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http://www.magazine9.jp/kikuya/070418/070418.php
忙しい宣伝旅行という感じの、中国の温家宝首相来日であった。あれだけ多くの政界、財界人と立て続けに会って日中の雪解けを強調したが、要人の来日というのは、ほとんどスケジュールも決まっていて、首脳同士の会談の後に発表される共同声明というやつも、実はあらかじめ会う前から決まっている、ということがこれぐらいバレバレだった来日も珍しいのではないか。来日前から「共同宣言の内容判明!」だなどとスクープするメディアもメディアだが、漏らしてしまう外務省も相当なアホである。来日前に共同宣言の一言一句が決められているんなら、わざわざ来なくてもよかろうに。
天皇との会談で「北京オリンピックの開会式にいらっしゃい」と誘った後で、「そんなもん聞いてないヨ!」と外務省が口を尖らす一幕も。首脳にゾロゾロとくっついて歩く役人というのが、ほとんどの場合、警備役のほかは不意に出た発言の火消し役なのだと知れる。生身の人間が会うと、ボロリと洩れ出る意外な発言が面白い。
−質問−
その温家宝首相が殺人的なスケジュールの合い間に、
中国側からのたっての申し入れとやらで実現したのが、
4月12日、創価学会名誉会長との会談。
その冒頭で飛び出した池田名誉会長の発言は
次の3つのうち、どれ?
* 1.光栄です。うれしいです。政治家でなくて、庶民と会ってください、庶民は大事です。
* 2.光栄です。うれしいです。政治家でなくて、庶民のリーダーと会ってください。庶民は大事です。
* 3.光栄です。うれしいです。政治家でなくて、庶民の王者と会ってください。庶民は大事です。
池田大作名誉会長が、創価学会員用のテレビカメラを除いて、国内一般メディアのカメラの前に顔を見せるのはごく希であろう。著書数知れず、学会専門誌には下膨れのデカイ顔写真が載っているから会員間では雲の上の存在ではあろうが、一般の日本人からは池田大作の動く姿というのは、違和感もあろう。ストロボ放列の中、にこやかに抱き合い、握手する温家宝と池田大作の姿を見ても、「だれだよ、このジイサン?」「どっかの財界のヒトじゃないの?」というあたりが普通の感想ではないか?
居並ぶ公明党、創価学会幹部のピリピリした雰囲気で、いかにこのジイサマが(内部的に)他を圧する存在か想像できる。そんな冒頭に、両手を広げて温家宝に言ったこと。「首脳として政治家ばかりに会わないで、まずは庶民と会ってください。庶民こそが国の本当の姿です」とでも言いたかったのだろう。
正解は3番(12日夜、各局テレビニュースやasahi.comより)。
庶民と会ってください、にとどめておけばよかったものを、百歩譲って、政治家ばかりではなく庶民のリーダーと会ってください。であればいざ知らず、庶民の「王者」と会ってください、と言い放ったもんだ。「政治家以外の庶民の王者」とは、無論、何者も口をさしはさむ余地無く、「池田大作」本人のことでなくて何だ。日中交流に功績があると自負する民間人の「王者」と自分で言ってしまって、なんの照れも躊躇もないジイサマ。
中国シルクロード、敦煌の石窟のひじょうによく管理された入り口に、この窟の保全に莫大な力を発揮した人物のデカイ肖像画がある。平山郁夫と並んで、池田大作の肖像画がドデンと据えられていたことを思い出す。彼は名誉博士号や勲章を集めるのを人生最大の誉れと思っているのではなかろうか。(会員から吸い寄せた莫大な浄財を湯水のごとくに使って)日中の橋渡しをしたという自画自賛の証拠があのでっぷりした肖像画と、自分で自分を「庶民の王者」と発言する神経ではないか? わたくしは気色が悪い。
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文中では「中国側からのたっての申し入れ」としているが、公明党が強硬な会談要請を自民党に突きつけた、というのが真相と思われます。
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