
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