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石油を使った米国の錬金術
ますます賢くなる日本の個人投資家
4月14日、私の研究所の主催で「謝恩セミナー」を東京にて開催した。このコラムの読者の方々も多数ご来場された。次回は5月20日、無料セミナーを福岡にて開催する予定だ。
こうしたセミナーを何度も開催している内に気づいたことがある。それは、日本の個人投資家が着実に賢くなり、騙されにくくなっているということだ。
講師として演壇に立っていると、そのことが肌感覚で実によくわかる。今回の東京セミナーでも、私の説明の後に次々と鋭い質問が飛んできた。「環境ビジネスがマーケットに与える影響は?」「三角合併を控えた為替レートの見通しは?」「北朝鮮による偽米ドル騒ぎの真相は?」など、いずれも専門的で、かつマーケットの「今」を知るためには欠かすことのできない論点ばかりである。
騙されなくなった日本の個人投資家が増えれば増えるほど、日本という国自体も賢く、そして豊かになっていく。それが目的で言論活動を繰り広げている私としては、嬉しい限りだ。
石油をめぐる不可解な報道
賢くなった個人投資家であれば誰でも気づくことの1つに、「米国によるマーケットでの仕掛け」がある。石油価格の決め方がその典型だ。私たちはよく、「中近東で戦争になりそうだから、石油価格が上がる」と思ってしまう。だが、石油価格のベースとなっているのは、WTIと呼ばれる米国南部で採掘される原油の先物価格にすぎない。したがって、米国勢の胸先三寸でその価格は決まり、それが世界中のマーケットに反映されていく。米国はイラクに戦争を仕掛けて、地政学リスクを煽る。他方で米国勢はNY市場で取引されるWTIを同時に買い上げていく。何も知らない外国人たちは「戦争になったら石油が買えなくなる」とばかりに買い注文を入れる。―――文字どおりの「出来レース」ではないか。
これが石油を使った米国の錬金術だ。これに最近、水を差すような報道が欧州で乱れ飛んだ。米国産原油が価格形成上の影響力を失うと、4月12日付『フィナンシャル・タイムズ』(ドイツ版)が報じた。これによると、昨年の夏までラリーとなった原油価格の高騰について、マーケット関係者の中では米国勢によるWTI価格の上げ工作に対する疑念が高まっているのだという。仮にこうした動きが高まってくれば、米国の秘かな錬金術はもはや有効ではなくなり、ブッシュ共和党政権を支える石油関連企業は大幅な収益減に悩むことになるはずだ。
この背景には、北海からとれる石油(北海ブレント)を世界市場の中心に据えたい欧州勢の強い意思がある。ここにもまたマーケットにおける欧米戦争が見え隠れするのである。
マーケットの欧米戦争が時代を変える
ところが、マーケットでのこうした欧米戦争について、日本の大手メディアが語ることはほとんどない。したがって日本人の多くはいまだに、米国の原油を使った錬金術の実態を知らず、ましてやそれにチャレンジする欧州勢の姿に気付いてはいないのだ。
しかし、世界中のメディアに報道を追う中でマネーが織りなす「潮目」を読み解いていくメールマガジン「元外交官・原田武夫の『世界の潮目』を知る」や原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログでも常々説明してきたとおり、米国と欧州というマーケットの2大勢力が衝突すれば、巨大な「潮目」が生じることは間違いない。とりわけ、その他の「錬金術」「仕掛け」も守ろうとする米国はますます必死になるはずで、マネーをマネーで洗う争奪戦になってくるはずであろう。
そこに、日本の個人投資家が食い込む隙があり、また国としての日本が生き残るための隙がある。日本人が諦めるのはまだ早いのだ。賢くなった日本の個人投資家は「漁夫の利」を得るための差し手を見失ってはならない。
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