★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK33 > 1077.html
 ★阿修羅♪
日本では自分から「パンパン屋だったよ」という人は皆無だね。「パンパン屋」の語源を探った興味深い文がある。
http://www.asyura2.com/07/senkyo33/msg/1077.html
投稿者 新世紀人 日時 2007 年 4 月 27 日 17:37:28: uj2zhYZWUUp16
 

(回答先: あれだけアメリカの大新聞が書きたてながら従軍慰安婦デモがなぜ盛り上がらないのか? 新聞が世論を作る時代は終わった  投稿者 TORA 日時 2007 年 4 月 27 日 16:07:24)

http://homepage2.nifty.com/DIG-Japan/nl57akib.htm
出どころは南洋委任統治領?
--パンパン語源考察

秋葉 由紀彦

 私は2001年の暮れに、「ベトナム関係蔵書目録」として約7900冊分の目録を自費で二百冊作成し(神田の「アジア文庫」03-3259-7530で委託販売中)、それで三十年間のベトナム関係文献収集のひとつの区切りとした。これからはその内容をまとめることにし、そのための用語・事項・年表のデータベース化を2002年9月から始めたのだが、その途中で、ふと旧日本軍の用語集がなくて不便を感じたことにより、そのころ入手した「日本軍隊用語集(正・続)」(寺田近雄著/立風書房/1992、1995年発行)のものだけでも抜き出して、自分用に五十音順に引ける軍隊用語集を作ることにした。
 始めてみると、なんて私は無知だったのだ、と思い知らされることしきりで、未知の言葉を知るたびに面白くなってしまった。例えば「ゼロ戦」が正式には「零戦(れいせん)」で、「ゼロ戦」というのは米軍の零戦に対する呼称が、敗戦後に入ってきて造られたものだった。あまりにも知らないことだらけだったのと、一般的にはベトナムよりも大東亜戦争のほうが必要であろうと考え、ベトナムは中断することにした(2003年正月)。
 それで今度はせっせと大東亜戦争の体験者の手記を買い始めた。そこから用語を抜き出し始めた。半年で百冊の本から五千語ほどを抜き出したのだが、その過程でわかった。あの時代には天皇を頂点にものすごい階級差別があり、軍隊の中でも士官と下士官・兵には大きな差別があった。それで士官の書いた手記と下士官・兵の書いた手記にも大きな差があり、戦争に対する怨念は下士官・兵を分ければ、最下級であった兵ほど虐げられ犠牲となったものはなかった。
 「ゼロ戦」と同じように、私が日本の軍隊語だと間違えていたものに、「銀シャリ」があった。これは海軍の「銀飯(ぎんめし)」が、敗戦後の闇市で変化したものだった。この闇市時代の有名な言葉に「パンパン」があるのだが、私はこの言葉の語源が何であるか知らなかったし、知ろうともしなかった。それが用語抜き出しの最中に出てきた。
 雑誌「日本週報 私の見た日本の秘密」(日本週報社/1959年3月発行)の「ガダル撤兵と偽電」(伊藤春樹)という、ニューブリテン島ラバウルの軍司令部特務班(海軍暗号解読中央機関)にいた著者の手記に、「このカラビア湾を一望に見下ろせる台地のはずれに、日本軍がパンパン屋(戦後日本で盛んに使用され始めたパンパンという言葉の源であろう)と通称した、いわゆる海軍慰安所があって二、三十名の沖縄や朝鮮の女が海軍軍人に、戦場における最高の慰安を提供していた」と記述されていた。
 これだけでも私個人の用語集には「パンパン屋>ニューブリテン島にあった海軍慰安所の通称」と入力して終わりである。しかし、公にするには著者の間違いである可能性もあるので、他の情報が必要だった。それには数ヶ月を要した。
 「広辞苑」(新村出編/岩波書店/1965年第一版)には、「パンパン(インドネシア語で女の意のプロムパンの訛かという) 第二次大戦後、街娼・売春婦をいう語」と書かれているが、第四版では「インドネシア語・・・・」という文が削除されて、「原語不詳」となっている。
 「隠語辞典」(■垣実編/東京堂/1956年発行)には「パンパン{pong-pong}(外国人相手の)私娼。{<南洋語から米国軍人隠語を通して入った}(俗)」とある。
 「映画にみる戦後世相史」(岩崎■著/新日本出版社/1973年発行)には、ニューギニア語で商売女を意味するのを、米兵がニューギニアから持ち込んだとアメリカ人記者が教えてくれた、と書いている。これで南洋から来たのは間違いないようだ。
 「角川外来語辞典」(荒川惣兵衛/角川書店/1967年発行)にも、「パンパン【南洋土語】p(w)ang p(w)ang]と紹介しているが、その引用例の一つに「パンパンということばは太平洋戦争以前から海軍で使っていた、トラックの土語らしい。「文芸春秋(山本嘉次郎・・・わが交友録)一九五四・六」)とあった。これで日本海軍で使用していたことが間違いではないとはっきりした。
 「ドキュメント太平洋戦争第六巻」(家永三郎解説/汐文社/1975年発行)の「ふみにじられた女性」には、南洋委任統治領時代のサイパン島で日本人が売春施設を「パンパン宿」、売春婦をパンパン女と呼称し、第二次大戦中はこれらの施設がすべて海軍用となったことが書かれていた。神崎氏はパンパンの言語学的な考察を氏の著書「売春」(現代史出版会/一九七四年発行)に書いたそうだが、それを入手していないので、私なりの考察を続けさせていただく。
 ピジン・イングリッシュ、ネオ・メラネシア語とか呼称されている太平洋諸島語で、「売春婦「」性交」などは何かというと、「ニューギニア語入門「(岩佐嘉親著/泰流社/1988年発行)では、「売春婦」は「pamuk」、「売春宿」は「haus pamuk」、「性交」が「puspus」、「女」が「meri」、「女性器」は「kan」と出ている。「ピジン語小辞典」(守田健一著/泰流社/1990年発行)には、「pang」は「はしけ、遊覧船」とある。
 「売春婦」の「pamuk」が「パン」と聞こえ、そこから「パンパン」と日本人がつくったのだろう。「パンパン」が売春を示す外国語が他にないようなので、「パンパン」は日本語であることは間違いない。これを民間人がつくったか、海軍軍人がつくったかは確定できないが、おそらく海軍軍人だろう。ニューブリテン島の海軍慰安所にも使用しているので、海軍が売春を示す海軍用語として使用していたことは事実だ。また、南洋委任統治領での売春施設での最大の客は日本海軍である。
 ちなみに慰安所の俗称である「ピー屋」の「ピー」は中国語の”女陰”からとするものもあるが、海軍隠語の「ピーハウ」(遊郭、売春宿)の語源である「Prositute house」(売春宿)と同じ英語からつくられたものである。
 「パンド」で「妊娠する」という意味の海軍士官隠語は、英語の「exepand」(ふくらませる)の語尾を転じさせたものとされている。そこから前述の「広辞苑「(第一刷)に記述されてた、インドネシア語のプロムパンの語尾を転じさせた可能性も考えられるが、インドネシアは日本の委任統治領ではなかった。
 これで「パンパン」は日本敗戦後の言葉ではなく、南洋委任統治領時代に日本人がつくった言葉であることがわかった。「広辞苑」には、南洋委任統治領時代に、現地の言葉をもとに日本人がつくった言葉、戦時中は海軍慰安所を示した、と記載してほしいものである。
 敗戦後、蔑称としてしようされた「パンパン」を日本国内に持ち込んだのは、米兵の線もあったかもしれないが、元海軍軍人たちが忌み嫌って使用した可能性が強いと思う。その語源が半世紀以上も明らかにされなかったのは、太平洋諸島地域で、海軍のための売春施設(慰安所)があったことを隠したかったためだとしか思えない。

(DIGニューズレターNo.57)


[新世紀人コメント]
しかしこの文も一つの見解でしかないと思う。後で考えた推論でしかないものかもしれない。
我々が子供の頃に親をはじめとする大人たちが口にしていた「パンパン」とは、安物の売春婦の事を指していた。相手客は進駐軍兵士ではなく日本人だった。
いかにも安物臭い言葉の響きではあった。ヤケッパチな響きもある。
進駐軍相手でも一人だけを相手にしているケースには「オンリー」という言葉が使われていた。勿論の事であるがこれは少し高級なのである。
高級売春婦は決してパンパンとは呼ばれることは無かった。
所謂花街でも芸者に対しては芸事で勝負する者には決して蔑称は使われなかったらしい。
売春の他に芸?がない芸者をションベン芸者と呼んでいたとのことである。
しかし、いずれにしてもこのような稼業に従事した女性達は経験を語ることは無かった。
悲しみとプライドの交叉した思いがあったのだろう。
 

 2 81 +−

 次へ  前へ


  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK33掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。