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2007年04月18日
イラク情勢の混乱に「貢献」する日本外交
イラクを破壊してしまったのは勿論米国のイラク攻撃である。その米国が今度はその占領政策の失敗によってイラクの再建を妨げ、イラクを内戦状況に突き落としてしまった。
米国が撤退の前提としていた「選挙によるイラク政権」が成立して久しい。それにもかかわらず米国は撤退しようとしない。そしてその米軍の撤退を巡ってイラク政権の亀裂が深まる一方である。米国占領軍の撤退こそ全てに優先するという超宗派の大規模デモが起きる一方で、「治安回復が撤退の前提だ」として増派と掃討作戦を強行するブッシュ大統領の間で、マリキ政権はもはや完全に統治能力を失っている。
そんな中でイラク政権内部のさらなる対立が表面化した。シーア派の対米強硬派指導者サドル師派の閣僚6人全員が辞任するというニュースが4月15日、世界を駆け巡ったのだ。
その原因がマリキ首相の訪日中の発言だったとしたらどうだろう。4月16日の日経新聞(夕刊)はそう報じているのだ。「マリキ首相が先の訪日時に、米軍の駐留期限を設ける必要は無いと発言した事に反発、政権をゆさぶる狙いがある・・・サドル師は一貫して米軍のイラクからの撤退を求めている。昨年11月マリキ首相がブッシュ大統領と会談した際にも閣僚らの職務を停止してマリキ政権に抗議した・・・」という記事がそれだ。
あらためてマリキ首相訪日を報じる当時の新聞を読み直してみた。4月10日に行われた日本記者クラブの会見では、「(イラク駐留米軍について)現段階では撤退日程を設定する必要は無い」と述べたと報じられている。この発言を日本の新聞は「増派による治安回復を目指す米政権の方針を擁護した」と勝手に解釈して書いている。その一方でマリキ首相は「自分たちの治安部隊ができつつあり、できるだけはやく多国籍軍が不要になるところまでもっていきたい」とも述べたという(いずれも4月10日朝日新聞)。本音では米軍撤退を望んでいる事は明らかだ。
私は4月2日のブログで、やはり日本に招待されて訪日したイラクのハシミ副大統領の「米軍撤退」に関する発言の迷走と、その裏にある日本政府の工作疑惑について書いた。
立て続けにイラク要人を招聘する外務省の魂胆は、イラクへの自衛隊派遣の正当性を国民の前でアピールすると共に、イラク特措法延長や米軍再編協力特措法成立を狙う安倍政権を支援する目的があることは明白である。その芝居をさせる為に招待したイラク要人が、日本国内で「米軍撤退」のを発言されては困るのである。
しかしそんな外務官僚や安倍政権の「私益」、「私欲」のための国内向け偽装外交が、イラクの混乱にさらに拍車をかけているとすればどうか。イラク人同士の殺し合いにつながっているとしたらどうか。日本の中東外交は、平和に貢献するどころか、もはや中東和平の敵となっているのかもしれない。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/18/#000345
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