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(回答先: Re:すべてのマスコミ人は西山氏の話を聞け!日米軍事同盟の正体〜隠蔽体質 投稿者 これは大変だ 日時 2007 年 5 月 01 日 11:34:37)
http://www.janjan.jp/government/0704/0704274512/1.php
沖縄密約 厳しく政府批判〜外国特派員協会で西山さん 2007/04/27
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沖縄返還密約事件について語る西山太吉さん1:40分24秒 [Clipstream Video]
沖縄返還密約事件について語る西山太吉さん2:27分34秒 [Clipstream Video]
沖縄返還密約事件について語る西山太吉さん3:24分56秒 [Clipstream Video]
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東京・有楽町の日本外国特派員協会で4月26日(木)、沖縄密約事件の西山太吉さんが記者会見を行いました。
35年前、沖縄返還協定において米国が支払うべき原状回復費400万ドルを、日本側が肩代わりする密約を日米政府が結んでいたことをスクープした西山太吉さんは、国家機密を漏洩したとして、情報提供者の外務省女性事務官とともに有罪判決を受けました。00年と02年に公開された米国の公文書によって密約の存在が裏付けられたとして、西山さんは05年4月、謝罪等を求め、国を提訴しました。
2年間に及んだ裁判は原告敗訴の判決が出ました。東京地裁は被告(国)側の主張を全面的に認め、除斥期間が過ぎたことを理由に中身に入らず、密約の有無についても一切触れず、いわば門前払いをする形で原告の訴えを棄却しました。判決後の記者会見では時に目を潤ませながら、行政化した司法の在り方を厳しく批判していた西山さんですが、特派員協会の記者会見でも、沖縄密約の真実と、国民に嘘をつき続けている日本政府の姿勢を厳しく問い質しました。
西山さんは事件の概要について簡単に説明した後、政府のやった協定の偽造という犯罪行為が、検察によって追求されなかったことに対し「目の前に犯罪事実(密約を裏付ける電信文)とそれにまつわる容疑者がいるにもかかわらず、私を訴追し、(政府に対しては)一切捜査をしなかった」と述べ、その姿勢を厳しく批判しました。
なぜ西山さんは訴追され、肝心かなめの密約にまつわる政府の違法行為を検察は追及しなかったのか。西山さんは「この違法密約が立証されると大変なことになる。そのために検察と検察証人の外務省アメリカ局長の吉野文六氏は事前に打ち合わせを行い、法廷で偽証した。私が数えたところでは、吉野氏は1審で18回偽証をした。そうやって違法性を免れようとした」と述べ、事件が当時の(佐藤政権による)組織的な国家犯罪であることを明らかにしました。
西山さんは1審で無罪になりましたが、高裁と最高裁で有罪となりました。1審では取材の正当性が認められ、個人的問題は法律外との判断を裁判長は下したのですが、高裁で1審判決が覆され、最高裁がこれを支持したため、有罪が確定しました。
しかし、98年に柏木・ジューリック秘密文書、00年、02年には米国の公文書と、3回に渡るアメリカの公文書によって密約の全容が明らかになりました。西山さんによると、6500万ドルの米軍施設改装費を含め、400万ドルは氷山の一角であり、日本の対米支払い3億2000万ドルはすべて内訳のない密約金で構成されていること、さらに協定に書かれていない密約分2億ドルを含めると、総額6億ドル近い金が米国に支払われたことが判明したそうです。
それはアメリカが要求していた金額であり、これによってアメリカの目的は達成されたことになる、と西山さんは述べました。日韓交渉で韓国への賠償金が3億ドルであったことを考えると、その倍の金額がアメリカに支払われたことになります。問題なのは、このことが国民に説明されないまま、内訳を偽造されて支払われたことである、と西山さんは違法性を指摘しました。
「日本に沖縄が返ることは日本にとって大切なことであり、メリットはある」とした上で、アメリカと日本にとっての沖縄は違うと述べ、アメリカにとっての沖縄はアジア、太平洋、インド洋に至る全部をにらんだ沖縄であると指摘しました。「(日本の領土なのだから)本来なら日本はアメリカに一文も払う必要がない」との考えを示しながら、「金をとると同時に基地も完全に自由使用。その両方をアメリカは獲得した」と述べ、日本よりもむしろアメリカにとっての沖縄返還であり、それが沖縄密約の真実であったと結論づけました。
また、今日に至るまで密約の存在を否定し続けている日本政府に対しても、西山さんは厳しく批判しました。政府が密約はないと閣議決定した根拠は、吉野文六氏が密約を否定したからというものですが、北海道新聞の取材に対し、吉野氏は密約を認める発言をしました。次いで、朝日新聞の取材に対し、当時の河野外務大臣に口止めされて嘘をついたことも吉野氏は明らかにしています。
これらの吉野発言によって唯一の根拠が崩れたにもかかわらずいまも密約を否定し続けている日本政府に対し、西山さんは「嘘は120%証明されている」と述べ、論理的矛盾を指摘しました。その上で「それでも嘘をつき続けている。それがいまの日本の政治の現実。このような在り方は民主主義の土台を崩す」と述べ、嘘をつき続けている政府と、嘘を許容しているメディアと民衆の無関心を厳しく問い質しました。
「日米同盟は大事であるが、実態がどんどん変質していっている」と西山さんは指摘しました。米軍が基地を自由に使用し、基地の費用は全部日本が持つ。さらに、その対象が極東範囲でなくなってアジア太平洋から全世界になったこと。米軍の第1軍団の本部が座間に来ることで、その下に自衛隊が入る。日米軍事同盟の一体化が進んでいるとした上で「情報を国民に正しく伝達し、真実を国民に訴えて判断を求め、日米同盟にフィードバックする。日米同盟が大事であれば、そのようなやり方こそが本当の日米同盟である」と強調しました。
「真実を伝えないで嘘とごまかしの情報を、どんどん流して虚像を作って、日米同盟を守ろうとしても絶対ダメ。それをいまだに続けている。だから、私は裁判をやった。自分の個人的な名誉や勝つとか負けるといったことは大した問題ではない。このような民主主義の根幹を揺るがしているような政府に対して、裁判所を通じて常に私なりに問題点を発信していく。日本のジャーナリズムは一過性。すぐに消えてしまう」と述べ、これからも裁判を通して政府の嘘を厳しく問い質していくことを明らかにしました。
西山さんのお話のあと、参加者による質問がありました。
「なぜ自分で記事を書かないで、野党の国会議員に電子文を渡し、国会で質問してもらったのか」という質問に対し、西山さんは、理由は2つあると述べました。「1つは、情報源の秘匿の問題。それまでこの請求権の記事を私は書き続けてきた。ほかの新聞は一切書かない。毎日の西山だけだった。書けば、当然ニュースソースが特定される。
もう1つは、新聞に記事を書き、証拠の電信文を載せても政府は否定する。しかし、このままつぶすわけにはいかない。出さなければ違法秘密は永久に出てこない。書く書かない以前に新聞記者としての職業を完全に放棄したことになる。ギリギリの苦渋の選択」と、迷った末の苦渋の選択であったことを明らかにしました。
司法という枠組みの中で闘っている西山さんに敬意を表したい、としながら「新聞社は西山さんを最後まで守ったのか。それとも切ってしまったのか」という質問に対し、西山さんは、情報提供者の女性が有罪になった時点で、自ら辞める決断をしたことを明らかにしました。また、週刊誌などを中心に自らの取材の問題が喧伝されたことに対しては、「私を批判することは構わないが、法律的な問題で糾弾されることは何もない」と反論した上で、国家犯罪を告発した新聞記者を叩くことで、肝心の国家の違法秘密、政府の重大な犯罪に対する追及を一切やめた日本のジャーナリズムに対し、「ジャーナリズムの自殺」と断じました。
西山さんはまた、アメリカの機密文書によって膨大な秘密が明らかとなり、沖縄返還そのものが虚構であったことが立証されたと述べました。最近、読売新聞が(政府は)密約を認めたらどうかという社説を書いていることに対し、沖縄返還の代償として仕方がないというニュアンスであり、それが政府サイドから流される考えであることが分かるとした上で「そんな甘っちょろいものではない。代償にしてはあまりに大きく、深刻すぎる」と述べ、この問題は日本の根幹にかかわる重要な問題であるとの認識を示しました。
電子文入手経路についての質問に対し、西山さんは、「(外務省の)秘密のディテールについては知らなかった」と答えました。外務省高官から情報を得ていたので、西山さんはそのような電信文が存在することも知らなかったそうです。電信文のことは「彼女(女性事務官)に教えてもらった」と述べ、女性事務官がどのように手に入れたかという質問に対しては、「機密文書を省内で局長から事務次官などに持って行く時、彼女が運んでいたので、その時コピーしたのではないか」と語りました。
沖縄密約のほかに戦後の秘密は存在しないのか、という質問に対しては、岸内閣のときの新安保条約でひそかに核の持ち込みの密約があったことは「100%間違いない」と答えました。それは、岸の弟の佐藤栄作が「佐藤日記」で書いていることからも明らかであると述べ、2番目の(佐藤政権の)核持ち込みによって、体質のよく似た兄弟による「兄弟密約」が成し遂げられたとの認識を示しました。
読売新聞に載った中国の潜水艦の火災事故で、情報提供者の自衛官が処分されたことについて意見を求められると、西山さんは、公海上で起きた火災は秘密でも何でもない、と答えました。秘密には実質秘と形式秘があるが、問題はそれが違法であるかどうかということであり、違法秘密、法律に違反している秘密、国民にしゃべっていることと違うことをやっている時の秘密を我々がキャッチして伝える。その意味で「政府とジャーナリストは常に緊張関係にある」と述べました。
その上で、この問題の本質は米国によってもたらされた情報はどんな内容であっても漏らすなということであり、それは日米軍事一体化が進んでいることの証左である、と西山さんは指摘しました。政府のペースにはまらず、そこまで状況が進んでいることをジャーナリズムは伝えなければならない、と述べ、問題の本質を伝えることがジャーナリズムの使命であることを強調しました。
週刊文春に連載している西山さんをモデルにした「運命の人」という小説は、どこまで事実でどこまでフィクションかという質問に対し、西山さんは、「フィクションに満ちている」と答えました。この小説を書くにあたって山崎さんは西山さんに対し、開口一番「西山さんの人権は絶対に守る」と言ったそうです。その言葉を信じてOKを出したそうですが、山崎さんとは現在冷戦状態にあるそうです。
今もし機密情報を入手した時、記事にしてなおかつ情報源を守ることができるか、という質問に対しては、その問題以前に日本の特異な官僚機構について西山さんは言及しました。「日本の官僚機構は完全に閉鎖的であり、自分たちのふるいにかけて情報を出す。自分たちに都合の悪い情報は出さない」と述べ、日本の官僚機構は鉄壁であるとの認識を示しました。
また、外務省の事務次官は天皇であり、完全に統制されているため、官僚機構における内部告発は日本では存在しないと述べました。地方自治体などと違い、「国家中枢における内部の重大な違法秘密が表に出ることは絶対にない」と断じながら、「吉野文六が初めてやったが、外務省を辞めてから。日本の内部は閉鎖的な体質」と述べ、暴くのはメディアしかないことを強調しました。
メディアがきれいごどを並べ、紳士づらをして相手に調子を合わせ、手を合わせて拝んでも何も出て来ない、とした上で「絶対出ない内部違法秘密が出る場合は、若干イレギュラーが日本にはつきまとう」と述べました。「(自分の事件は)そのイレギュラーな要素に権力とメディアが一斉に飛びつき、政府の違法秘密は免罪された。それが日本の民主主義。それを裁判で問いかけている」と裁判に対する思いを伝えました。
また、情報統制が強化されている状況にあって、権力が情報を隠すということは、向こうにとって都合のいい情報を湯水のごとく出してくるということであり、これからますます情報操作が強まることを意味すると警鐘を鳴らしました。「日本の場合、民衆が政治にまったく無関心。沖縄の補選は重大な選挙だった。投票率47.8%。米軍再編など、これだけの問題を抱えているのに、47.8%しか投票に行かない。国民の無関心は政府に都合がいい。それを阻止するのはメディアしかいない」とメディアの役割の重要性を訴えました。
筆者の感想
西山さんは風邪を引いているということでしたが、大変元気そうでした。4月9日、1審の不当判決に対し、西山さんが控訴したという報道がありました。西山さんの長くて孤独な闘いはこれからも続きますが、これまでも西山さんが繰り返し述べているように、沖縄密約が現在の米軍再編の出発点であることを思う時、私たちは自分自身の問題としてこの問題を考え、西山さんの闘いを支えていかなければならない、との思いを強くしました。
(ひらのゆきこ)
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