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□五輪会場は、「神宮」?! [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070416-01-0101.html
2007年4月16日
五輪会場は、「神宮」?!
2016年オリンピックは東京へ。昨夏JOCが国内候補地を決めたとき、
メーンスタジアムは晴海のはずだった。ところが都知事選のあいだに……。
東京都知事選の争点の一つは、五輪招致の是非、だった。ところが現職優勢が伝えられた選挙戦終盤、都政や競技関係者の関心は、「是非」から「メーンスタジアムはどこに」へと移っていった。
複数の関係者が断定調で言う。
「知事選後、『メーンは神宮』で調整が本格化しますよ」
競技会場の配置は最終的には日本オリンピック委員会(JOC)や国などとの話し合いで決まるとはいえ、東京都が昨夏、JOCの国内選考で選ばれた時点で、メーンスタジアムは晴海で「決着」したかに見えた。
国立は二ついらない
グランドデザインは建築家の安藤忠雄氏。スタンドの屋根に芝生を敷き詰めた古墳のようなスタイルに、「東京湾の方向から眺めると、水の中に森が浮いているようにみえる。世界に例がない」と石原慎太郎知事が胸を張った。都の将来像『10年後の東京』にも、晴海にメーンスタジアムとある。それがなぜ、「神宮」なのか。
都関係者が謎解きする。
「当初、メーン会場は神宮だったんですよ。ところが、塩漬けの埋め立て地が広がる臨海部へと変わってしまった。一番驚いたのは森さんでしょうね。神宮を念頭に招致を持ちかけたんですから」
森氏とは日本体育協会会長の森喜朗元首相。「国立競技場の建てかえは私の使命」と語り、神宮再開発に熱心なことで知られる。
都が国内候補地に選ばれた後、森氏はスポーツ議員連盟の会合で、文部科学省幹部を相手にこう念押ししたという。
「都内に国立競技場は二つもいらないわな。そうだな」
やりとりは、すぐに都側へ伝えられた。ただし、五輪招致が争点の都知事選を前に、内輪もめもできない。そこで、政治的には小康状態が続いていたらしい。
だが、三方が海の晴海は、観客の避難路確保に難があるとの思いがJOC側に根強いうえ、競技団体から「晴海」に疑問の声が噴出。「神宮回帰」を求める意見が選挙とは無関係に勢いを増していった。
国側の窓口、文科省も遠回しながら、晴海に消極的だ。
「東京に国立を二つは難しい。都が建設費の全額をだして、都立で五輪後も維持するなら、口は出さないが……」
メーンスタジアムなどの施設整備費は4956億円。それなのに、都は、スタジアムは国の全額負担とするなど、都費は453億円しか計上していない。
別の文科省関係者はさらに踏みこんでこんなことを言った。
「耐震工事など、喫緊の課題もある。国立の全面改修こそ、文科省の悲願なんですよ」
優先順位は現在の国立。そして、国立は二ついらない――。おのずと、国の腹はみえてくる。
現実味を帯びて語られ始めた神宮のメーン会場化。最近になってJOC幹部の「メーン会場は白紙で検討」といったコメントが報じられるに至って、いったんはしぼんだ神宮再開発の動きが、再び活気を取り戻しつつあるようだ。
今秋、立候補を申請
神宮案を提言している造園の業界団体「ランドスケープコンサルタンツ協会」は近くシンポジウムを予定。明治神宮や日本ラグビー協会といった地権者、競技場使用団体なども、神宮球場、秩父宮ラグビー場の現地建てかえを含めた神宮再開発を検討しはじめた。
街づくりに取り組んでいる「渋谷・青山景観整備機構」も4月、地域の将来像をまとめた報告書の中に外苑五輪構想を盛り込んだ。
理事長の井口典夫青山学院大教授は、「五輪を前提にしたのではなく、まず、街本来のあり方を考える中で、もし五輪が来るならこういう街だね、と構想をまとめた」としたうえで、続けた。
「臨海に急ごしらえの会場を造っても、候補地選定で評価されない可能性がある。自然な街並みの中で、既にある施設をリニューアルしていく。それが東京の評価にもつながるんじゃないでしょうか」
国際オリンピック委員会への立候補申請は今秋。来年には5都市程度に絞られ、最終的には09年、開催地が決まる。
「夢をみよう」と石原知事が打ち上げた五輪招致計画。最初にぶちあたる「現実」は、ほかでもない、メーン会場の「選び直し」なのかもしれない。
編集部 藤生 明
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