★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK33 > 461.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
都知事選政見放送ネット投稿 公選法の問題点浮き彫り
2007年4月15日 08時55分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041590085523.html
先の東京都知事選で、放送時間や放送回数が制限されている立候補者の政見放送の一部が、インターネットの投稿動画サイトで見放題になる状況が発生した。都選管は削除要請をするなど対応に追われたが、今回の事態は、現行公選法の問題点を浮き彫りにするとともに、政見放送の在り方にも一石を投じたといえそうだ。
「こんな国はもう滅ぼせ!」「私が当選したら奴(やつ)らはビビる。私もビビる」。都知事選に立候補(落選)したストリートミュージシャン・外山恒一氏の政見放送。「どうせ選挙じゃ何も変わらないんだよー!」と絶叫して終わる。頭をそり上げた風ぼうに独特の語り口、過激な内容が注目を集め、ネットの動画サイトに投稿されるや一気に広まった。政見放送そのままのほか、音楽を入れたり、画像を編集した改変版も次々にアップされた。
政見放送は、公選法や「政見放送及び経歴放送実施規程」で、放送時間や放送回数などが細かく定められている。都知事選の場合、候補者一人につき1回5分30秒以内、テレビ・ラジオを通じて8回。だが、ネットでは、いつでも何回でも見られる状況になった。
都選挙管理委員会は、「公平性を欠く」として、サイト運営者に削除を要請。国内最大級の投稿動画サイト「アメーバビジョン」を運営するサイバーエージェント(東京都渋谷区)は、動画28件を削除するとともに、利用者に注意を促すお知らせを掲載した。
これに対し、利用者からは「決められた回数を放送することが、公正とは思えない」「公選法が時代遅れ。立法府の怠慢だ」など、公選法に批判的なコメントも。主要候補しか取り上げないマスコミ報道を問題視する意見や「単におもしろがっているだけ」といった声も寄せられた。
◇
開票日の8日夜、JR高円寺駅前の広場にテレビを持ち込んで、開票を見守った外山氏。「政見放送でも言っているように選挙なんて意味がない」と前置きした上で、こう指摘する。「意味があるようにするなら、興味がある人がいつでも政見放送を見られるようにするべきですよ」
都知事選でのテレビの政見放送は、NHK(午前6時からと午後11時からの2回)とテレビ朝日(3回とも午前4時半から)が放送。有権者の重要な判断材料にもかかわらず、いずれも早朝と深夜だった。
政見放送の実施規定は、局側に「なるべく効果的に行われるように放送時間帯の決定について配慮しなければならない」としているが、局側は、どのように放送時間帯を決めているのか。
テレ朝は「選管からの申し入れを受けて総合的に編成している」(広報部)と説明。NHKも「視聴者の幅広い意見を考慮して総合的に判断している」(広報局)とするだけ。定時放送の変更に対する視聴者の反応や、候補者が多い場合の時間枠確保など編成上の問題があるとみられる。
◇
一方、今回の統一地方選では、新宿区議選や三鷹市長選で、独自に収録した“政見放送”をネット配信する動きも。ネットテレビ局「新宿放送局」は、新宿区議選立候補予定者の政見を今月2日から告示前日の14日まで放送。配信前1日1500−2千件だったホームページ(HP)閲覧数は、6500−7千件に増加。立候補予定者から「有権者の反響が大きい」といった声も届いたという。
有権者により多くの候補者情報を提供するという意味では、政見放送のネット配信は有効。ただ、改ざんやひぼう中傷、なりすまし対策をどうするかといった課題も多い。現行公選法では、衆院選の無所属候補は政見放送ができないという不平等も存在する。
小林良彰・慶応大法学部教授(政治学)は「現行の公選法が想定していないことが実際に起きている。インターネットはボーダーレスで、海外サイトの問題もある。時代に合った法整備を急いだ方がいい」と指摘する。
米投稿動画サイト「YouTube」では外山氏の政見放送は、まだ削除されておらず、閲覧数が30万件を超えたものもある。
(東京新聞・近藤晶)
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK33掲示板
フォローアップ: