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2007年04月26日
安倍首相の訪米
安倍首相が訪米へと旅立ちました。飛行機への搭乗前に「忌憚なく話せる関係…」と述べていましたが、米国はそんな関係を望んでおらず、これが単なる国内向けのパフォーマンスに留まらず、態度にも表れ出すと米国からそれなりに圧力も掛かることが想定されます。
残念なのは、安倍内閣に戦略的に米国との関係を見直す、という態度が中途半端に見えていることです。これは外交を考える上で最も悪い戦略であり、今後は米国との関係の中で極めて厳しい要求を突きつけられる、そんな事態も想定しておく必要を感じさせるほどです。
先の従軍慰安婦の問題で、米ニューズウィークのインタビューで安倍氏はお詫びの気持ちを述べていますが、これなど外交上の大きな失敗の見本です。一部では国内世論を盛り上げ、それを背景に外交を展開する国があります。それは偏向報道や世論を醸成する背景があるなど、その国固有の問題もありますが、日本ではそうした世論は盛り上がらない傾向があります。
国内向けに情報を発信しても風にならず、更に外国からの圧力があれば意見を覆さざるを得ない。これは国力とも関係しますが、輸出主体で内需が育っていないため、貿易上の不利益を被ると国内経済は疲弊します。また企業の力が強く、政治がその上に立つ立場にないために起こる問題ともいえますが、どちらにしろ日本ではそうした外交は展開できないのです。
よって相手国のロビイストなどを取り込み、日本の情報発信力を高めて相手国との風通しをよくしておく必要がありますが、日本では外務省の怠慢もあり、そうした対応は苦手項目の一つです。この時、日本に都合の良い意見を幾ら述べたとしても、米国内で意見が広がるはずもありません。結果として、中・韓の利益代弁者としてのロビイストにより、日本は再びお詫びの言葉を述べるに至るのです。
今回の訪米で、牛肉や集団的自衛権の問題など、米国を喜ばせる手土産を持っていますが、これでも日本の意見はまず通らないでしょう。北朝鮮拉致問題など、日本の言いたいことは山ほどあっても、現状のブッシュ政権内の面々を見ても、日本の意見を通してくれるような人材は存在していないからです。
土産とは等価交換ができれば最良ですが、現在の国内の立場や環境からすると、日本は与えるだけで終わってしまいそうです。任期切れで退陣するブッシュ政権では、今更日本に手土産を渡す必要もなく、上下両院議会も日本叩きの方が勢いがあります。手土産の内容が安倍氏の好む部分もあるので、今回は大盤振る舞いをしているとも見えます。『忌憚のない』話し合いをすることも大事ですが、『期待のもてる』条件を引き出すような、そんな戦略的な外交が今の日本には必要なのだと感じます。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/
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