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燃えない選挙 [国会TV]
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投稿者 white 日時 2007 年 4 月 27 日 22:23:03: QYBiAyr6jr5Ac
 

□燃えない選挙 [国会TV]

 http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070427-01-0601.html

2007年4月27日
燃えない選挙
 統一地方選挙と参議院の補欠選挙が終わったが、首長選挙はほとんどが現職の再選で、世代交代も進まず、高齢者の多選が多かった。夏の参議院選挙に直結するため与野党が全力投球した沖縄の補欠選挙では、投票率が47.81%と過去最低を記録した。党首を何度も現地に投入したのに過去最低である。安倍総理や小沢代表がどんなに拳を振り上げて叫んでも、半数以上の有権者が動かなかった。12年に一度の「選挙イヤー」と言われながら選挙がさっぱり燃えていない。
 
 海の向こうのフランスでは親米路線のサルコジ候補と弱者の味方のロワイヤル候補が大統領選挙を争っているが、こちらは第一回投票の投票率が84%を超えた。国の進路を決する選挙、ヨーロッパの政治の行方に関わる選挙に国民は燃えている。
 安倍総理も親米路線、小沢代表は弱者の味方を主張して、主張だけ見ればフランスの二人と変わらないのに、どうしたことなのだろうか。
 
 選挙が燃えない理由の一つに2年前の郵政選挙の後遺症があると思う。衆議院で可決されたが、参議院で否決された郵政民営化法案を巡って、時の小泉純一郎総理大臣は「国民に聞いてみたい」と衆議院を解散した。国民投票制度を先取りする異例の解散である。今の国会で審議されている国民投票法案では、自民党は憲法改正以外にこの制度を認めないと言っている。それならあの郵政選挙は何だったんだと言いたくなるが、ともかく「国民に聞いてみたい」と言われて国民の心に火がついた。
 
 賛成派を「改革派」、反対派を「抵抗勢力」と色分けし、反対派を自民党から追放すると、戦国ドラマのような選挙戦が始まった。「刺客」という劇画タッチの言葉が躍ってテレビも国民もメラメラと燃えた。
 普段は選挙に行かない若者が選挙に行く。郵政民営化が国の未来に良いのか悪いのかなどは考えない。ただ命がけで民営化をやるという総理の気迫がかっこ良い。それが自民党を大勝させた。
 
 選挙後燃え尽きたかのように何もしなくなった小泉前総理を見て、国民の心の炎も下火になったが燃えかすの余韻は残っていた。小泉後継として安倍総理が誕生すると支持率は70%と驚異的な数字を記録した。
 
 ところがである。安倍総理は小泉前総理が党から追放した郵政反対派を復党させると言い出した。あの燃えた選挙に水をかけるような仕打ちだ。安倍内閣の支持率はみるみる下がり始めた。
 
 その一方、燃えかすに水をかけられて、初めて国民は我に返った。小泉後継と言いながら、安倍総理は全くキャラクターの違う別人で、時代は変わったのだと気づかされた。あの燃えた選挙の延長上に現在があるのではない。現実に引き戻された国民は、安倍総理が衛藤晟一前衆議院議員を復党させた復党第二幕にはそれほど反発を感じなくなった。そして内閣支持率も下げ止まった。
 
 燃えた選挙の反動で国民は政治家やメディアの扇動に軽々しくは乗れなくなくなった。今度の選挙でも射殺された長崎市長の後継者として娘婿が立候補し、メディアはそれを大々的に報道したが、市民が選んだのは現実に行政に携わってきた市役所の課長である。
 熱狂しても「簡単に政治は変わらない」ことを知って、「変化」よりも「現実・安定」思考になった事が現職の再選、高齢者の多選につながったということか。
 
 そしてもう一つの理由は政権政党になるべき民主党が「後ろを向いている」ように見える事である。 これも郵政選挙の後遺症なのだが、現在衆議院は圧倒的に与党が多数を占めている。党議拘束がある限り、安倍内閣はどんな法案でも成立させることが出来る。国会運営は思いのままだ。裏返せば、野党はどんなにあがいても自分たちの主張は通らない。その無力感が刺々しさとなって国会審議に現れる。小沢代表には選挙戦略上の狙いもあるのだろうが、「何でも反対社会党」の時代を思わせる国会運営が続いている。
 
 通常国会は冒頭から審議拒否で始まった。予算の衆議院通過は20年ぶりの徹夜国会になる。対案を出しても数の力でかなわないとなるとスキャンダル追及に力が入る。
 懐かしい55年体制時代の再来だが、国民の方は昔通りでないようだ。松岡農林水産大臣の「水」問題をどんなに野党とメディアが騒いでも、怒りに火がついて広がる展開にならない。それどころか安倍内閣の支持率はここにきて再び上昇し始めた。昔なら考えられないことだが、それが現実に起きている。 
 かつての小沢代表には既存の政治体制を一人で壊そうとする剛腕政治家のイメージがあった。自由党時代の選挙CMでは小沢代表が巨大なロポットに泥まみれになりながら体当たりしていた。しかし最近のCMはどうだろう。背広姿のおじさんが子犬を連れて散歩する。空を見上げて「政治は生活なんだ」と犬に語りかける。剛腕がいつの間にか優しいおじさんに変身した。あるいは格差社会を表現する映像が流れた後で小沢代表が視聴者に向かって一言「生活維新」と言う。強調したいのは「維新」すなわち「政権交代」だと思うのだが、どうもそれが伝わらない。「生活」や「暮らし」を訴えた昔ながらの野党のCMに見えてしまう。
 
 小沢代表には苦い思い出がある。かつて新進党が分裂し権力を再び自民党に奪われた思い出だ。その時自民党はあろうことか社会党の村山党首を総理に担いで復権した。
 その過ちを繰り返さないために、小沢氏はまずは党内最左派の旧社会党グループと手を組んだ。さらに対外的にも共産党を含む全野党との共闘体制を打ち出している。今度こそ分裂は避けたいとの思いが強いように思える。しかし共闘を大事にすれば自らの主張を封印しなければならなくなる。そこに悩ましい問題がある。
 
 選挙遊説で安倍総理は、「野党は批判ばかりで何もやっていない」と繰り返し演説していた。野党は政権を担っているわけではないから「何もやっていない」のは当たり前で、それでは批判したことにならないのだが、「批判ばかりで何も主張していない」と言えばその通りである。政権を取るべき野党は「弱者切り捨て、地方切り捨ての政治を変えなければ駄目だ」と言うだけでは足りない。「自分たちならこうする」と国民に説明しなければならない。そこが国民には伝わっていない。政権を批判するだけなら昔の野党もやっていた。それでは国民は政権を任せる気にはならないのである。
 
 「天下分け目の戦い」に直結する補欠選挙が1勝1敗に終わって、安倍総理は「浸透力が不足していた」と反省し、小沢代表は「力負けだ」と総括した。双方ともに無党派層の取り込みが夏の参議院選挙の課題であると認識している。無党派層を取り込めるかどうかは二人の党首の発信力による。両氏の国家経営のビジョンのどちらに国民が共鳴するかで夏の参議院選挙の帰趨が決まる。郵政選挙の反動で簡単に燃え上がるとは思えないが、ビジョン次第ではもう一度政治に夢を見ようかという国民が出てくるかもしれない。

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