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2007/04/09
医療の未来予想図と病院再生ビジネスの胡散
医療の未来予想図
療養型病床の削減(35万床→15万床)の次にくる物は、急性期病床の再編と言われている。関係者の予測では、恐らく半分程度まで削減するだろうとのことである。現在9000近くある病院を3000まで減らす病院大淘汰時代(週間ダイアモンド20070407)を迎えている。
療養型病床の再編に伴い、家庭での老人介護負担により、大幅な世帯収入の減少が予想されると共に、家庭に戻れない高齢者は、大量の「医療難民」「介護難民」として棄民されることになる。
一方で、療養型病床を老健施設等へ転換させる資金力を持ち合わせない医療施設では、厚労省の梯子外しによって廃業や最悪の場合倒産の憂き目にあうことになる。(厚労省のアンケートでは老健施設への転換予定病床は8.5%とのこと )
では、急性期病床(一般病床)の削減によってもたらされるものは何か?この未来予想図は全く以て、想像が付かない。ただ、上記の療養型病床再編によってもたらされる社会的混乱以上の混乱と不幸が待っていることだけは予想が付く。
病院再生ビジネスの胡散
さて、昨今は、病院再生ビジネスというものが、取りざたされている。厚労省官僚や医学会医療界エリートの天下り団体である『日本医療機能評価機構』もその一つではあるけど、それは、ある意味まだかわいい物でコンサルティング詐欺の一形態でしかない。もっと大がかりのものがある。
医療法の改定によって、社会医療法人なるものが認められ(医政発第0330049号 平成19年3月30日「医療法人制度について」 )、僻地医療や救急医療を行うなど一定の要件があれば、社会医療法人として認められ、収益事業を行えるほか、有価証券である社会医療法人債を発行することが出来る。公益法人として、一定の縛りがあるため、投機対象としてみられないようであるが、はげたかファンドからすれば、そこには抜け穴がある。
自治体病院の多くが財政赤字を背負っている( 日本政策投資銀行地域政策研究センター客員研究員レポート、「自治体病院の民営化に関する一考察」 http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/local/vol_20_all.pdf )といわれるが、そもそも政策医療としてあるわけだから、赤字は当然である。この自治体病院により食われるところの福祉費用(国、地方公共団体からの負担金、補助金)は、年間6千億円であるとされる。自治体病院の公的負担を減らすために登場したのが、改正医療法で誕生した社会医療法人であろう。
財政赤字は自治体病院だけではない、2006年の調査では、民間病院の50%自治体病院以外の公的病院の60%が、赤字病院となっている。銀行の不良債権処理に一役買った、企業再生ファンドのノウハウをもって、医療崩壊の混乱のさなかにある、これらの経営不振病院を新たにターゲットとする『病院再生ファンド』なるものがある。その本質は、もちろん買収合併 M&A といった売り抜けビジネスである。試しに『病院再生ビジネス』でググッて見ると、一目瞭然である。○○アセットだの○○キャピタルだのが競って投資家対象のセミナーを開いている。
曰く、『医療・介護の分野で公的保険だけでも35兆円のビジネスになっている。2025年には市場規模が保険だけでも70兆円に達するだろうと予測されている。市場がこれだけ急拡大するのに、病院経営は約8割が赤字の現状で、保険財政も悪化し、来年度の医療制度改革で、更に病院の収益環境は悪化すると見られている。
ー略ー
こうした病院・介護施設に再生ファンドの資金が投じられつつある。しかし、事業会社と違い、利益配当やIPOでファンドの資金回収は不可能である。ファンドの資金回収の大半はリファイナンスによることになる。金融機関の保有する病院の債権を安く買い取り、最新医療機器の購入や改築の為の資金投下を行い競争力を回復させ、新たな融資を取り付けることで回収していく。
当然、現経営者の個人資産は残らないケースが多くなるが、一方で医師として一定期間就労することで、その後の人生設計を再構築することは可能である。』
勿論、このように公表する内容では、まだ紳士的である。紳士的でない内容は、セミナーで有料で聞かないと教えて頂けない。
はげたかファンドは、イナゴの大群のように全国の医療施設を襲うであろう。日本の重要な社会資本である、地域の多くの大中小の病院がターゲットにされ、マネーゲームを繰り広げ、自らの利益を回収した後は、ゴミのように捨てられる。
そこで捨てられるのは、ハコモノだけではない、多くの病院職員と関連業者が捨てられる。、そして何より、重要なインフラが破壊され、多くの患者達の不幸が残るのである。
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