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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007050302013405.html
2007年5月3日 朝刊
日本国憲法は3日、施行から60年を迎えた。これまで、一度も改正されることはなかったが、安倍晋三首相は任期中の憲法改正を目指すことを明言。施行60年にあたっても、改憲に強い意欲を示す異例の首相談話を発表した。憲法を改正する手続きを定める国民投票法案も今国会で成立する見通しとなっている。憲法改正の発議は3年後に可能になり、具体的な政治日程に組み込まれることになる。憲法改正最大の争点は戦争放棄をうたった9条。しかし、自民党は環境権やプライバシー権などを制定する改憲発議を優先し、9条の改正は、次の機会にする2段階改憲の検討に入った。
自民党は二日、国民投票法案が今月中旬に成立する見通しになったのを受け、まず民主、公明両党や国民の賛成を得やすい環境権やプライバシー権の新設などの賛否を問う国民投票を行い、焦点の九条は後回しにする二段階改憲の検討を始めた。
国民投票法案は、発議について「内容が関連する事項ごとに区分して行う」と規定。項目ごとに改憲の賛否を問う方式を導入した。一方、共同通信が四月中旬に実施した世論調査では「九条改正は必要なし」との回答が44・5%に上ったのに対し、「改正の必要あり」は26・0%にとどまった。
この発議の方式と世論の動向を踏まえて、自民党では「まず国民が入りやすい事項から発議して国民投票に慣れてもらうことを検討する必要がある」「各党が反対できない事項から改憲して、九条は最後だ」といった意見が出ている。
自民党は、七月の参院選後の臨時国会で衆参両院に新設される憲法審査会を舞台に、改正原案の骨子を作成する方針だ。
憲法審査会は法律が施行されるまで三年間、調査に専念すると規定されているが、自民党は骨子なら策定可能と判断。衆院憲法調査会が二〇〇五年四月にまとめた最終報告書をベースに議論を進めたい意向だ。審査会は衆参両院に設置されるため、合同審査会で調整しながら議論を進める。
<解説>発議に向け着々と布石
自民党が二段階改憲方式の検討に入ったのは、国民投票法案の施行から三年後に改憲の発議が可能になれば、すぐに対応できる態勢を整える狙いがある。
国民投票法案が成立すれば、改憲の動きが加速するとの懸念に、公明党幹部は「少なくとも三年間は発議できない。すぐに改憲が実現するわけではなく、将来の話だ」と打ち消してきた。
しかし、自民党は「三年間ものんびりとしているつもりはない」(閣僚経験者)として、改憲原案の骨子など準備万端整えて、発議の解禁に備える方針だ。
自民党が、国民投票法案の成立を改憲への大きな前進と位置付けて、これを機に改憲への歩みを一層速めようとしているのは疑いない。
しかし、最近の世論調査では、民意は改憲の賛否で割れている。安倍首相が在任中の改憲に強い意欲を示している以外、自民党がなぜ改憲を急ぐのか、説得力ある説明は聞かれない。
国民投票法案自体にも、さまざまな問題点が指摘されている。与党は一度立ち止まって考えてみるべきではないか。 (政治部・渡辺隆治)
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