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世界的に注目される日本の教科書検定 [ パワーポリティックス非公式情報 ]
http://plaza.rakuten.co.jp/31sakura/diary/200704040000/
来年4月から高校で使われる教科書の検定結果を文部科学省は30日に公表した。この検定では、沖縄戦における住民の「集団自決」が「日本軍の強制」によるものだとする記述が削除されているが、この話を取り上げたのは日本のメディアだけではなかった。例えば、アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」も「改憲」や「従軍慰安婦」などの問題とからめて報道している。
勿論、事実関係を正すことは重要だが、一部の情報が間違っているからといって、全体の構図が間違っているとは言えない。別の議論が必要なのだが、文科省の役人は安倍晋三首相好みの「日本像」を高校生に教え込みたいようだ。世界的には日本関係の情報が増える一方、「日本語」で伝えられるそうした種類の情報は「選別」が徹底され、権力グループの描く「仮想現実」に反するものは、ますます知らされないようになっている。
もっとも、「検定教科書」とは国家体制にとって不都合な記述を排除するために儲けられたシステムである。数学や物理など理系の教科とは違い、歴史をはじめとする文系の教科は政府が介入する余地は大きい。教科書とは、そうしたものである。
ところで、安倍首相は「従軍慰安婦」の問題で、軍の強制について広義にはあったが狭義にはなかったと発言したことがある。関連文書を廃棄したことを棚に上げておいて「証拠がない」と強弁する人たちもいる。しかも、公文書を積極的に公表するべきだとも考えていないらしい。アメリカ政府も日本に関係した文書の公開に消極的だが、慰安婦の問題に関してアメリカ議会で日本政府が積極的なロビー活動を展開していることを考えると、情報公開の遅れは日本側からの要請が影響していると考えるのが自然。ナチ関連の文書と比較しても公開の遅れは歴然としている。
しかし、「慰安婦」の問題で「狭義の強制」がなければ政府の責任は軽いと言えるのだろうか?1930年代の日本では世界恐慌の最中に金解禁を行ったために国民の生活は壊滅的なダメージを受け、東北の農村では娘の身売りも珍しくなかったと言われている。安倍首相流の解釈では「政府の強制」はなかったことになるのだろうが、そうした状況を作った責任は重大だと考えた人もいる。
1936年2月26日、「皇道派青年将校」の率いる部隊が首相官邸、警視庁、さらに内大臣や大蔵大臣の私邸などを襲撃して政府首脳らを死傷させた。「二・二六事件」だ。彼らの「蹶起趣意書」には、「国家破壊の不義不臣を誅戮(ちゅうりく)」すると書かれていた。「青年将校」の行動を肯定するわけではないが、この軍事蜂起の背景には、疲弊して娘が身売りされていた農村の実態があったことを忘れるべきではない。
ちなみに、金解禁を強く日本に求めていたのは、アメリカのモルガン商会を動かしていたトーマス・ラモント。フランクリン・ルーズベルトが大統領に就任した直後、ファシスト政権の樹立を目指すクーデターを計画したとされるグループの中心人物である。スメドレー・バトラー退役少将の証言によると、ルーズベルト政府を倒した後、金本位制を採用するつもりだった。
そして1945年8月18日、敗戦から3日後に日本の内務省は「外国駐屯軍慰安施設等整備要項」を出している。つまり、「良家の子女を守る」ため、占領軍を対象にした国家公認の売春施設を設けろということだ。そして設立されたのが「特殊慰安施設協会」。これが日本の権力者の持っていた(いる?)女性観である。
Last updated 2007/04/04 01:27:54 PM
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