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2007/04/23
候補者が死亡した選挙 [ パワーポリティックス非公式情報 ]
長崎市長選の最中の4月17日、投票日の5日前に伊藤一長市長が射殺された。動機は不明だが、背後から至近距離で発砲していることを考えると、明確な殺意があったと言えるだろう。14日に市長を「告発」する文書をテレビ朝日に郵送したというが、犯行を予告する内容ではなかったとされている。「告発」は人々をミスリードして真の動機を部外者から隠す目的だった可能性もあるわけで、動機について現段階で決めてかかるわけにはいかない。
今回の選挙では、期日前投票で「伊藤一長」と書かれた投票が無効になることに対して不満の声があがったという。投票日に投票できないから期日前に一票を投じたのであろうから、「再投票」が認められても投票所へ足を運ぶことが難しい人も少なくないはずで、一票を無駄にしないためには、故人への投票も有効とするのも一法だ。
「そんなバカな」と思う人もいるかもしれないが、アメリカの上院議員選挙では実際にそうした事例がある。2000年11月には大統領選挙と同時に議員を選出する選挙も実施されたのだが、ミズーリ州で民主党の上院議員候補だったメル・カーナハンが投票日の3週間前に飛行機事故で死亡してしまった。その時に共和党側の候補だった人物がジョン・アシュクロフト。
その当時、選挙民は勿論、カーナハンが飛行機事故で死んだことは知っていた。にもかかわらず、選挙で勝利したのは同州の知事を務めていたカーナハン。キリスト教原理主義の信者で、国際法やアメリカ憲法を「超越」した法解釈をする法律家集団「フェデラレスト・ソサエティー」と関係の深いアシュクロフトは、死者に負けてしまったわけである。この時は知事のロジャー・ウィルソンがメルの妻、ジーンを上院議員に指名、選挙で負けたアシュクロフトをジョージ・W・ブッシュ大統領は司法長官に選んでいる。
カーナハン以外にも、アメリカでは政治家が選挙前に「事故死」するがあった。2000年の大統領選挙では共和党がブッシュ、民主党がアル・ゴアを候補に立てると見られていたが、一般の人気はこのふたりよりもジョン・F・ケネディ・ジュニア、つまり1963年11月にテキサス州ダラスで暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の息子が上回っていた。本人は大統領選挙に出馬する意志はないとしていたようだが、それでも支持率はブッシュやゴアを上回っていて、二大政党以外から始めて大統領が誕生するのではないかと噂されるほどだった。
ところが、こうした選挙民の「期待」を打ち砕く出来事が1999年7月に起こる。1999年7月にケネディ・ジュニアは飛行機事故で死亡してしまうのだ。2002年の中間選挙ではミネソタ州選出の上院議員で、政治信条は「ラディカル」だったポール・ウェルストンがやはり飛行機事故で死んでいる。当選していれば、イラク侵攻作戦に反対していたと推測されている政治家だ。ミズーリ州では1976年にも民主党の上院議員候補、ジェリー・リットンが飛行機事故で死亡している。この時の対立候補はジョン・ダンフォースだ。
1932年の大統領選挙で当選した「ニューディーラー」のフランクリン・ルーズベルトは大統領就任式の前月、1933年2月に銃撃されている。自動車でパレード中に撃たれ、隣に座っていたシカゴ市長のアントン・サーマックが犠牲になっている。ルーズベルトが大統領に就任した直後から「新自由主義」と基本的に同じ考え方をするウォール街の大物がファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画していたとスメドレー・バトラー少将が議会で証言している。
選挙の際に候補者が死亡するのは「発展途上国」だけの話ではない。候補者が死亡したら自動的に候補者リストから削除されるのは問題が大きい。死者が当選したら、当選後に死亡したのと同じように対処すればいい、そんな気がする。
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