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2007年04月16日
これがこの国の「優秀」な官僚の姿である
最近見つけた二つの新聞記事にこの国の「優秀」な官僚像を見た。勿論「優秀」とは皮肉を込めて言っているのだ。みずからの立身、栄達と、所属省庁の権限を守る。そこには国民の利益などいささかも念頭にはない。この厚顔な神経を持ちうる者こそ「優秀」な官僚なのだ。
4月15日の日経新聞に、安倍政権が執着する集団的自衛権に関する研究をめぐって防衛庁が排除されようとしているという記事があった。近く設置される有識者会議の人選については、内定しているメンバーとして、座長を務める柳井俊二前駐米大使を筆頭に、岡崎久彦元駐タイ大使、北岡伸一東大教授(元国連代表大使)ら外務省関係者が多い。そもそも人選を含め有識者会議の設置について防衛省は「蚊帳の外」に置かれていたというのだ。その背景には集団的自衛権行使の解禁に前向きな安倍首相と集団的自衛権行使を解禁して米国に取り入ろうとする対米従属一辺倒の外務省の利害が一致したのだ。
集団的自衛権行使が解禁されると真っ先に自衛隊が犠牲になる。自衛官の生死に直接責任を有する防衛省は慎重にならざるを得ない。安全保障政策で押されっぱなしの外務省がその防衛省の弱みににつけ込んで安保政策の主導権を取り戻す巻き返し作戦を始めたのだ。安倍首相に気に入られているとされる谷内事務次官の狡猾な采配である。
一方、4月14日の日経新聞「大機小機」には「安倍晋三首相と2人の高級官僚」と題する次のような囲い記事があった。すなわち慰安婦問題で訪米の成功が危うくなりかかった安倍首相を二人のトップ官僚が救ったという記事である。外務省の谷内正太郎事務次官はブッシュ大統領と安倍首相の電話会談をセットし、安部首相に河野談話の継承をしますと言わせてブッシュ大統領から「首相を信じている」という理解を引き出すことに成功した。取りあえず事態の沈静化を図ったのだ。安倍首相の訪中をお膳立てして取りあえず見せかけの日中友好を演出した時と同じ手口だ。
他方安倍首相の売りは拉致問題である。慰安婦発言で窮地に陥った安倍首相を救う為に警察庁の漆間巌長官は73年に失踪した主婦と二人の子供の拉致失踪者疑惑を、今頃になって突然マスコミに発表した。世論の注目を再び「拉致問題」に惹きつけて北朝鮮との対決姿勢を演出したのだ。日経新聞は次のように書いている。「・・・歴代首相に比べ霞ヶ関の官僚とは距離を置く首相だが、例外的に谷内、漆間両氏は首相の信任が厚いことで知られている。二人の高官が首相の窮地をとりあえず救った・・・」これで二人の官僚の栄転も保証されたということだ。国民にとっては実にくだらない話である。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/16/#000341
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