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□改憲論者・前原誠司氏が国民投票法案採決日に"敵前逃亡" [文芸春秋]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070419-01-0701.html
2007年4月19日
改憲論者・前原誠司氏が国民投票法案採決日に"敵前逃亡"
ちょうど一年前、「偽メール事件」で、攻めたつもりの与党から手厳しい反撃を食らい、逆に野党トップの座を追われた前原誠司・民主党前代表が、またしても「敵前逃亡」を余儀なくされた。といっても、今回の「敵」は与党ではなく、自分の後任である小沢一郎・民主党代表だ。
民主党切っての「タカ派」である前原氏は、確信的な憲法九条改正論者。当然、憲法改正手続きを定める国民投票法案の熱心な推進者でもある。ところが、大事な法案の衆院本会議採決の十三日、国会に前原氏の姿はなかった。実は前夜、密かにオーストラリアへ旅立っていたからだ。
改憲の発議に必要な「総議員の三分の二以上」という要件を手続き段階から満たすため、自民、公明、民主三党は昨年から共同修正を話し合ってきた。民主党の交渉責任者は、前原氏の日本新党以来の盟友である枝野幸男・党憲法調査会長。前原氏が応援していたのは言うまでもない。
ところが、年明けに安倍晋三首相が「改憲を参院選の争点にする」と言い出し、小沢氏が「売られた喧嘩は買うしかない」という態度に出たため、与党と民主党はそれぞれ別々の修正案をぶつけ合う対決の構図に。「反対だけでなく、対案・修正案を出して、大切な法案には賛成すべきだ」という前原氏のすがすがしい(?)主張は通らず、枝野氏は修正協議を断念した。
選挙を優先する大人の小沢手法に、若手の「学級会民主主義」がねじ伏せられた格好。しかし、不満はあってもぶつける術を知らない。民主党の全議員会合でも異論を唱えられず沈黙した。翌朝、都内のホテルに集まった前原グループの勉強会では、小沢批判や与党案への賛成論が続出したが、逆に講師のジャーナリストから「仲間内で文句ばかり言っていてもダメ」とたしなめられたという。
政治信条に従えば与党案に賛成したいが、小沢氏に「造反」したら後が怖い。でも、本会議でおめおめと不本意な採決に参加したら、若手グループのリーダーとして格好がつかない。結局、前原氏は大した用件もない国外脱出の道を選んだ。
「無言の抵抗」だが、早い話が逃げ出したのと同じ。それでいてホームページに「小沢さんには命を賭けて、戦う姿勢を見せてもらいたい」と、自らの行動を棚に上げて、こんな言葉も。勘違いは相当に重症だ。
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