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個人投資家の損で穴埋めされる米国の貿易赤字
やはり「出来レース」だったイラン問題
イラン・イラクの国境線近くの洋上で英国海軍の兵士15名がイランによって拘束され、いきなりイラン情勢が緊迫した。「すわ戦争か!?」と騒ぎ立てるメディアが大合唱する中、NYで原油先物が急騰。すでにペルシャ湾には米国の巨大な艦隊が展開していただけに「イラン空爆は間近か?」といった報道が日本では乱れ飛んだ。
しかし、蓋を開けてみれば、まさに「大山鳴動して、ネズミ1匹」。同胞の兵士、しかも1名の女性兵士を拘束されて、本来であれば焦るべき英国政府は「外交努力」を盛んに行い、ついには3日、イラン政府高官が英国との「直接交渉開始」を認める始末。これですっかり肩すかしをくらったマーケットでは原油価格が下落する代わりに、米国、日本ともに株価が急上昇したことは記憶に新しい。要するに「イラン問題」は米英勢が世界に仕掛けた壮大な作戦だったというわけだ。
このコラムの2月26日号では、「米国のイラン空爆計画」なる英国発の報道が陽動作戦であり、個人投資家は騙されてはイケナイとお勧めした。手前味噌ではあるが、まさにそこで描いたとおりの展開となったわけで、熱心な読者の方々にとっては「想定内」だったのではないだろうか。
有頂天になるヨーロッパとクールな米国
今回のイランの出来事が端的に示すとおり、英米系を中心とする資本勢、それと結託している英米政府が企てる「仕掛け」は壮大だ。そして、その壮大さに個人投資家は圧倒され、そのシナリオに飲み込まれ、騙されてしまうのが常だろう。世界中のメディアに報道を追う中でマネーが織りなす「潮目」を読み解いていくメールマガジン『元外交官・原田武夫の「世界の潮目」を知る』や、原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログでもご紹介しているとおり、こうした壮大な仕掛けが持つ「魔力」から逃れるための方法は1つしかない。それは、世界中で暴れまわる英米系のファンドなど「越境する投資主体」たちの動きを、日本では報道されない各国の報道をしっかりとウォッチすることである。
その観点からみると、イラン情勢とともにもう1つ気になる「壮大な仕掛け」が、欧州マーケットの異常な高揚ぶりである。4月3日付のフィナンシャル・タイムズ(英国版)は、米国の株式市場が15兆6千万ドルであるのに対し、欧州全体の株式市場は15兆7千万ドルとなり、「第一次世界大戦以後に生じた米国のマーケットでの覇権がついに崩れ始め、欧州が返り咲いた」と大々的に報じている。まさに「米国の時代はもはや終わり」とでも言いたげな記事だ。
しかし、本当にそう言い切れるのか。−−−答えは「NO」だ。なぜなら、米国は国内では過剰な消費をし、「豊かさ」を享受する代わりに経常収支(貿易)赤字を拡大させる一方で、外国からの米国への資本流入を年々拡大することで、この赤字を相殺してきているからである。つまり、簡単にいえば、米国は各国の人々が汗水たらして貯めた貯金を金融マーケット経由で吸い上げ、それで繁栄を享受しているのだ。その良いカモになっているのが日本人であることはいうまでもない。
そして、この仕組みがある限り、米国の株式市場そのものが拡大する必要はないのである。ファンドや投資銀行といった「越境する投資主体」たちが、世界中から集金してくれればそれで問題ない。だからこそ、欧州マーケットの「繁栄」は、実は米国が巧みに欧州から集金していることの表れにすぎないのである。「第一次大戦前に戻った」と浮かれる欧州人は皆、ハメられているのだ。
金融マーケットを襲う「潮目」は近い
4月の東京での「謝恩セミナー」開催を皮切りに、5・6月に日本各地で行う予定である。その際、じっくりこの辺については語っていくつもりだが、こうした米国の「壮大な仕掛け」はすでに日本のマーケットで始まっていることに個人投資家たちも気づくべきだろう。そして、欧州の次には「トーキョー・マーケットの全盛時代」がうたわれ、かつてのバブル時代のように日本人たちはいい気になるに違いない。
しかし、その次にやってくるのは米国勢による「富の刈り取り」である。そのすさまじさは、日本に先立って「いい気」にさせられている欧州でほどなく起こるバブル崩壊から、必ずや推し量ることができるだろう。そこで生じる「潮目」に押し流されないためには、マーケットでなぜ米国が他を騙し続けなければならないのか、その理由を徹底して学ぶしか、個人投資家に残された道はないのである。
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