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冒頭に掲げたのは、昨日発売の『週刊朝日』(5月4・11日号)の新聞広告と、本日の「朝日新聞」の“お詫び記事”を組み合わせたものだ。
その下に掲げたのは、同じ「週刊朝日」の電車などの「中刷り広告」の一部。
先の長崎市長射殺事件に関し、『週刊朝日』は安倍首相と何らか関係あると受け取れる記事見出しを掲載した。これに対し、昨日夜の官邸での会見で安倍首相が「広告は捏造」、「報道ではなく政治運動」などと発言、それを伝え聞いた朝日側は本日朝刊で編集長名で「お詫び」などを出したというわけだ。
ただし、関係者によれば、写真下の「中吊り」の方が時間的には先で、つまり朝日側は以前の大人しい見出しから、後でより過激な表現にしていたわけだ。
もっとも、その内容は、本紙がすでに4月19日に報じている記事内容と基本的に同じなので、そちらをご覧いただきたい。
要するに、『週刊ポスト』が早くに有力秘書に対する右翼団体の糾弾行動に関して報じているのだが、その糾弾していた団体のなかに長崎市長を射殺した犯人が所属していた「水心会」(事件後、解散)も含まれていた。そして、今年に入って警視庁はその「水心会」の別の幹部を銃刀法違反で逮捕。もし、警視庁が銃器を押収した際に漏れがあり、それが今回の犯行に使われていたらーーといった内容。読めば、長崎市長射殺事件と安倍首相、そして秘書が直接の関係がないことは一目瞭然だ。
そうはいっても、見出しだけ見れば、確かに安倍首相が何か射殺犯人と関係あるように見え、不適切な表現なのは事実だから、朝日側は安倍首相の激怒ぶりにマズイと思い、先手を打って自らお詫びしたようだ。
だが、それにしても、繰り返すが、本文を見れば関係ないのは明かなこの程度の一週刊誌の表現に、いちいち目くじらを立てている場合なのか。
というのは、安倍首相は自分が不利と思った時は無視を決め込み、そうでない今回のような時は鬼の首でも取ったかのように指弾する。これはとてもフェアな態度とは思えないからだ。
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昨日、本紙でも報じたこの問題、本紙はこの程度でわが国の首相ともあろうものがいちいち批判するとは、というスタンスだが、批判どころか、昨日の『夕刊フジ』(写真。1面)などは「提訴(小さな文字で+)方針」と大見出しを出して煽っている。
いくらNHK問題を巡る報道で因縁ある社のメディアとはいえ、本来、権力者をチェックするのがメディアの役割なわけで、それを持って最高権力を行使するとすれば、それはファッショではないのか。
しかも、この問題、火がそもそも付いたのは、一昨日午後8時前の官邸で安倍首相が番記者の質問に応じた際の発言が契機なわけだが、この質問が予め仕組まれた可能性を指摘する者もいる。事実なら、さらに姑息なやり口と言わざるを得ないだろう。
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