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安倍訪米―無意味な解説記事より裏話から真実に迫れ【天木直人・日本の動きを伝えたい】4/29
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投稿者 天木ファン 日時 2007 年 4 月 29 日 10:59:32: 2nLReFHhGZ7P6
 

2007年04月29日

安倍訪米―無意味な解説記事より裏話から真実に迫れ

   安倍首相訪米の記事を読む時、私は解説や評価の記事を重視しない。それは書き手の意見であり感想に過ぎないからだ。そんなものを読んだところで勉強にはならない。かつてイラク戦争が始まった時に岡崎久彦外務省OBはあるセミナーの席で「昔は東大の教授(北岡伸一と田中明彦)がイラク戦争を支持することは正しいといえば、世間はそうかと納得したものだが・・・」と嘆いて見せた事があった。この発想こそ笑止千万なのだ。情報の共有がここまで進んだ今の世の中では、意見の正しさは発言者の権威ではなく中味で評価される時代になった。皆が対等に意見を言い合える時代になったのだ。権威にあぐらをかく時代は終わったのだ。重要な事は事実を出来るだけ多く知ることである。事実に基づいて各自が自分の意見を持ち、自分で他人の言動を批評的に読んだり聞いたりすればよい時代なのである。だから私は、自分が知らなかった関係者の発言や舞台裏の情報を探すようにして新聞を読む。それとても眉唾で読まなければならないが、それでも下手な解説記事よりは為になる。その観点から私が注目した安倍訪米がらみの最近の記事を紹介したい。
   4月25日の毎日新聞「首相初訪米 事前点検」には次のようなエピソードが書かれていた。
 ・・・慰安婦問題の強制性を「狭義」と「広義」に分け、軍による「狭義の強制性」を否定するという仕分けは、前掲の岡崎久彦外務省OB(元駐タイ大使)らが発案した仕分けであるという。こんな官僚的で複雑な説明が単純な米国人の頭に分かるはずはない。「何で(米国メディアは)理解してくれないんだ。おれは河野談話を継承するといっているではないか」と安倍首相の苛立ちは高じた。「迷路に入ってしまった」というのが官邸内の雰囲気だったという。的場順三官房副長官は「これ以上総理に謝らせるな」と叱責したらしい。しかし叱責された外務省には「この問題で議論しても勝ち目はない」と白けた空気が流れたという。前後してシーフアー米大使が塩崎官房長官に「このままだと大変な事になる」と指摘した。3月9日に首相執務室に安倍首相、麻生外相、塩崎官房長らが集まり、「沈静化を優先する」ことで政権の意思統一が図られた。4月3日にはブッシュ大統領に電話し釈明した。この電話については首相官邸と外務省は電話すべきかどうか迷ってもめたという。大統領から非難めいた言葉を浴びせられるのではないかと恐れたからだ。それが杞憂に終わって皆安堵したという。驚くべき腰砕け振りである。
   今度の訪米の重要な議題の一つは北朝鮮政策に関する日米の差の違いを修復する事であった。ありていに言えば米国の豹変について日本がどう文句を言うかであった。はしごをはずされた日本側の怒りは相当なものだったらしい。4月29日の日経新聞はこう書いている。1月のベルリン米朝協議で日本の頭越しに金融解除のシナリオを進めたヒル国務次官補に対し、「お前の顔は二度と見たくない」と日本の首席代表である佐々江外務省アジア大洋州局長が罵倒したという。佐々江の5年先輩で彼を良く知る私は、彼が米国にそこまで強く出たとは信じない。要するにそこまで外務省は米国に腹を立てていたということなのだろう。そこまで米国にコケにされたのであるから、安倍首相はブッシュ大統領に毅然として日本の立場を伝えるのが筋である。しかし4月29日の読売新聞はこう書いている・・・大統領は北朝鮮のテロ支援国家リスト解除では、首相が重視する拉致問題を「考慮に入れる」と述べた・・・(その)一方で、(安倍首相は)ライス国務長官やヒル次官補が主導する柔軟路線も、「ソフトというより賢い外交だ」と支持した・・・という。何だこれは!
  読売新聞はさらに続ける。「小泉政権から引き継いだイラク政策を維持しなければ、米国が北朝鮮(問題)で日本に配慮することはない」と首相同行筋が話したという。この同行筋とは外務官僚に違いない。「イラク戦争を支持しなければ北朝鮮のミサイルから守ってもらえない」と根拠無く言い募って対米追従に走った外務官僚は、それから4年たって今度は拉致問題を人質にとって米国のイラク戦争についていくしかないと言っているのだ。驚くべき対米追従ぶりだ。
 その北朝鮮問題に関し、ブッシュ大統領は一時間半の首脳会談の中で「長い時間」をさいてくれたと日本側は喜ぶ。そして「日本政府への変わらぬ支持を確約したい」と言ってくれたと喜ぶ。首相同行筋は「百点満点」とまで言って喜びを隠さなかったという。米国の真意がまったくわかっていない。29日の朝日新聞は6者協議の初代米政府代表を務めたケリー前国務次官補の次のような言葉を紹介している。「・・・拉致問題で日本の政治家が厳しい決断を迫られる時期が来るかもしれない」。要するにケリーは、日本は最後は米国の対北朝鮮政策に従わざるをえなくなるという事を言っているのである。
 笑ってしまったのは安倍首相がブッシュ大統領にゴルフを持ちかけて断られたエピソードである。4月28日の朝日新聞はこう書いている。・・・「一緒にゴルフをやりませんか」。訪米前、米側にそんな打診があったという・・・その昔、祖父である岸首相とブッシュ大統領の祖父は、ワシントン郊外のゴルフ場で一緒にプレーしたことがある。祖父同士がプレーしたゴルフ場で、一緒にクラブを握る。思い描いたのは、そんな光景だったに違いない。だがブッシュ大統領の返答は、こうだった。「自分はイラク戦争が続いている間はゴルフをしないと決めている」・・・そういえばブッシュ大統領は日米首脳会談後の記者会見で、イラク駐留米軍の撤退と引き換えにイラク戦費を認める補正予算案には「拒否権を行使する」と明言した。残りの人気が迫っているブッシュ大統領にとってはイラク戦争に勝利して大統領職を終える事がすべてである。その為には議会との対決も辞さない。時間はどんどん限られてきている。支持率はどんどん低下してきている。ブッシュ大統領は神がかりになって自分を追い込んでいる。そんなブッシュ大統領にとって日米首相会談など頭の中にはないのである。そんなブッシュ大統領との友好・信頼関係を構築しようとすることが無意味なのである。そんなブッシュ大統領に気に入られようと全ての政策で譲歩する事は国益に反する事になるのである。
  

http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/29/#000357

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